チェコ・9月8日

32.リベンジ。

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クルムロフを早朝に出て、プラハに早めに戻って何がしたかったかというと、
9月3日に行って果たせなかった、市民会館の見学ツアーへの参加。
その前にスーツケースを預けようと、プラハ中央駅構内をひたすら走る。

The municipal house.(Again)

市民会館再掲。

実はこの日、見学ツアーは13時から。ちょっと無理めな日程だけども
何とか戻れないスケジュールでもなかったから、それに間に合うように戻ってきました。
市民会館に駆け込んで、12時半くらいだったかな。幸い見学ツアーチケット、ゲット。
ああ、良かった。この為に戻ってきたのに、これで駄目だったらすごくがっかりしただろう。

しかし、この時点でわたしはまだ朝ごはんを食べていない。
ツアーまで30分。ぜひ何か食べたい。

ほんとはねー。市民会館の1階のカフェで食べるつもりだったんですよ。
ここもアール・ヌーボーの内装で有名なところ。時間的にも場所的にもちょうどいい。
でもプラハからのバスが20分遅れたせいで、時間が不安になってしまった。
30分。微妙なところだ。店は混んでいるし。
少々お高そうな雰囲気のところだから、注文してさっと出てくる感じはしないしなー。

店に入って行ってウェイターに訊いてみた。
「わたしはこのツアー(とチケットを見せる)に参加するつもりなの。あと30分しかない。
30分で何か食べられる?」と。
そーすると、……わたしの文法が拙いのと、相手の英語力が足りないのとで、通じない。
年若いウェイターさんは困った顔をしてチケットを見ながら、「このチケットで
ツアーには参加出来るよ」などと見当違いのことを言いだす。
いやいや、ツアーに参加出来るかどうかを訊いているんじゃない。
30分で食事が出来るかどうか、お店が料理を出すスピードを訊きたいんだ!

何て言えば通じたんでしょうね?
2回言って駄目だったので諦めた。こうしている間にも時間は過ぎて行くんだし。

で、カフェを出て、……どうしよう?
200メートル先にショッピングセンターはある。その中にファストフードがあるかもしれない。
あるいは500メートルほど戻れば、繁華街へも行ける。そこにはマクドナルドくらいありそうだ。
が、探しながら行く場合、最短時間で辿りつけるはずもない。
または、今まで行ったことのない方向だが、最大の広場である旧市街広場へ行ってみるか?

そんなことをイライラと考えた末に、……やーめた。
今からどこへ行くにしたって、イライラと走り、イライラと食べ、イライラと戻って来ることになる。
それよりは、多少の空腹は我慢して、落ち着いて見学ツアーを待った方がよろしかろう。

方針が決まるということは、どんな些細なテーマについてでも気持ちがいいものです。

とりあえずニューススタンドでチョコバーを買った。
市民会館の地下(見学ツアーの集合場所)に行って、茫然とチョコバーをかじる。
……でも今改めてガイドブックを見てみると、市民会館から300メートルくらいのところに、
マクドナルドがあったようなんだけどね。
イライラする前に地図を見てみろっちゅーねん。でも、プラハ着のバスが20分遅れた段階で、
すでにイライラしていたからなあ。冷静には行動出来なかった。

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ツアーの人数は50人くらいではなかったかと思われる。
ツアーガイドのおにーちゃんが「各国語の説明シートありますよー」と言うので、
手を上げて「日本語」と言ったら、なぜか3部も寄こした。
なぜ3部?と思い、そのまま持っていたのだが、わたしの後ろに日本人が2人いて、
「すみません、下さい」と言われた。後ろに目がないので全く気付かなかった。

では市民会館見学ツアーに出発ー。
ちなみにツアー代は270コルナ≒1430円で(あら、けっこう高かったね)、
その他に、写真を撮る人は55コルナ≒300円を払わなければならない。

Smetana Hall in the municipal house.

由緒あるスメタナホール。毎年行われる「プラハの春音楽祭」は、このホールの
「我が祖国」の演奏から幕を開けるそうだ。
ちなみにドラマ「のだめカンタービレ」のスペシャルで、
千秋様がここで『ブラームス 交響曲第1番』を振りました。

3枚目の右下の金髪(ぼけてるけど)はツアーガイドのおにーさんの頭。
ちょっと好み。顔が、というより雰囲気が。ガイドする内容を丸暗記で言っているのじゃなくて、
それなりの知識の蓄積があるのだと思う。多分学芸員のような立場の人なんだろうな。
ツアーは英語で行われたが、チェコ人の参加者も多く、彼らの質問にも熱心に答えていたし。

内装。

Interior.

Ceilling.

↑これは天井画。

1つ1つは決して下品になるほど詰め込んでいるわけではないヌーボーですが、
これだけ建物全体がみっしりヌーボーだと、その濃さに圧倒される。
ただし軽やかさは失っていない。このラインでまとめた責任者がえらいなあ。
チェコのヌーボーは軽やかでいいよね。ナンシーのヌーボー建築だとちょっと暑苦しい気が。

見どころとしてのメインは、やはりミュシャによる市長室のデザインでしょう。

Mayor's salloon desined by Alfonse Mucha.

これぞミュシャの実力といったところか。
プラハ・ミュシャ美術館とモラフスキー・クルムロフの「スラヴ叙事詩」で
あまり感心しなかったので、手ごたえをずっしり感じる完成度の高い作品が見られて安心。

が、彼が描くマッチョは、こちらの先入観のせいで少々微妙に感じる。
ちょっと無理してる?というような。
もっとも、わたしはマッチョ系はあまり好きじゃなくて、マッチョ系の総本山(?)である
ミケランジェロもいまいちなんだなー。特に絵は。ヴァチカンの「ピエタ」は大好きだけれども。

I like ceilling light design.

ヌーボーもデコもそうなのだが、一般的に照明デザインが面白い。というか好み。
日本の百年くらい前の西洋建築でも、照明デザインに味があったりする。

ツアーは1時間半くらいかかった。
ここを見られて良かった。戻ってきたの、正解だったなー。

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