パリ・18:15発→アテネ・22:30着のフライト。時差があるので約3時間の飛行。
なんだか出発間際に客室乗務員がもたもたしている。
そのうち彼らの一人が来て、東洋系に名前を訊いてまわる。
わたしも訊かれた。こりゃ遅刻してるのは東洋人だな。
案の定、しばらくたって姿を現したのは東洋人のカップル。遅刻を客室乗務員に怒られている。
しかも、顔を一目見ただけでわかるんだけどさ、
……夫婦喧嘩してるでしょ?アナタたち。
このカップル、何の因果かわたしの真後ろの席に座る。
やがて聞こえて来る日本語は、ヨメのグチグチしたかきくどき。いわく、
「……お義母さんがお金を出すのはいいよ。でもそしたら絶対そのうち同居するって
言い出すに決まってるじゃん」
おいおい、せっかく旅行に来て一体何をやっているんだ。しかもこんなお約束な嫁姑問題……
ベタすぎて笑っちゃうけど、しかし、
――わたしの楽しい楽しい休暇の邪魔をしないでくれっ。
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着陸を控え、夜を飛ぶ飛行機から見下ろす地上は光の花畑。
細かい砂のような光。丘を登る道路の街灯がゆるやかな曲線を描き、やがて途切れる。
ギリシャはやはり大国ではないらしい。上空から見る街の光はみなささやかだ。
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Athens Eleftherios Venizelos International Airport.
アテネ空港着。
人がいないところを撮っているのでがらんとした印象になっているが、
実はけっこう賑やかでお店も半分以上開いている。写真の時点で、だいたい23:00頃。
ま、時々メンテナンスの作業員は通るけれども。
フライト時刻の掲示板を見て驚いた。
アテネの空港は、最終出発便が2時台、最初の出発便が4時台。つまりほぼ24時間営業に近い。
成田は朝9時(但し到着は6時頃)、夜は22時ですよ。
パリの空港だって、最終は日本行の23:35だった。アテネの人は騒音を気にしないのかな。
やはり宵っぱりの国か?
おかげで空港で夜明かしをする予定のわたしは大変心強かった。
今回の旅行で一番の山場(=ある意味チャレンジ)は実はここ。アテネに22:30に着き、
その後5:40の飛行機でクレタ島に向かう計画。
普通はアテネで一泊し昼ごろの飛行機に乗るとか、数日アテネにいてからクレタ島へ行く、
というような選択をするはずだが、ムボーなわたしは時間と金額と体力を秤にかけた上で、
「よし!空港で5時間待とう!」と決めてしまうのだ。
でもなー、一人で真夜中の空港ってのもなー。他に誰もいなかったらどうしようかなー。
いても、ヤバイ感じの人だったらもっと嫌だしなー。
まあ、さすがに多少は心配もした。
しかし杞憂。
I was waiting for a flight to Creta Island.
I took this photo at 2:00.....
心配するほどのことはなく、お仲間がたくさん。夜中の2時頃。みんな寝てます。
手前の真っ赤なのがわたしのスーツケース。これにもたれて2時間ほど熟睡。
現地時間で午前3時頃、日本に定期連絡。
一人旅なので、一応一日に1回家に電話を入れることになっている。
テレフォンカードを1枚4ユーロ(≒650円)で購入。結局旅行中、このカード1枚で足りた。
国際電話も直通ならばそれほど高くはありません。80円で2分位話せる計算になる。
ギリシャは公衆電話があちこちにあって便利だった。国によっては公衆電話を探すのに苦労する。
時差があるので、定期連絡もタイミングをみはからうのが結構大変なのだ。
こっちが長距離移動中だと、ようやく電話が出来るようになった頃は日本が真夜中だったり。
でもまあ、送り出してくれることに感謝はしてますからね、せめてこのくらいの義務は果たそうと……