ギリシャ/Greece:2008

19・た、高い……

投稿日:

考古学博物館を出た後、まずはホテルにチェックインして、しばらく部屋で休む。

部屋はこんな感じ。どうしても漂う古っぽさを、がんばってカバーしているという印象。

My room.

ベッドに寝転がりテレビを見る。ギリシャ語なので当然さっぱりわからないのだが、
CMだけ見ててもけっこう面白い。トヨタ、三菱、日産のCMは頻繁に流れる。
エアコンのCMだったような気がしたけど、「トヨトミ」という会社のものも時々流れた。
ゴン中山似の日本人の役者がタキシードを着て出て来る、007のパロディ。
日本からこんな遠いところでこんなCMが流れているのか……。しかもトヨトミって。

それから日本(?)を舞台にしたファイティングファンタジー系のアニメもちょっと流れた。
テレビをつけたらやっていて、それからすぐ終わってしまったので、
実際どんな話だったかわからないのが残念なところ。

正直、もう部屋でずっとゴロゴロしていたい……
すでにどっぷり疲れている。クレタ島でも歩きまくったし、今日だってけっこう歩いてるし。
でも部屋で寝っ転がってテレビを見ているだけでは、何しにギリシャまで来たかわからないのだ!

わが身に鞭打って、ベッドから体を引き剥がす。
まるで修行だよ。
自分の旅行を顧みて、時々そう思います。

◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇

目指すのはアクロポリスの丘。

http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A2%E3%82%AF%E3%83%AD%E3%83%9D%E3%83%AA%E3%82%B9

やっぱりギリシャと言ったらここ!ここへ行かないうちは、ギリシャに行ったと言えない。
何しろユネスコのマークだってパルテノン神殿がモチーフになっているくらいだから(だよね?)
ある意味「世界遺産の中の世界遺産」だ。テレビでは何度も見ているけれど、
これからわたしはその前に立つ。

ホテルからアクロポリスの丘までは、アスィナス大通りを一路南下。
街並みは雑然としている。一応首都の目抜き通りであるはずなのだが……
受ける印象は地方都市的。やはりギリシャは整然とした調和が好きな西欧ではなく東方文化なのか。

10分弱歩くと、アクロポリスの丘が見えて来る。

Acropolis of Athens.

うっ。た、高い……
写真で見るとそれほど感じないかもしれないけど、かなり見上げる感じです。
しかも岩山なので垂直に持ち上がっている感じ。
ほんとに登るんですか?ワタシ。登れるんですか?こんな直射日光を浴びながら。
足の裏はすでに水ぶくれなんだぞ。

ホテルからだと丘の北側へのアプローチになるため、岩山の西側のアクロポリス入口まで
行かなければならない。観光客向けの、かなり入り組んだ道を通る。

Adorianu Street.Many shops for tourists.

やはりバザールっぽい。両脇が全てお土産屋さん。
アクロポリスへ向かう前に、ついつい寄り道してちょっと歩いてみる。
Tシャツとかかばんとか、いっぱい売ってるなあ。どの店もみな同じようなものを売っており、
店それぞれの魅力はあまりないけれど……でもこういう場所は外国の感じがする。
その人の多さも含めて、歩いて楽しいところ。あとでお土産をあさりに来よう。

曲がり道。坂道。暑い。階段。坂道。細道。暑い。また坂道。また階段。暑い。

――アクロポリスに登るのは、最初に思ったよりは大変ではなかった。
(だからといって楽だったわけではないぞ!)
道が入り組んでいたのが幸いしたのだと思う。迷いながら、少しずつ進んだことで、
結果的にゆっくり登れた。これがまっすぐ一本の坂道だったりしたらと思うと……
想像するとコワイ。きっと途中でぱったり倒れていたに違いない。

登るにつれて、こんな景色が広がる。

Ancient Agora area.You can see the temple of Hephaistos.

正面のギリシャ神殿は、地下鉄に乗っている時にちらりと見えたヘファイストス神殿。
(写真だと小さくて見えないかな……)
緑の区域は古代アゴラと呼ばれる遺跡地域。

そしてようやくアクロポリスの入口までたどり着く。ここまで来るとさすがに人が多い。
チケットを買って入場。チケット12ユーロ(≒2000円)は一瞬高いが、
合計5ヶ所か6ヶ所の遺跡に入場出来る共通券だと聞いて納得。

Herod Atticus Odeon.The day's performance was Turandot.

ヘロド・アティクス音楽堂。昔々ヘロド・アティクスという大変なお金持ちがいて、
死んだ妻の思い出のために音楽堂を建て、それを都市国家アテネに寄付したそうな。
今から1850年前の話。建物は残り、建てた人の名もまだ消えない。

現在も現役の舞台として使われています。
黒いごちゃごちゃはオーケストラが座る椅子。
後で知ったが、その夜はここでオペラ「トゥーランドット」が行われたらしい。
荒川静香がトリノで滑った「誰も寝てはならぬ」はトゥーランドットからの楽曲。

Propylaea.

プロピライア(前門)。ここが頂上部分の入口。……チケット売り場からここまでもけっこう登る。
ガイドブックに「雨の後は滑りやすいので注意」と書いてあったが、
たしかに足元はつるつるした大理石で、こんな晴天に歩いてもちょっと怖い気がする。
こんなところで転んだ日にはどこまで落ちて行くんだか。

……ところで、なぜ君はここにいるのだ?

This is not "Cat On A Hot Tin Roof".Dog On A hot Marble.It would be a hot dog......

プロピライアの手前、係の人の飼い犬なんだかそれとも観光客が連れて来たのか、
大理石の上に真っ黒な犬が。いや、彼が好きでここに来ているならいいんだけどさ、
日差しを遮るもののない大理石の上は、この黒い生き物にとってあまりに過酷な環境ではないのか。
他人事ながら、「君は帰れっ!死ぬぞ!」と思ったよ。
犬だって熱中症にかかるでしょう?そんな命をかけた我慢大会のような真似をしなくても……
ギリシャの暑さに慣れているから平気なのかなあ。

犬を横目で見ながらプロピライアの門をくぐる。

-ギリシャ/Greece:2008

Copyright© 旅と風と日々のブログ , 2025 All Rights Reserved Powered by STINGER.