Daybreak.
この写真が、実は今回の旅行でのベストショット。夜明けのアテネ空港です。
ヨーロッパは全体的に北に寄っているので、夏の朝はやたらと早く明け、夜はひたすら明るい、
というイメージがあるのだが、さすがにヨーロッパもギリシャまで来ると日本と特に変わらない。
5:40発の飛行機に乗る頃はもう夜が明けてるかと思っていたが。
ギリシャは緯度が低い。アテネで新潟とほぼ同じ緯度。
クレタ島の最大都市、イラクリオンで東京とほぼ同じ。
ヨーロッパ内を飛ぶのは、日本とヨーロッパを結ぶような長距離便と違って、小さい飛行機。
でも長距離便より客室乗務員が楽しそうに働いている気がするのはなんでだろう。
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50分の飛行でクレタ島が見えて来る。
途中で朝日が昇った。エーゲ海の日の出だ。
The sunrise from Aegean Sea.
飛行機はまるで海へ着陸するように高度を下げていく。
6:25、クレタ島イラクリオン空港へ着陸。ようやく最初の目的地へ辿り着いた。
空港からイラクリオンの市街地まではバスで行くつもりで――
しかし初めの一歩から「あれ?」。
普通は空港を出てすぐに、中心部へ行くバスなり地下鉄なりの乗り場があるものだが。
空港の外はがらんとしてタクシーしか見当たらない。いくら小さい空港で、早朝とはいえ、
バス停まで見当たらないとはどういうことだ。
空港の職員らしき美人のお姉さんに訊くと、にっこり笑って「バス停はあそこよ」と指をさす。
あそこかいな。木の陰に隠れて全然目立たないぞ。
それに空港とバス停の位置関係おかしくないか。なんであんな中途半端なところに……
何となく釈然としないが。スーツケースをガラガラ引きずって道を横断。
……なぜこんなところに犬がいる?
バス停前の道を大きな犬が3匹寝そべって道をふさいでいる。
どいてもらえないと、スーツケースが通れないんですが……
「すみません、ちょっと通して下さい」
仕方ねえなあ、という感じで皆さんどいて下さいました。あまりこちらには興味がないみたい。
少々汚れているので、撫でる勇気は出ない。
この犬たちは、寝そべっていたかと思うとたまに起き上がって道路に降り、
走っている車に並走してじゃれつく、というとても怖いことをやっている。
おいっ!大丈夫なのか、君たちは!
でもバス停でチケットを売っている人も、バスを待っているおじさんも、全然気にしてない。
いつもこんなことをしているんだろうか。命がいくつあっても足りないぞ。
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ちなみに、バスはけっこう難物でした。
旅行の際利用しやすい交通手段は、はっきりラインが決まっている地下鉄や鉄道で、
バスは基本的にどこでも難しいのだが、ギリシャは特に難しい。
何しろ表示がギリシャ文字ですから……
http://cir.tec.fukuoka-u.ac.jp/10denkikougakka/symbol.html
一応、旅行前に覚える努力はしたので大文字はイケるはずなのだが、何しろ相手はバスである。
表示を読む前に走り去ってしまう!
バス待ちのおじさんに訊いてみた。「中心部へ行きたいんだけど」。
こちらの言うことは通じているようだけれども英語を喋らない人らしい。
次のバスが来た。「これに乗っていいの?」
彼が何かを伝えようとしてくれているのはアリアリとわかるんだけど、
その意思表示があまりにも控えめすぎて、いいのか悪いのかよくわからない(^_^;)。
まあ最終的には無事に乗れたが、後で振り返ってみれば、ここまでの部分で、
ギリシャという国のエッセンスがだいぶ出ている気がする。
とにかく「なぜ?」と思うことが多い国だった。