台湾/Taiwan:2013

12.赤嵌楼。

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安平古堡のエリアから中心部へ戻るためにバスに乗る。

旅行というものに共通して言えることですが、「行き方」はガイドブックに詳しいけれども、
「帰り方」はそれほどではない。
なので、バスで行った時は、着いた時点で帰りのバス停と時刻表を確認して吉。
が、実際のところは着いた時点で先へ先へ気持ちが行っているので、
帰りのバス停を探すのは往々にして忘れがちです。

今回はそれほど苦労せずに帰りのバス停が見つかり。でもバスはけっこう待ったな。30分位。

わたしが次に行こうと思っているのは「度小月」という店。名物の担仔麺を食べるつもりだった。
来る時に近くを通ったので、帰りのバスに乗った時に運転手さんにガイドブックを見せて
「この辺で降ろして」と言ったら来た時とは別ルートを走るバスだったらしい。
その辺は通らないと言われ。

まあ結局中心部まで戻れれば、あとは歩いてもたかが知れている距離だし、全然かまわない。
観光名所の1つである赤嵌楼の近くには行くというので、じゃあその辺で教えて、と言って乗り込む。

だが、このバスには車掌さんが乗っていた。
乗っているのはいいのだが、わたしが本来は「度小月」に行きたいのにこのバスに乗ってしまったことに
彼は大変困ってしまったらしく、何度も何度もカタコトの日本語で説明しようとしてくれる。

 わかってる。わかってるよ、このバスが「度小月」直近に行かないことは。
 でも赤嵌楼で降りても1キロ程度しか離れてないし、
 どっちにしても赤嵌楼にも行くつもりでいたんだから、全然問題ない。

……という内容を、カタコトの日本語、英語が通じない相手に説明するのは大変困難なことでした。
まあわたしが台湾語を話せれば何の問題もないのだが、わたしは話せない。

何回も何回も説明してくれるので、むしろこっちは困ってしまい、
最後には「無問題(モウマンタイ)」と完全にカタカナで言ってみたのだが、通じない。
(「無問題」ははるか昔にナイナイの岡村が出ていた香港映画。見てないがタイトルだけ知っていた)
相手は大変に善意なのに、意志の疎通が出来ないというのはやはり難儀なもんです。

結局バスの乗客の中で英語が出来る人が出てきて通訳してくれ、何の問題もないということがわかり、
双方ともにほっとする。めでたし。

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赤嵌楼。

ここも要は、昔オランダ人が砦を築き、その後鄭成功が行政府としたところらしい。
……でもちっちゃいんだよね。ここも。
写真は側面部だが、正面から見てもあまり大きさは変わらない。
いや、大きさで全てが決まるわけではないが、やっぱりこの辺は一般観光客にはそこまでインパクトは。
だって中国系統の建物ってみな同じに見えるんだもん!
台湾の歴史にディープに詳しければ面白いんだろうけどなー。

特に物を思うこともなく、終了。

そして赤嵌楼のすぐ脇に、それはあった。

この「度小月」は、台湾を代表する庶民料理である担仔麺の元祖(らしい)。
本店が台南にあるというので行ってみようと思っていた。
しかしふと見れば赤嵌楼のすぐそばに簡易的な支店があるじゃないですか!
これは丁度いい。わざわざ本店に行くまででもない。ここで食べよう。
もう14:30ですから、おなかぺこぺこ。

サイズはだいぶ小ぶり。日本の一般的なラーメンの半分くらいかなあ。
味は美味しかったですよ。さっぱり味。魚出汁だろうね。白いのはたしか魚のすり身。
茶色はひき肉のあんかけみたいなの。緑のはすこし癖があるにおいだった。香菜?
スープまで飲み終わるとおなかいっぱい。これで60元(210円)。

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それから、台南駅への道をぶらぶら歩いていく。
全然観光もしてない感じだけど、行きたいようなところがないんだよなあ。
あとはもう寺院ばっかり。違いがわからないので正直もう飽きた。
(だが先日、奇美博物館というものがあったことを知る。なかなか面白そうなので、
事前に知っていたら行ったであろう。情報収集を怠った報いである。)

少し早いが高雄へ帰ろう。ホテルでぐだぐだしよう。

そこでふとマッサージ屋さんの看板が目につく。その看板が、いかにも明朗会計。
肩とか腰とか部位ごと10分で100元(350円)。わかりやすい!

マッサージ屋さんて、何しろこっちの体を預けるわけだから、潜在的に不安なものじゃないですか。
外国で、しかも飛び込みで、なんて余計。
でもここは料金体系がすごくわかりやすいし、見た目もいかにも地域のマッサージ屋さんな印象で、
ここがボッたりしたらもうどこも信じられない!という安心オーラ全開の店。
時間も余ってるし、ここはひとつマッサージをお願いしよう!

入って行くと、やっぱり「なんで外国人?」という気配は若干あるものの、
てきばきしてそうなおじさんが応対してくれる。何とか意志の疎通をして、少し待たされた後、
女性のマッサージ師が出てきてくれた。
肩と腕、2ヵ所をやって欲しいといったら、ベッドではなく椅子に案内された。

日本で見たことなかったので、座り方がわからない。おじさんの方が実際に座ってみせてくれた。
うつぶせにまたがる感じですね。一番上の半ドーナツ型のところに首を入れて額をつける。
腕は水平の板のところに載せる。すねを一番下の斜めになっている2枚の板に載せる。

そして肝心のマッサージは。

これがまた気持ち良かったの!
椅子のせいもあるのかなー。この椅子はよく身体構造を考えられているらしく、座っててとても楽。
どこにも無理な力がかかってないから、もうこの椅子に座ってるだけでくつろぐ感じ。
マッサージ師の人も、柔らかく、そーっと扱ってくれる。かといって力がないわけではなく。
年齢不明な、ちっちゃくて可愛い感じの人で、その人が遠慮がちに「トン?」と訊いてくれる。

多分、「トン?」とは「痛い?」ということだと思います。
今回実地で覚えた唯一の台湾語。

今思えば、2ヵ所20分じゃなくて、全身やってもらえば良かった。
気持ち良かったし。雰囲気も良かったし。他にもお客さんがいっぱいで、みんな隣近所の人っぽい。
そこがいい。

言葉は通じないんだけど、なかなか素敵なコミュニケーションがとれたところでした。
台南に再度行くことがあれば(多分行くことはないだろうけど)ここにはまた行きたい。

赤嵌楼から駅に向かう道沿いにある。
よく覚えてないけど、翰林茶館の並び。たしか何十メートルか離れている。

またケーキを撮っている。
動物もの以外のデザインも、けっこうレベルが高いと思いませんか。
しかしこの動物もの、切り分けた後には微塵も楽しさが残ってないな……
むしろ無残。

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