13:00にホテルを出る。
まだお昼を食べていないのでなんか食べようか。この旅行では一度も中華を食べていないので中華あたり。
だが意外に中華料理の店が見当たらない。その代わり、町の中心部のけっこう目立つ場所に
日本料理店があった。いいか、ここで。
Japanese restaurant.
照明とインテリアが若干、夜のお店的な雰囲気なのだが……
普通の客がそれなりに入っているので大丈夫そうだ。
Chicken teriyaki and sushi.
チキン照焼丼と細巻。味はまあまあ。だが、何しろ米がインディカ種とかいうのか、
長くてパサパサの米で、やはり食感は日本の丼とはだいぶ違うものになっている。
多分同じ米で作ったのであろう細巻は、スーパーで買って来た細巻を30分程度
食卓に放置した感じの乾き具合。
いや、でも決して不味くはない。9ユーロ≒1080円。
でも何より美味しかったのは、無料で出て来る番茶……。
ウェイトレスは日本人ではなく東南アジア系。
カウンター内で料理を作っている人は、遠くてよく見えなかったがもしかして日本人かもしれない。
周りのイタリア人客も達者に箸を使っている。
外人(ここではわたしが外人だが)は箸が使えないというのは誤解です。
もちろん使ったことのない人もいるので初めての人は当然下手だが。
BGMが昔の日本の歌謡曲?聞いたことあるんだけど何だったかな~、と思いながら聞いていた。
私に牽制投げかけたわ~♪……今検索してみたところ、五輪真弓の「ジョーカー」でした。
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次に目指すは大司教館付属博物館とネオニアーニ洗礼堂。
ここも近い。ホテルからでも6、700メートル程度。やっぱりラヴェンナは狭い。
From right to left:Museo Arcivesconile(Museum of archbishop?),the tower of Duomo,
the octagonal archtecture is Neoniani Baptistery.
いろいろ建物が固まっているところで。
左側のべたっとした建物が大司教館(付属博物館)で、その陰にドゥオーモ(その町のメイン教会)が
大司教館に隠れて見えないけれどもあり、塔がドゥオーモの付属、
右側の八角形の建物がネオニアーニ洗礼堂。という位置関係。
まず博物館へ。
ここは小粒だけれども質は良かった。中は外観の重厚さと違い、改装されていてとても明るい。
司教館なので、司教が使っていた聖具類も並べてある。こういう類はいかにも宝物っぽいが
それだけのもんだ。ここで良かったのは――
またもや、モザイク。
大司教館の中に司教の多分個人的な礼拝堂があり、個人的な礼拝堂だけにとても小さいんだけど、
ここもモザイクがびっちり。作られたのはBC500年前後らしい。
その頃大司教館は完成していたのかなあ?キリスト教公認は313年……。
まあ200年も経ってれば何でも出来るわなあ。
ここのモザイクを見ながら呟いた。「……何を根拠に」。
というのもですね、ここにはすごく写実的な十二使徒(6人しか確認出来てないけど)の
肖像モザイクがあり、それらが「見たんかい!」と言いたくなるほど個性的なの。
髪型とか顔立ちが。
聖パウロは黒いあご髭でハゲのおっさんだし、聖ペトロは総白髪で髭のおっさん。
聖ヤコブは河童みたいな坊っちゃん刈り?で人相が悪く、
聖アンドレは「お前はベートヴェンか!」という乱髪。
もちろん絵にしても彫刻にしても、それなりに想像を膨らませて描いたには違いないが、
モザイクに同じことをされると、妙に違和感があるなあ。
石(ガラス)という、ある意味で非常にぎこちない素材を使っているせいだろうか。
石の確かさにわたしは普遍を求めているのかもしれない。なので、あまりに自由な発想を
展開されると違和感があるのかも。
いや、それよりも単純に、モザイクは素朴であるべきという思い込みか。
ここで印象に残ったモザイクが別件でもう一つあった。
どこだかから持って来た、たしか等身大くらいの聖母像のパネル。
これが目の高さに展示されているので、石の置き具合が目の前で見られるの。
ラヴェンナでは昨日からモザイクばっかり見ているが、全部高い壁や天井に作られているので
全体としては見ることが出来ても、細部は見られない。ここはそういう意味で貴重な経験。
意外に石の置き方は雑だ。雑というより、あまりぴっちり隙間なく並べると光の反射が
均一になり過ぎて面白味がなくなるんだろうな。
聖母の足元に4輪の花が描かれているが、――一番左の花だけものすごく下手くそなのは
どうしてなんだろう。モザイク職人が、自分の小さな息子にやらせてみたような拙さ。
移築した時、適当に修復したとか?
そして隣にネオニアーニ洗礼堂。
Inside of Neoniani Baptistery.
位置が遠いせいもあるのか、非常に微細なテッセラで綿密に作っている印象。
これは絶対、時代が下がるだろうと思ったのに、5世紀半ばのモザイクだって。
ぎこちなさがどこにもない。ガッラ・プラキディア廟あたりと比べて、かなり熟した印象なのになあ。