ちょっとずるいんですけど、ここは写真を再構成してお届けします。
とにかくラヴェンナはモザイク三昧の町で、ラヴェンナで観光する=モザイクを見る。です。
一日歩いて、ひたすら見た。モザイクに(心情的に)埋もれそうになりました。
ラヴェンナのモザイクで一番有名なのは、サン・ヴィターレ教会と
その敷地内にあるガッラ・プラキディア廟。

The gate to Basilica di San Vitale.
聖域内に入る、意外に小さい門。教会へ続く門っぽくない。
まあ左右にあるのは聖龕っぽいからそこが宗教っぽい?

Basilica di San Vitale.Octagonal church.
サン・ヴィターレ聖堂。八角形の聖堂建築は珍しいそうだ。
日本には法隆寺の夢殿とか興福寺の北円堂とかあるけど、規模が違いますな。
右側の工事の足場にある黄色い物体は、よくわからないけど物を下へ投げる時に使うみたい。
ヴェネツィアで同じものをつくづく見たんだけど、底のない細いバケツみたいなのを
繋げるので、丁度いい長さに簡単に調節出来るようだ。
そのファンキーな色遣いとあいまって、なんかいい感じ。
そして肝心の内部。

Inside.Just like a huge kaleidoscope.
八角形に幻惑される。普通の長方形の教会建築なら自分の前後を見失うことはないけど、
八角形だと自分がどこを見ているのか方向がわからなくなる。
巨大万華鏡の内部。

Ceilling.
多分この天井はモザイクよりも相当時代が下がって、うーんうーん、わたしの感じでは
15、6世紀頃に描かれたもののような気がする。
茶系統の色あいというのも若干珍しいんじゃないかなー。
絢爛豪華たるモザイクに合わせるのは難しかったろう。



まあこんなにびっしりと、よく作る……。


Young and adult Jesus.
これはどちらもキリストと思われる。丸っこくて可愛い顔のキリストが、
長髪に髭面のやつれたおっさんになってしまうのだから、修行というのはキビシイものです。
そして世界で(多分)一、二を争う有名なモザイクがこれ。

The mosaic of Emperor Justinian and his retinue.
皇帝ユスティニアヌスと、

The mosaic of Empress Theodora and her retinue.
皇妃テオドラ。

これを見に、今回の旅行を組みたてたはずなのだが……
しかしねー、反省しなければならない。有名な作品を見た時に最も陥りやすい失敗をしてしまった。
有名な作品は、写真やテレビですでに見ている。
なので、実際目の前にした時に無意識のうちに「ああ、これね」で終わらせてしまうことがある。
今回は典型的にこのパターン。写真に撮りにくいアングルをどうやってカメラにおさめるか、
ということしか記憶に残っていない。
わたしは、美術鑑賞は勝負であり対話であると思っているので、やはりココロ落ちつけて
真剣に向かい合わないと。美しいものはじっと見よ。
まあ内部の巨大万華鏡空間は味わえたと思うので……それで良しとしよう。
万華鏡、けっこう好きなんです。魔法の道具の一つな気がする。
覗いたまま、どこか違う世界に行ってしまっても不思議じゃない気がするでしょう?