10日のシゴトが終わった後、22:10の富山・高岡行き夜行バスで仙台発。
高岡まで行く場合の運賃は9150円だけど、黒部までならずっと東寄りなので8230円。
バスの乗客は5人くらいかな?運転手さんも「周り全部空いてますから好きなように使って下さい」。
バスの前の方に女性、後方に男性と基本的に分けているらしく、前の方はほんとに貸切状態。
新しいバスで、わーい、のびのび♪と思ったのだが、落とし穴が。
空調の音なのか異音が聞こえる。止まったり聞こえたり、ボリュームが上がったり下がったり。
テレビの砂嵐の音を(これももうほとんど聴かなくなりましたね)もう少し高くしたような
ザーッとした音で、ボリュームが上がった時にはけっこうな大きさ。ツラい。
うわ、これはちょっとまずいんじゃない?のびのび眠れるつもりでいたが、その音のせいか眠れない。
一度気になるとさらに眠れない。どうしよう。
……そこでわたしはモスバーガーさんに大変お世話になったわけですよ。
というのは、仕事終わった後、バスに乗る前にモスバーガーのモスバーガーを夕食に食べたのね。
旅行支度にティッシュを持ってくるのを忘れたわたしは、紙ナプキンを何枚かいただき、カバンに入れた。
音で眠れないと分かった時の対抗策として、その紙ナプキンを耳栓にした。
それらの方策ででかろうじて寝られて、大変ありがたかったと。
でも結局寝られたのはトータル3時間くらいかな。ちょっとツラい。
ちなみに夜行バスの忘れがちな敵は、高速道路の入口出口に多い大変強力な街路灯。
それがカーテンの隙間からフラッシュし、目を閉じてても鋭い光が目に入る。これも安眠を妨げるものの一つ。
今までずっと乗るたびに「ああ、こんな落とし穴もあった」と思ったものだが、
乗り終わったら忘れるので、ああそうだったと思い出してもあとの祭り。
クリップか何かを用意しておくのが吉でしょうね。カーテンの隙間を防げるように。
わたしは今回、この問題にヘアピンで対応しました。カーテン2枚重ねてヘアピンで止めると、
強度に不安はあるが、少なくとも隙間はなくなる。
これ、バスの仕様でカーテンを後ろから前に重なるようにボタンをはめたら簡単に問題解決なんだが、
なんでそうしないんでしょう?
気兼ねなくリクライニングを倒して見上げると、窓の外は星空。
若干の反射光があるので、窓越しでそこまできれいに星が見えるわけではないのだが、
それでもさそり座のアンタレスが久々に見えて、おお、と思った。
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だいぶ明るくなった頃を見計らってカーテンを開けると、突然に山。
おお、山だ、と思う。
もう少し迫力ある写真もとれただろうと思うけれども、こちらも寝起きの寝ぼけであんまり起きてない。
でもこういう風に山が見えるところに住んでいる人は、平地に住む人とはやはりどこか違う気がしますよ。
守られている感が。
5:20、バスは黒部インターチェンジの内側に停まる。バスは高速代を精算せずに、
すぐに本線に戻って旅を続けられるようになっている。
人生初の、インターチェンジで降ろされるという経験。
実は出発の2日前まで、黒部は黒部駅で降ろされるものだと思っていた。
朝は浜の方へ出てみようかな。天気さえ良ければ朝の海の散歩もいいだろう。
駅のそばはコンビニもあるし、雨でも何とかなるだろうと。
24時間営業のファミレスがあれば一番ありがたいが、どうもそういうものはないようだ。
だが、降ろされる場所がインターチェンジであるという事実に気づき。
ええっ!インターチェンジって普通、市街地からは遠く離れてますよね?タクシーとかもなさそうですよね?
わたしはどうしたらいいんだ。
だが冷静に確認したところ、2キロ弱くらいのところに出来立てほやほやの北陸新幹線の
黒部宇奈月駅があり、そのそばにわたしが乗りたい富山地方鉄道の新黒部駅もある。
これはむしろ駅で降ろされるより都合がいいかも。
新しい新幹線駅、朝から食べ物やさんが開いてるかもしれないしね。
歩き出すとそこは水田地帯で、地元ではもうとっくに終わっている(筈の)田植えが、
たった今行われたばかりという感じ。山からの雪解け水で多分水が冷たいんだと思う。
歩いている道路の脇を流れる水路の水量が豊かで、さすがに山の恵みの土地という感じ。
ぴっかぴかの北陸新幹線、黒部宇奈月温泉駅。
だが実はこの駅は6時からしか開いておらず、着いて5:45くらいだったので、まだ閉まっていた。
駅構内で顔を洗おうと思っていた思惑は外れ。
さらに扉が開いてから中に入ってみたところ、すぐ改札口という作りで待合スペースなどはなく、
(待合スペースもトイレも建物の外にある)
当然食べ物やさんもない。ちっちゃい駅です。ピカピカだけど。
ここにいても何もないので、早々に富山地方鉄道に乗る。6:30。
思いのほか地鉄の新黒部駅は近かった。隣接している。駅がこちらもえらく新しかったので、
地鉄のわりにお金あるんだなーと思ったが、来た電車に乗ってみると、ザ・地鉄!!というような
古き良き……もう少しで骨董的価値さえ出そうな古色蒼然たる風景。
昭和初期の映画のロケとか出来そうですね。いい味わいでした。