旅あれこれ

◎だれも知らない小さな村、アルフリストン。イギリスらしい風景。その2。

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その1では、アルフリストンへ公共交通機関で行く方法とホテルについて書きました。

◎だれも知らない小さな村、アルフリストン。イギリスらしい風景。その1。

その2では、アルフリストンの見どころをご案内します!

 

アルフリストンの見どころ。

アルフリストンはイギリスらしい、小さくて可愛い村。昔ながらの家並みを楽しむところです。昔ながらのイギリスの村というのはあちこちにありますが、おそらくその中でも(観光地としては)とりわけ小さいところ。

ここでの観光は大きく分けて、観光地とウォーキングの2つの方向があります。

・イギリスの小さな村の雰囲気を味わえる

・教会やクレージーハウスなど、いくつかの観光名所を見る

・サウスダウンズウェイという長大なウォーキングコースの一部を歩く

・hill figureを見に行く

上記のような感じですね。観光地は主に2ヶ所。

 

聖アンドリュース教会。

 

 

小さな教会。……でもこの村の規模からすれば相当な大きさです。説明によれば、昔はサウスダウンズの大聖堂と呼ばれていたそうです。でも司教座ないよね?さすがにね?不思議。

教会の周りはきれいに整備されており、わたしがアルフリストンのホームページを見て、一目ぼれをしたところです。芝生がきれいなんですよねー、イギリスは。こういう緑の中にある教会は特に心を癒す。天気がいい日にここのベンチに座って(あるいは芝生にねっころがって)本を読んでいたいなあ。

東西南北、ランドマーク的にあちこちから見えて、どこから見ても絵になる素敵な教会です。内部は静かでこじんまり。でも建ったのが1360年というから、日本でいうと室町時代ですよ!そこからの時間の流れたるや……その流れを感じて下さい。

 

 

でも日本には法隆寺や唐招提寺があるんやでー。もっと古いんやでー。(←張り合うな。)

 

クレージーハウス。

英語のスペルはThe Clergy Houseなので、わたしとしてはクレーギーハウスと呼びたいところだが、実際の発音はクレージーハウスでした。RとLの聞き取りは残念ながらできないので、耳で聴いただけではクレイジーな家ってどんな家だ?としか思えない。

clergy Houseとは牧師館だそうです。あ、牧師館じゃない。英国国教会だから司祭館ですか。

ここは相当に歴史的物件です。何しろ歴史的名所や自然的景勝地保護のための団体、ナショナルトラストによる最初の購入物件ですから。

イギリスを旅していると、ナショナルトラストに全く無縁ではいられません。どこの観光地に行っても可愛いマークと共にナショナルトラストのロゴを見かけます。センスの良いお土産品などもたくさん作っているし、知らず知らずのうちに親近感を持ちます。

そして、ナショナルトラストの樫の葉マークは、このクレージーハウスの装飾から取られたらしいですよ!

 

 

室内が暗いので光量が足りず、写真はボケボケですが。

この建物も教会とほぼ同じ頃建てられたらしく、そうなると1360年前後。シェイクスピアやエリザベス1世の時代よりも200年以上前です!すごいー。

最初は古い家というだけでそんなに期待はしてませんでした。しかしその古さを知り、中にある当時の料理の再現や(豚の頭の丸焼きとか!←もちろん模型)、最後にこの家を所有していた個人が使っていた部屋(ロンドンの弁護士だったか、学者さんだったかだった気がする……)、外の小さなガーデンや果樹園などを見、そして何よりお年寄りのガイドさんやお土産屋さんとのお喋りなど、トータルでとても楽しめたところです。

 

サウスダウンズウェイ、あるいはサウスダウンズ国立公園。

アルフリストンはサウスダウンズウェイという、ウィンチェスターからイーストボーンまで伸びるウォーキングコースの中にあります。全体から見れば東の終点であるイーストボーンにかなり近い。丘陵地帯の美しい風景を楽しめます。イギリスの風景はやっぱり丘ですよねー。サウスダウンズウェイはおよそ全長150キロくらいのコース。ウォーキング好きの人も分割して歩く人が多いようです。

ウォーキングをメインに歩く人は、アルフリストンからカックミア川沿いに河口まで歩く、というコースがおすすめみたい。ゴールが海という道って素敵ですね。Googleマップで測ってみると、片道だいたい6キロくらいです。

……ただしこのあたりのことは、現地に行くまでほとんど情報を探せなかったんですよね。サウスダウンズウェイについての日本語での公式に近いサイトはないようです。日本人にもウォーキング好きな人は多いし、この情報はあれば役に立つと思うのですが。

ちなみに、見つけた範囲での英語の情報は以下の通りです。

ウィンチェスターからイーストボーンまで(全容地図)

クレージーハウスとサウスダウンズウェイをめぐる一日モデルコース

何泊かしてウォーキングをする旅行会社のツアーもあるようです。参考までに。現時点では一番下のあたりにアルフリストンのツアーが掲示されています。

 

 

丘絵、あるいはhill figure。

ところで、この辺りには丘絵(hill figure)というがあります。雰囲気的にはナスカの地上絵に似た、斜面に描かれた大きな絵です。あそこまで大掛かりなものではないですが、ずーっと前に「世界ふしぎ発見!」などで見たことがあり、面白いと思っていました。これがこんなところにあったとは!

