いろいろ徒然

◎英語の本を読むのもいい経験。初めての洋書。

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最初に正直に言います。わたしには洋書をすいすい読めるほどの英語力はありません(涙)。でもがんばってなんぼかは読んでいます。読んだというよりは眺めた、目を通したと言った方がいい程度だけれども。

洋書は読むのになかなか時間もかかります。でも「読む」ことも大事な英語のスキルではあるし、読んで楽しめれば「楽しさ」と「英語のスキル」がどっちも手に入る。一挙両得。なので目指すは「読んで楽しい洋書」です。では、どういうものが読んで楽しい洋書なのでしょうか。

 

興味がある本を読もう。

当然のことなのですが、自分にとって興味がある本というのが面白い本です。日本語の本でも、小説は読まない人や、逆に小説しか読まない人、いろいろタイプがありますもんね。

「英語」の方を基準にしたおすすめ本のタイトルは多々挙がるかと思いますが、まずジャンルを意識した方がいいようです。日本語の本で名作文学や恋愛小説を全く読まないのに、英語で読んだら楽しめる……という可能性は低いですよね。

 

まずは簡単な本から。

子どものころに読んで面白かった本、覚えていますか?わたしの場合は、これです。

 


Anne of Green Gables ANNE OF GREEN GABLES (Puffin Classics) [ L. M. Montgomery ]

 

「赤毛のアン」はねー。子どもの頃に「これは子どもの本だ」とばかにしていて読まなくて(←子どもなのに)、小学校5年位の時に読んだら面白くて面白くて10巻一気読みしてしまった記憶がある。忸怩たるものを感じた。そのあと、大学受験の前にもはまって、勉強もせずに毎日せっせと本屋に赤毛のアンシリーズを買いに行っていた……

このくらい何度も読んだ本だと、英語の文章を読むと、(村岡花子さんの)日本語の訳文が脳内で再生される感じで、読んで楽しいです。あまり苦労しません。

英語力がわたし程度の人なら、子供向けの本を読んでいくというのは選択肢の一つだと思います。

もっと手軽に読めるのはこれ。

 


The Complete Tales of Beatrix Potter's Peter Rabbit (Children's Classic Collections)

 

ある意味でザ・イギリス人!ともいうべきビアトリクス・ポターの「ピーター・ラビット」。キャラクターとしては有名でも、お話を読んだことがある人は意外に少ないのではないでしょうか。

わたしはこれを読んで、フロプシー、モプシーとピーターは名前っぽいとして、カトンテールという名前はどうなんだ……と思いました。カトンテールってcotton tailですよね?「綿のしっぽ」って名前っぽくない……。調べてみるとcottontail rabbit(ワタオウサギ)というウサギも種類がいるみたいです。

まあそういう意味ではフロプシーも微妙だが。「だらしない、締まりのない」という意味らしいですよ。

フロプシーとモプシーとカトンテールはピーターの妹なんですか?「Flopsy, Mopsy, Cottontail and Peter」と書いてあるので(同時に生まれたにせよ)、お姉さんなイメージがあった。つまりピーターはいたずら好きの末っ子。

絵もきれいですしね。文章量が少ないので、すぐ読めるし1冊読んだというちょっとした達成感もあるというお得な(?)本。

 

あとはこれですかね。

 


星の王子さま - The Little Prince【講談社英語文庫】

そもそもはフランス語で書かれたものなので原書ではなく英語訳。

内容はそんなに簡単ではないです。元々の話も、いかにも童話のように見せているけど、けっこう大人向けでしょう?ピーターラビットは絵本的だけど、これは本。でも薄いので、これも1冊読むのにあまり時間がかからず、達成感を得るまでの距離が短いです。(お得感。←邪道)

 

子供向け、といえば忘れちゃいけないハリー・ポッターシリーズ。

 


Harry Potter and the Sorcerer's Stone

でも実は、わたしはハリー・ポッターにはのれなかったクチです。

日本語訳が受け付けなかったので、原書ならいけるかと思って読んでみたのですが、けっこう難しかったなー。ファンタジーの世界は創られた世界で、言葉だけが頼りなので難しい。たとえば「テレビ」なら、テレビがどんなものかは説明なしでわかるのですが、「クィディッチ」が何かと言えば全然わからない。わからないものをよくわからない英語で説明されてわかるかというと、これがなかなか難しいんです。

