あまいろ

【prose】

薄紅色の鳥の魂

ある年の春、山形県の赤湯温泉に行った。 日帰りのドライブ、他の場所にも行った帰り路だったので、赤湯に着いた頃は夕方だった。目当ての共同浴場で一風呂浴び、外に出たところで幟に気づく。 〝赤湯 桜まつり〟 自分が住む街の桜はとうに散ってい...
【prose】

夜明け前

デルフトの中央広場に面した場所に宿をとった。 街の規模にふさわしい小さな広場は、中央広場という名のイメージとは無縁の素朴な場所だった。たしかに東側には新教会の塔がそびえ、それと正対して西側には堂々たる市庁舎が建っている。だがそのどちらもが...
【prose】

輝く赤と空の青

土地には固有の空気がある。光の強さと湿度、温度。風の強弱。全てがその土地の空気を作り上げる。それはどんなに映像や写真を見てもそこでなければわからないもの。飛行場から一歩踏み出して、あるいは駅のプラットホームに降りて。ああ、と深呼吸する。体が...
【prose】

きんぽうげ笑う

古い街を訪れるのは雨模様の日がいい。 傘をささずに歩く細い道。ノルマン時代の壁の跡が雨にわずかに濡れ、静かに佇む。 あなたは何を見てきた。 壁に手を触れてそっと囁けば、長い話になるよ、と答える。長くてもいいよ、と返事をすれば、またその...
【prose】

地平線に溶ける空

暗い空間に窓から差し込む白い光。白い光と黒い闇は、決して混ざりあうことなく独立して存在し、目に鋭く切り込んで来る。堅牢に作られた修道院の食堂の厚い壁。牢獄のような佇まい。強い光と闇のコントラストを凝視する。見えた気がしたのは、何百年も前にこ...
【prose】

赤い波に浮かぶ島

ミケランジェロ広場へ行くためにバスに乗る。 この街には昔の城壁がまだ少し残っていて、中央駅から出たバスはその外側に沿って走る。城壁が本来敵への備えであるのは言うまでもない。だが今見る壁は、フィレンツェを魅力的に見せるために建てられたちょっ...
旅あれこれ

◎JR東日本の季節限定きっぷ「キュンパス」を当日キャンセルした話。

今さらですが、この春のキュンパスを体調不良によりキャンセルした時の話をします。 ……大したことではないけれども、まあ実体験としてごくわずかに情報の価値もあるだろうということで、駄文とともにお届けします。 キュンパスとは。 キュンパス、...
ルート検討会

◎これで決定じゃないでしょうか。山口県のルート検討会ですよー。(多分決定版)

山口県のプランニングはかなり大変でした……。 考えて考えて、3パターンくらいにまとめました。 しかし、それに曜日をあてはめようとすると、これがものすごく難しい。 なぜかというと、門司港夜景観賞クルーズとSLやま...
ルート検討会

◎山口県を旅するとしたら?改めて、2度目のルート検討会ですよー。その2。

前回途中でぶった切ったルート検討会の続きです。5日目以降の話。 だが終盤に結論がひっくり返ります。……というか、迷子になる。 5日目のルート。 山口市の観光を最後まで詰めて、しかるのちにバスで萩市へ移動。1時間強の1800円。 ...
ルート検討会

◎山口県を旅するとしたら?改めて、2度目のルート検討会ですよー。その1。

前にあっさり山口県のルート検討会をしました。 これで十分だと思っていたのですが、その後、ちょっと気持ちが変わりました。 前は広島に空路で入って、広島、岩国を1日くらいずつあっさり観光という予定でいた。 これを――実...