2日目。
この日の朝食は800円を出してホテルで食べました。素泊まりで予約して、チェックインの時に800円で朝食をお願いしておいた。だが、正直なところ800円出す内容ではなかったので、この1回食べただけでした。コンビニとかで買った方がお安くて妥当。
さて!和歌山市の観光を始めます!
わざわざ来ました。
わたしは今回、下村観山展のために和歌山に来たんです。
下村観山。わたしは日本画について詳らかにしませんが、日本画の中で10本の指には入る人。――えーと、ちょっと待って、数えさせて。雪舟。応挙。芦雪。大観。光琳。抱一。宗達。若冲。岩なんとか……(岩佐又兵衛)。ああ、でも狩野派は何人もいるのでどこまでをメジャーとして扱うのか。そうなると下村観山が10本の指に入るか自信がないなあ。まあとにかく代表的な画家の一人です。
日本画が好きになったのは40代くらいから。それまではルネサンスと印象派にしか興味がなかった。日本画≒水墨画だと思っていて、水墨画はどうもつまらないと思っていた。だが気づいてみると日本画にも色がきれいなものがたくさんあるんですね!というより、色がきれいといえば日本画じゃないか?まである。結局わたしは色がきれいな絵が好きなんです。
そういう意味では下山観山も好きな方の画家の一人でした。色きれい派。
ちょっと繊細でヨワイ感じもするけれど。
このエキシビを知ったのは、山田五郎のyoutubeでした。東京と和歌山で下村観山展をやるんだって。その時点で1カ月半を切って、予定を立てる時間がないー!と思っていた釧路への旅行の代わりに、予定が立てやすいであろう和歌山への旅行に変えるか?と思いつき。それがなければわざわざ見に来なかったかもしれない。
だが予定していた1ヶ月半後だと、和歌山辺りは殺人的な気温であることにだいぶ経ってから気がつきました……。なので3週間ほど予定を前倒しすることになったので、時間がないのはいずれにしても同じだった。むしろ素直に釧路のままだった方がまだマシだったかもしれない。
まあでも無事に現地に着いているわけですし。
和歌山県立近代美術館。
行きやすいところにあります。市駅から直線で行けるバス路線もあったと思うけど、ちょうど来たバスに乗って、少し歩くバス停で降りました。降りたのが和歌山城の四角形の右上。近代美術館は左下。

城内の散歩を兼ねて少し歩く。緑の中を歩くのが気持ち良かった。
徳川吉宗の騎馬像を見つつ。
和歌山県立近代美術館。

黒川紀章設計だそうです。大階段は派手だけれどもしっかり上り下りをしなきゃいけないのが大変ではないだろうか……。わたしはこの1回の往復で済むけど、年に何回も行く場所だったら平地にしてくれた方が良かったかも。
隣の県立博物館も同じ設計者。今回は改修で閉館中でした。

わーい、下村観山展。
実は、予想よりも相当に空いてました!さすがにゴッホほど混んではおらんだろうとは思っていたが、期待した20分の1くらいの人数で、ほんとにゆっくり見られたのでうれしかったー。わざわざ空を飛んで行った甲斐があった。
ほとんどの絵が撮影可だったのでけっこう撮ってきたんですが、まー写真が下手くそでした。
パソコンで見て自分で驚いた。まあ仕方ないよね……。下手に撮って来ちゃったんだし。
気に入って撮って来た絵が多分20枚くらい、その中で厳選して3枚を挙げましょう。
「小倉山」


小倉百人一首を撰したことで有名な藤原定家をテーマとした屏風。なんであんたそんなところに座ってるん?とツッコミたいところだが、別荘があった小倉山を散策することもあっただろうし、歩き疲れたら腰を下ろすこともあっただろう。それにしてもずいぶん幹や枝のあるところに座っているが。
蔦の紅葉、そこに白を使うのがちょっと目新しい。友禅などの着物デザインにぴったりなんじゃないですかね。
「ディオゲネス」

樽で暮らしたという古代ギリシャの哲学者、ディオゲネス。こういう画題で描くのはイギリス留学が関係していると思う。だが体の線はまんま達磨図の流用って感じですな。顔だけが写実。面白いですけどね。こんなコラボ。(コラボちゃうねん)
そして今回のメインヴィジュアル「弱法師」。

多分これが下村観山の最高作。テーマは謡曲の「弱法師」。波乱万丈の人生を送って来た俊徳丸(=弱法師)が、盲目の目を落日に当てて、浪速の海辺で日想観をするシーン。
……わたしは、俊徳丸の鼻と口元が若干キモチワルイんじゃないかなーと思っているんだけどどうだろう。もう少し美形寄りの造型でも良かったのではないか。なんでこういうキャラクターになったのかな。細部の描きこみはすごいけどねえ。
髪の毛の一筋。肌の表現。近くで見れば多分まつげも繊細に描かれているんだろう。

屏風の鑑賞として、こういう方向から立体感を楽しむのはありだと思います。とはいえ、描く方がそれを必ず意識しているかというとそうでもない気はする。下手すると正面から平面の絵だけを考えて描いて、それが屏風として立って時に「あれ?」となるケースもある気がする。
今回は意識していると思う。
他に、
「熊野観花(ゆやかんか)」
「東方朔(とうぼうさく)」
「雨中鷺」
「闍維(じゃい)」
などが印象深かった。
そして「竹の子」。これが遺作。

死に臨んでも、この線も色も、きれいなまま。相変わらずこんなに精緻に。
実は下村観山展、予想よりずいぶん人が少なくてですね……。時期を見計らった(開始一週間後の平日、早めの午前中)こともあり、心から感謝したいくらいゆっくりじっくり見られました。こないだのゴッホ展で傷ついた(?)心が癒されました。やっぱりアートは自分のペースで鑑賞できるのがとても大事。
満足満足。来て良かった。

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