ギリシャ/Greece:2008

5・「なんてラッキーなの!」と叫ぶ。

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7:30にホテル到着。チェックインをするにはとてつもなく早すぎるが、
とにかくこのスーツケースをあずかってもらわないと動きがとれない。
とりあえずフロントのおねーさんに名前を告げ、予約をしている旨を伝える。
ネットでの予約だったので微かな不安があったのだが、無事予約は出来ているようだ。

おねーさんが鍵を渡してくれる。
「部屋は今から使っていいです。朝食は7時から……」
その言葉をぶったぎってわたしは叫ぶ。
「今から!?ほんと!?なんてラッキーなの!どうもありがとう!」
おねーさん、わたしのあまりの大声に、かなり退く。

しかし考えてもみてください。
夜行バスで地元を出発したのは、6月4日の23時でした。
成田離陸が5日の11時、イラクリオンに着いたのが6月6日の7時。
日本時間でいうと(多分)6日の13時。
フライトは24時間ちょっとだけれど、夜行バスの移動を含めると38時間の移動。
そういう状況でこの時間から部屋が使えるなんて。おねーさんが天使に見えます。
思わず歓声も出るというものではないですか。

ちなみにホテルは
部屋は相当に小さいんだけど、まあまあのインテリア。生意気にちょっとしたベランダがついている。
ベランダから右を見る。

View from my room.Right side.

Left side.

左を見る。

正面は向かいの集合住宅が迫り、眺めのいい部屋というわけではないがご近所の生活感が漂って楽しい。
向かいのベランダにネグリジェを来たおばさまの姿があった。すぐ引っ込んだ。
2時間半ほど部屋で休息。

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よし、行くぞ。気分は出陣。

イラクリオンは島で最大の町だが、一般的な規模としては大きくない。
観光客が行くような中心部は1キロ弱四方。端から端まで歩くだけなら、15分かせいぜい20分。
うーん、ものすごく似てるというわけでもないけど、日本で言えば鎌倉あたりの雰囲気だろうか。
海に向かって開いている町だし。鎌倉を小ぶりにして、“侘び”を取り去ったような。
侘びの代わりにイラクリオンには明るい寂しさがありました。人の通らない、町の裏通りなんかに。

This is main street.It called the 25th August street.

町のメインストリート、8月25日通り。緩い坂道。両側はお土産やさん多し。
こちらの坂道をまっすぐ上ると、中心の中心、観光客がうじゃうじゃ集まるモロシーニの噴水へ至る。

The other side.

こちらが坂道の下り。遠くに海が見える道って、ロマンティックだと思いませんか。

ついでにモロシーニの噴水。

The Morosini Fountain.

別になんてことない噴水だと思うんですけどねえ。まあ歴史はあるらしく、
作られたのが1628年、飾りのライオン像は14世紀のものだとか。
この周りにはカフェなどが並んでいます。

この辺を歩いてようやく、「来たなあ、イラクリオンくんだりまで」という感慨を覚える。
旅行の時はいつも思う。遠い空の下で生まれたわたしが、この場所を歩いている不思議。

Many kinds of gelato.I choosed a scoop of melon sorbet.

皆が食いつく写真。反射してわかりにくいが、山盛りのジェラート。
普段わたしはシャーベットではなくアイスクリーム派なんだけど、ここではメロンシャーベットを選択。
1.3ユーロ。200円ちょっと。さっぱりと美味い。

シャーベットを選んだことが実は物語っているのだが……
6月のギリシャは、とてもとてもとてもとても暑い。
だが本人は、この時点ではその暑さをあんまりよくわかっていない。
今のところは単に「あちーなー」と思っているだけ。……この段階でちゃんとわかっていたら、
この日の午後、ああいう行動はしなかっただろうに。

イラクリオンはやたらと旅行代理店が多く、もしかして
3軒に1軒はそうなのでは……と思うほどだった。
どこでも一様に「フェリー」「レンタカー」「クルーズ」という看板を出している。
想像以上にどっぷりと観光都市。

わたしの中では「工事中の町」のイメージ。
目抜き通りから外れると、道が途端に無愛想になる。ひっそりとしてあまり人通りがない。
階段の縁がちょっと欠けてたり、敷石がずれてたりして、どこか雑然とした雰囲気が漂う。
工事中の雰囲気と似ている。
実際、手直し工事をした方がいいんじゃないかな、と思った所があちこちにあった。
賑やかすぎるほどのメインストリートと、裏通りの静けさ。
活気があるのかないのか、よくわからない町。

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