京都/Kyoto:2016

14.承天閣美術館。

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10月9日。5日目。

この日はわりとどうでもいい日。どうでもいい日ではないか。
予備日というか、ずっと駆け回っていたのでのんびりする日。

朝もゆるゆる10時にホテル出。

まず本法寺に行った。
ここはまあ普通の観光ではそんなに来るところではないだろうけど、一応長谷川等伯ゆかりというのでね。
大涅槃図の複製画があるそうだし。

ちっちゃなお寺だろうと思っていたのだが、予想よりは広い。

長谷川等伯像。見上げすぎや。

庭もウリ。本阿弥光悦作庭「巴の庭」。狭いけど。

写真には写ってないが、ど真ん中に唐突に蓮池があり、どうなのかなこれ。
蓮の盛りには存在感がありすぎるのではないか。そして今の季節は蓮が枯れて、正直言えばみすぼらしい。

展示室はちっちゃいが、誰だかの花鳥図でいいのがあった。八代集の江戸写本がきれいな字。
大涅槃図の複製はビニールで感心しない。

このお寺の辺りは茶道の千家のお膝元。とある家の前を通りかかると「千」という表札が……
でも侍屋敷みたいな重厚な構えではなくて、現代日本の一般住宅でした。すっきりしたデザイン。

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次は相国寺の承天閣美術館。

相国寺へ行く途中にフルーツパーラーがあり、「柿サンド」という貼り紙に驚愕し思わず入ってしまった。
「柿サンドを食べてみたいんですが……」「カツサンド?うちにはありませんよ」
フルーツパーラーに入って、さらにショーケースを指さしながら言ったのに、その聞き間違えは納得できませんが。

柿サンドは、柿も美味しく生クリームも美味しくパンも普通で、全然問題のない美味しさだが、
あえて柿を生クリームと一緒にする意味までは感じなかった。

承天閣美術館の売りは若冲の「動植綵絵」30幅。……の複製。
コロタイプ印刷の複写だそうで、なかなかきれいなもんです。そもそも若冲も鮮やかな色彩の画家なので、印刷にとても映える。
それを30幅、原寸大でずらりと並べて見せてくれるのは大変アリガタイ。見がいがある。

もともとは相国寺に寄進されたものらしいので、ここに所縁のもの。
……と思ったが、今気づいたけどこれは常設ではないんだね?特別展なのか。
並んだところを見られてラッキーだった。複写とはいえ。一枚二枚だけで見ては別な見方になる。

でもまあ混んでました。昨今、若冲人気だし。
ここは小ぶりながらけっこういい美術館で、もう少し人が少なければ印象はさらに良かったろうなー。
そうすればもう少しじっくり見て、もっと楽しかっただろう。
若冲以外にも可愛い絵が何枚かあった。現代作家の椿の絵良かったなあ。

そしてここも庭がいい。

まあ禅寺の庭と違って、現代の建物の庭なのでそこまで精神性が漂う感じはしないが、
リボンウィンドウから見るパノラマな庭としてはいい感じ。これは「十牛の庭」という名前がついているらしい。

コンクリートというところがいまいちだが、こういうデザインの庭は嫌いじゃない。

狭いわりには1時間ちょっといて13:10。

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その次に行こうとしていたのは風俗博物館。……昨今の〝風俗”なる語はフーゾクの意味しか知らない人が増えてきた気がして不安だ。
そもそもは生活文化のこと。
そして風俗博物館とは、源氏物語の六条院の模型を展示している博物館らしい。
つまり平安時代の生活文化についての展示。まあちょっとネーミングを工夫した方がいいかもね。

5年前京都へ来た時もうっすらと行きたいと思っていたところだった。しかし場所が悪く、結局行けず。
今回は行こうと思っていたのだが……

どうも企業がやっているこじんまりとした博物館(展示スペース?)らしいので、ちょくちょくお引越しするらしいの。
5年前のところから場所が変わっていて、むしろ行きやすいところになっていたのでラッキーと思ったのだが、
前日くらいにもう一度場所を見たところ、そこから再度引っ越しをしたらしく。
うわ、行く前に気づいて良かったと思って3ヶ所目のところへ行ったところ、「移転しました」という貼り紙が。
さすがに、お前は葛飾北斎か!と内心毒づき、そこに書いてあった場所を目指すが……
ここだろう、と思ったところに行ってもそれらしいものは見当たらず。
ちっ、もうちょっとちゃんと見てくれば良かった。地図を写真に撮ってくれば良かった。

こうなるとお手上げ。何しろわたしは10年来同じガラケーを使っていて、携帯で情報は取れない不自由な人。
ipadも持って行ってるんだけど、繋げてない。京都ではバス停でフリーwifi使えるようになっているんだけど、
設定するのが面倒で使えない。
仕方ないので家に電話して風俗博物館の電話番号を調べてもらい、電話してみたが、
……この日は日曜日で会社が休みらしく、人間がいるところに電話がつながらないらしい。
なんだっちゅうねん!とムカムカし、アンタなんかもう知らん!と言って、風俗博物館は諦めました。

アンタとわたしは縁なき衆生。今度京都に来ることがあっても、風俗博物館に行くことはない。

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