がんばって「Goblet of Fire」(4作目)までは読んだんですけどね。ページ数は膨大だし、そんなに面白くならないし、ここで終了。でもここでcauldronとdiagonalという単語を覚えました。大釜と平行線。……と覚えていたが、平行線ではなくて対角線でした(汗)。

子供の頃、ハリー・ポッターが大好きだった!という人は、大人になって読むときっと楽しいと思います。わたしにとっての「赤毛のアン」のように。

日本語版だとアンシリーズは基本的に10巻で通っていると思いますが、英語だとアンが主役じゃない短編集などは除外していて、多分7巻かなあ。わたしが持っているpuffin classic版だとアンシリーズは6冊買えて、なぜか「虹の谷のアン」がなかったので、別の出版社で買いました。

今調べて知ったのですが、2009年に「アンの想い出の日々」(The Blythes Are Quoted)というシリーズ最終作が出ているそうですね!

 


アンの想い出の日々〈上〉 赤毛のアン・シリーズ 11 (新潮文庫)

思わず日本語で貼ってしまったが……。2009年じゃ気づかないわ。これ、そのうち(日本語版を)買おう。

あとは、とても子ども向けとは思えないんですが、これですねー。

 


The Fellowship of the Ring (The Lord of the Rings)

映画にとてもハマったので、キャストが表紙の(当時)ペイパーバックを見て、とてもスルーは出来なかった……。ので買いました。

でもこれ、映画になるだいぶ前に日本語訳を読んでるんですけどね。原作はなかなかに長くて暗くて込み入っていて、出版社のターゲットは少年向けとなっている筈なんですが、とてもそうは思えない。

はるか前に見たテレビ番組でやっていたことですが、トールキン自身の息子だったか、編集者の息子だったかが、いつも原稿の下読みを引き受けていて(当時まだ十代)、「指輪物語」についてもなかなかしっかりしたレポートを書いていたそうです。その息子の意見も入れて出版するかどうか決めたという話だった筈。

そのレポートでは「10歳~15歳の年齢に受け入れられるだろう」と書かれていたという記憶があり、いや、そんなに低年齢層向けかな?と思ったことが。10歳ではなかったかなー。でもかなり若い年齢を言っていて驚いた気がする。

「指輪物語」って、10歳とか12歳には難しすぎませんか?長いしね。

日本語で読んでもそんな状態ですから、これを「The Fellowship of the Ring」「The Two Towers」「The Return of the King」と読んでいくのはとても苦労でした……

 

大人の本は難しい。

わたしが持っている洋書約40冊のうち、10冊ちょっとはイギリス人の友達がクリスマスに贈ってくれたものです。友人は大人なので、そのチョイスは当然大人のものであり、しかも読書クラブに入っている人なので、そういう人が面白いと思った本だと……私の英語力では歯が立たないのです(涙)。

でも読みますけどね。何年もかけて。

今まで、うっすらとどんな話かわかったのはこのくらいかなあ。

Clare Boylan「Emma Brown

Kate Morton「The Lake House」

Emma Brown」は時代もので、薄幸な孤児の女の子の話。……あまり詳しいことは訊かないでください。読んだの何年も前だし、そもそももやもやっとしかわかってないし。

「The Lake House」は2年位前に読んで、うっすら内容を覚えている。一応ミステリーでした。The Lake Houseという邸宅を舞台に、母・子・孫のそれぞれの時代を行ったり来たりする話で、50年前?に起こった事件が最終的には解決します。←ざっくりしすぎ。

 

でもこの過程で、すごくすてきな本にめぐりあえました。

 


Girl With a Pearl Earring

これはすごく好きになった本。

「真珠の耳飾りの少女」の小説。この小説では、彼女はフェルメールの家の小間使いで、いろいろと辛いことも多いが、主人であるフェルメールとの心の交流が幸せ。フェルメールが心を開いて、絵の手伝いをさせてくれるのが(絵の具を作るとか)生きがいだった。ほのかな恋心も抱き、でも結局は他の、年齢も境遇も釣り合った人と結婚する。

