津和野駅で電車から降りて。ホテルは駅からすぐ。スーツケースが届いているはずだから、それを確認して。あと2時間程度しかないけど、それまでの間出来るだけ津和野を観光しよう。ホテルに激近の安野光雅美術館くらいはゆっくり見られるだろう。
だが、汽笛に呼ばれた。
駅の階段を登ろうとした時にポーッという汽笛が聞こえました。その音の方向に目をやるとその人(?)がいました。

たしかに今回SLに乗ろうと思って、発売日の10時ちょうどにみどりの窓口に並んだけれど。
そう書くと相当熱量があったように聞こえるけど。
でもそれは「どうしても乗りたい」という気持ちより「せっかく乗ると決めたのにもたもたしててチケットがとれなかったらそれはそれで無念」という意味が大きかった。翻っていえば、SLにそこまで思い入れがあったわけではないし、人生一度くらいは乗っておこうか程度のノリでしかなかった。
でも実際に見ると。
自分でも不思議なほど胸に響きました。一目見た瞬間に「ああ」と吐息が漏れるような感覚。例えていえば、――個人差はありましょうが――クジラやイルカにふいに出会えた時の気持ちに似ていると思う。もちろんSLがここにあることは知ってたし、明日は実際にこれに乗って湯田温泉まで行くんだけど、それでも。
涙が出てきました。もしかして前世で運転士だったんでしょうか……。汽笛を鳴らして、ゆっくりとこちらに近づいて来る黒いヤツ。昔飼っていた、忠実な犬(←こんな事実はない)が遠くから駆け寄って来るような。
涙をぬぐいながら(?)、写真を撮りまくり。



まーものすごくいっぱい撮ったけど、永遠に載せ続けることも出来ないのでこのくらいでカンベンしてやろう。
見物人はいっぱいいました。ホーム側にもそこそこいたし、駅のフェンスの外から見ている人もたくさんいた。印象的だったのは、みんなニコニコ、キラキラしていること。やっぱりクジラ・イルカ的。みんなSLが好きなんだなあ。
SLの整備士さんたちもさかんに写真を頼まれてる。撮る方じゃなくてモデルとして。実際の仕事の合間合間に、ちょっと恥ずかしそうに、でもにこにこして写ってる。

駅の外側からも撮り続けるという……。煙を吐いているSLの写真を撮れて満足。
津和野に着いてから30分ほどもSLを見ていてようやくホテルへ荷物を置きに行きました。昼ご飯抜きで、もうこの時ものすごくオナカが空いています。でもここでお店に入って食べてると安野光雅美術館が終わってしまう。ホテルにかろうじて売っていたポテトチップスがわたしの飢餓を救います。むさぼり食って、早々にホテルを出る。
安野光雅美術館。
ホテルのほぼ隣の安野光雅美術館。50分しか見られないけれど、明日もそんなに余裕ないし今日行っとかないと。

じっくり見た、とは言えないので話半分程度の評価ですが、少し物足りない気はした。というのは、画家の出身地の美術館あるあるで、作品は比較的小粒なんだよね。出身地の美術館って、コレクションありきで作ったわけじゃないから、代表作が並んでいるわけではないの。今回の展示も小さめの絵が多く、ここでしか見られないという有難味が薄かった。
そもそも安野光雅は多分そんなに大きい作品はたくさん描いていない気がする。絵本とかの仕事が多いでしょう。
ここではその絵本の原画が多かった。そして、彼の作品は絵+エッセイという仕事が多いので、展示してある作品も絵と字の構成。それはそれで良いことなんだが、時間がないとわかっていて見る今回の場合、字までをじっくり読む余裕がなかったのよね。
もう少し風景画をたくさん見たかった。津和野の風景とか、ないわけではなかったけど、割合としては少なめ。
空間は贅沢に使っていて、こんな場所も。

セミナーなどに使われるそうです。
津和野の町を徘徊。
閉館時間ぎりぎりまで安野光雅美術館にいて、町の中心部へ向かうと、そこで行き会うお神輿。

地元のお祭りだったんでしょうね。17時過ぎだったので見物人はあまりおらず。昼間にやれば観光客も集まると思うが。やはり担ぎ手の皆さんのお仕事の制約があるのだろうか。
その後、いい感じの和菓子屋さんがあったので入りました。津和野の名物和菓子、「源氏巻」を買おうと思い。「源氏巻」とはどら焼きの皮と似たようなものをもっと薄く、四角く作り、そこにあんこをのっけて四角く皮を巻いたもの。……ブリトーを平ったくしたような、といえばある程度イメージ出来るでしょうか。横5センチ、縦13、4センチ、厚さ1センチ強程度の箱に入って売ってます。

お店の奥さんが相手をしてくれて、話は弾みました。SLを見て感動したという話をしたら、でも洗濯物には敵なんですよー。という話をしてくれて。そうだろうなあ、やっぱりああいう前時代の物体は周囲への……公害があるのが普通だっただろうからね。観光の重要要素だから何とか我慢出来ているんだろうけど。
この和菓子屋さんは山本風味堂さん。だが今見てみると、……え。閉業って書いてある……
12月半ばに店じまいしたということは、わたしが行った時はもう閉店が決まっていたのだろうか。あんなに明るくお話ししてくれたのに。
美味しい源氏巻をありがとうございました。
……イルミネーション?
その後、本日2回目の食事=晩ご飯を食べてから。
この日だったか、その前の日だったかに始まった津和野のイルミネーションを見に行きました。場所は観光のメインである殿町通り。

……うーん。きれいだけど、ちょーっと上品すぎるかなあ。木の間隔がけっこうありますからね。虹色にしろとは言わないが、うーん。動きは欲しいかなあ。ウェーブ的にゆっくり強弱をつけるのとか出来ないですかね?
人が混むのも嫌だが、全然いないのも盛り上がらないものだと初めて思った。いや、いなかったわけではないんですよ?いたことはいた。4人か5人。そしてサビシイのですぐ帰る。さすがにもう少し何かがないと。うーん。これをイベントとして成立させるには……
ということを考えながらホテルに帰りました。途中でローソンに寄って明日の朝食用のサンドイッチを買いました。津和野は町の中心部にコンビニが多分一軒だけなので、ちょっと便利ではないですね。ホテルからなら徒歩7、8分くらい。まあコンビニがあることが全ての価値ではないですが。旅行者としての正直な意見では、駅の近くにもう一軒くらいあってくれると嬉しい。
明日は津和野観光です。

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