まさか実際に見られるものだとは思ってなかったので、これは見たい。しかしサウスダウンズウェイについての情報も少ないのに、その中のロングマンやホワイトホースの情報はなかなかありません。これは現地に行ってから情報があるかどうかでした。

でもアルフリストンはツーリストインフォメーションがないくらいの小さな村なんです。

結果的に、ホテルのフロントで訊いたところ、独自に作成した丘絵への行き方案内の説明をコピーしてくれました。おそらく他のホテルに泊まっても、似たようなものは用意してあるのではないかと思います。あくまでも推測ですが。

ただし地図はなくて文章だけで行き方を説明しているので、これだけを持ってたどり着けるかどうかはちょっとどうだろうという感じです。特にロングマンの方が。オリエンテーリング感覚でみんなでわいわい相談しながら行けるのならば、それはそれで楽しいと思います。

アルフリストンに近い丘絵は2つあり、「ウィルミントンのロングマン(The Long Man of Wilmington)」と「リトリントンのホワイトホース(The White Horse of Litlington. 地元ではThe White Horse at High and Over という言い方をするようです。)」です。ホワイトホースはイギリスのあちこちにたくさんあるのでややこしい。

 

スターインホテルで貰った情報によると、

ウィルミントンのロングマン:往復約8キロ、所要時間は1時間半から2時間半。

リトリントンのホワイトホース:往復約10キロ、所要時間は2時間から2時間半。

8キロ。あるいは10キロ。うーん。わたしはそこまで長い距離を歩く自信はない。アルフリストンにいられるのは丸一日だけなので、そんなに歩いていたらそれだけで疲れてしまうし。近いのはロングマンの方で、ロングマンの方が見たいけれども、森の中の小道を通るコースっぽい。どっちかというと見通しが良い、川沿いの道を歩きたいなー。

そう考えて、わたしはホテルでタクシーを呼んでもらい、ホワイトホースの最寄の駐車場まで舗装道路を行くことにしました。そこまで2キロちょっとなのでタクシー代は全然大したことありません。チップを入れても1000円くらい。そこからホワイトホースの丘絵を見ながら、ウォーキングコースの川沿いの道をアルフリストンまで戻ってくることにしました。

実際のところはけっこうな距離があり、いろいろヒヤヒヤする部分もあって、けっこう大冒険だったのですが、基本的には駐車場から川沿いの道に降りられて、だいたい1時間半くらいでアルフリストンまで戻ってきました。多分実際に歩いたのは4キロ程度ではないでしょうか。ヒヤヒヤしたところも含めて、今となってはいい思い出です。行ってよかったー。

ほんとに短い距離を歩くだけで満足する人はこういう方法も良いかと思います。

 

 

ところで、この辺りの推奨地図があるらしいです。

O/S Expllorerっていうのは有名な地図のシリーズなのかな?有料。このシリーズの123がこの辺の地図のようです。そういう地図があると安心かも。

その他、夕方に時間が余ったのでルリントンの小さな教会にも足を伸ばしました。ここは散歩的な感覚でお手軽に行けたところで、それでも牧草地の脇を通ってアルフリストンの教会も遠くから見え、いい景色。歩いて愉しかったです。川沿いをアルフリストンから北の方へ何百メートルか遡ってみたのも成功。

つまり歩くところ全て愉しい、というのがアルフリストン。

 

アルフリストンにはすごくすてきな本屋さんがあります。

小さい村のわりにCD屋さんや骨董屋さん、なかなかお店はバラエティに富んでいますが、一通り入ってみたなかで感激するほど印象的なのは本屋さんです。

MUCH ADO BOOKS。

ホームページも凝ってますよね!

何がまず良かったって、これです。

 

 

面白ーい!へーっ、アガサ・クリスティは170センチもあったのか。コナンドイルも180センチ超えててけっこう長身だなあ。しかも作家だけではなくて、ビルボ・バギンズまである!こんなものを作る本屋さんなら絶対にいい本屋さんだ。

入ってみたら、中もすてきでした。本屋さんらしいごちゃごちゃした隠れ家感もあり、2階は作家の書斎をイメージして作っているらしく、ソファなども置いてあります。店のおばあさんもすてき。この本屋さんのためにアルフリストンを再訪したいと思うほど。

お昼を兼ねたお茶はThe Badgers Tea Houseでスコーンを、その日の夜ご飯はThe Smugglers Innでビーフシチュー&パイ皮添えを食べました。どちらも本屋のお姉さんのおすすめの店。

 

ところで、アルフリストンにはコンビニがあります。それがこんなの。

 

 

これコンビニ!?

実際に入ってみると、郵便局でもあり総菜屋さんでもあり、雑貨や文房具、洗剤などいろいろあってたしかにコンビニエントという意味でコンビニ。見た目より内部は広いです。しかしコンビニって地図に書いてあってこんなんが出てきたら驚く。開いてる時間も短いですしね。たしか日曜日は17時までだったような。

 

アルフリストンは素敵なところ。

以上、アルフリストンの見どころのご案内でしたー。今となっては楽園のような印象しかありません。ウォーキングのあとはジーンズのすそや靴が泥だらけで困ったりしたけど、楽しかったです。また行けるのならば、今度はもっと長く泊まってロングマンや河口の方にも行きたいな。

日本ではあまりガイドブックにも載っていないですが、アルフリストン、おすすめです!

 

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