英語力がないわたしが、唯一味読出来たと思える大人の本がこの一冊。文章がわかったわけではないのに、繊細な心の動きが感じ取れた。これを読めただけで、今まで苦労して洋書を読んで来て良かったと思った。

フェルメールの絵は好きで、とりわけ「真珠の耳飾りの少女」は、好きな絵を選ぶとすればベスト5に入る。デルフトにも行ったことあるし。彼女が買い物に行くマルクト(=マーケット)広場は、デルフトに行った時に宿を取ったところ。現代でも市は続き、未明の大音響に跳び起きたという思い出がある。毎朝パイプ管を使って仮設店舗を組む、その音だったんですね。

これは映画にもなりましたねー。映画はコリン・ファースとスカーレット・ヨハンソンの配役で、派手さはないながら静かないい映画だった。光と色彩を丁寧に扱っていた。

 

最初に洋書を読むのなら、気軽に読めるものを。

――と、熱く語っておきながら、洋書を読むのならまずは気軽に読めるものをおすすめします。とにかくね。あまりがっつりしたものを選ぶと続きませんから。「難しい……」と思いながらの500ページとか苦行ですから。なるべくページ数は少なめの方が続きます。

そして、心がけておいた方がいいことは、出来るだけ具体的に書かれたものを選ぶということ。

単語がわかりやすくて文章がぱっと見わかりやすくても、それが読みやすいことに繋がるとは限らない、ということがありまして。日本語の本で例えると……あまり読んでないけど、多分江國香織のような作風だと、平易な日本語で情景を述べているけれども綴っているのは自分の複雑な心境。そうなるとその述べられた情景から心情を汲み取るということを、英語で行わなければならないのです。

これ、けっこう高度な作業。

今読んでいるGeogina Hardingの「Painter of Silence」が足かけ2年でまだ終わらないのは、おそらく上記のような理由だと思われます。もう間が空きすぎて、❝今読んでいる❞とはとても言えない。内容忘れてるし。でも残り50ページくらいなので、とりあえず目を通すつもりです。

 

 

作家の塩野七生は、イタリア語を「ゴシップ記事と推理小説で身につけた」そうです。

雑誌のゴシップ記事は、短い文章なので丹念に辞書を引いてきっちり内容をつめていき、推理小説は、一つ一つ単語の意味を調べていると面白さ半減だから、ざくざく多読する。

わたしも推理小説好きなので、この方法は使えるかと思ったのですが、……推理小説ってそもそも読者を煙に巻く、ミスリードするための小説なのでした……。どうもここに根本的な問題があるような気がする。実際推理小説も何冊か買ってみたのですが、そんなにすらっとは読めない。

とはいえ(推理小説を含む)エンタメの方が読みやすい、という傾向はありそうです。

あとは会話が多い本が読むのに楽ですね。会話では、通常そんなに複雑な文法が使われないので。

そういう意味で、わたしが次の次に読む予定のこれは、読みやすさの条件が揃った本ではなかろうか。

 


Murder Most Unladylike: A Murder Most Unladylike Mystery (English Edition)

kindle版しか見つけられなかったのですが、子供向けでミステリです。良さそう。これを手に取った時、まるで映画に出て来そうな、雰囲気のある書店の主人(おばあさん)が「それはとってもいい本よ」と言ってくれました。面白そうなにおいがします。

※「雰囲気のある書店の主人」はこちらの記事をお読みください。

◎だれも知らない小さな村、アルフリストン。イギリスらしい風景。その2。

「Painter of Silence」を何とかして、その次にやはり500ページくらいある(涙)別の本を片付けたら、これを読みたいと思います。シリーズがだいぶ出ているようなので、もし面白ければ夢が広がる。

読みやすい英語の本、5つのルール。

英語の本を読むのにはなかなか苦労がありますが、読み終わると満足感があります。1冊読んだからといって、すぐ英語力が上がったと実感できるものではありませんが、英語に触れることはマイナスにはなりません。もし興味があるなら、何か1冊、手に取ってみる価値はありますよ。

〇昔好きだった本。

〇子供向けの本。

〇会話が多い本。

〇短い本。

〇一文が短い本。

とっつきやすい本を探すのに、上記はある程度目安になるかと思います。

 

 

どうかすてきな本にめぐりあえますように。

 

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