聞くたびに、コブサラダって何?と思っていました。つい最近までずっと。名前からどんなサラダか想像できない。違うだろうけど、……昆布サラダ?
調べてみたところ、特に厳密な定義はなさそうですね。決まった味のドレッシングを使うわけでもなく、材料がしっかり固定されているわけでもない。名前の「コブ」はこのサラダを最初に作ったレストランのオーナー、コブという人の姓から来ているそうです。一説によると冷蔵庫にあったあり合わせの材料を適当に刻んで作ったものだったとか。
先日このコブサラダを作ってみたところ、不思議なくらい美味しかったのでした。
コブサラダ、必要なのは「EAT」。
基本的に自由なコブサラダですが、絶対に必要とされるものがあるそうです。それが「EAT」。egg、avocado、tomatoの頭文字。玉子とアボカドとトマトは必須だそうです。
コブサラダと名乗るためにはこの3つを揃えなくてはならないわけですが、この中でハードルが高いのはアボカドですね。わたしも大好きな食材なんですが、いかんせん、食べ時の見極めが難しい。なかなかぴったりの時を当てられなくて、使いにくい食材になっています。業務スーパーの冷凍アボカドに期待していたのですが、ちょっと色が悪くてなあ……。発色がポイントのサラダにはあまり向かない気がします。
アボカドは、あれば入れるという程度に考えればコブサラダのハードルも下がります。アボカドがないとコブサラダではない!というのなら、コブサラダじゃなくても仕方ない。コブサラダ風サラダということにしましょう。ドレッシングもなんでもあり。おうちにあるドレッシングで良し!
コブサラダの要諦。
その時あるものを好きなように入れる。コブサラダ風サラダはそれでOK。でもぜひ満たして欲しい必要条件が2つ。推奨条件がさらに2つ。全部で4つ。
1.具材は大きさを揃えて角切りに。
一般的に料理は「具材の大きさを揃えると美味しい」らしい。このコブサラダは特にそうだと思いますねー。コブサラダが妙に美味しいと感じた最大の原因は、この大きさを揃えたことにあるのではないかと思います。
きゅうりが一番形を取りやすいと思うので、だいたい1センチ角くらいに。これを基準にして他の具材も切りましょう。もちろんぴったり1センチという話ではなく、だいたいの目安。全体的にコロコロとした、立方体っぽい具材が多いと美味しい気がする。
2.具材は最低でも5種類。出来れば8種類以上。
コブサラダの美味しさは、具材のハーモニー(!?)が形作るのだと思います。なので、少ない具材で作るとその醍醐味が味わえない。8種類くらい使うと美味しいと思います。
8種類は大変、と思う方。重要な味方はコーンです。コーンは何しろ、切る必要がないですからね!一番楽。たっぷり使いましょう!色合い的にもきれいな黄色だし。
3.配置はストライプで。
コブサラダの美味しさの秘訣は先に言ったように具材のハーモニー。これがねー。ストライプにしないとその真髄が味わえないような気がするんですよ。
ストライプにすると取り分ける時にいい感じで具材が混ざります。これ大事です。さらに、重点的に食べたい具材もいい感じの案配で取り分けやすい。重点的に食べたい具材を順番に食べるとおかわり2回くらいしたくなるので、野菜がいっぱい食べられます。
色合いを考えながら置いていくと、もちろん見た目も上がります。この細い帯状に置くのはけっこう面倒ではありますが。ここはがんばりましょう。
もしあれば、四角のお皿に入れるとストライプが引き立ちますねー。なければ丸いお皿に丸く、あるいはなんとなく四角形に。
4.動物性たんぱく質を出来れば3種類。
具材の数とも関連するのですが、動物性たんぱく質を複数入れるのが美味しさのコツ。ゆで卵はマストですね。その他に2種類。肉とチーズとか。食感を変えるとベスト。
具材はなんでも良し。
それぞれから2つか3つを選べばOKです。
下に敷く系の具材。
レタス……ざく切りじゃなくて、2センチ角くらいに切った方が美味しい。
水菜……短めに切る。だいたい3センチくらい。
カイワレ……上下2つに切る。
白菜……生で食べても美味しいですよ。全部を白菜にするとちょっと食べにくいかもしれないので、敷く量の3分の1くらいがちょうどいいかも。茎部分は1センチ角くらいに切りましょう。さくさくしていて美味。葉っぱは小さめのざく切りで。
ブロッコリー……ごろっと大きくではなくて、小さく裂きましょう。
植物系の具材。
きゅうり……1センチ角くらい。
アボカド……1~2センチ角。薄切りより角切り推奨。
トマト……プチトマト4分の1切り。あるいは普通のトマト1~2センチ角切り。種の部分はなるべく取った方が美味しいかも。大雑把に取りましょう。
コーン……業務スーパーの冷凍コーンが役に立つ。
各種キノコ……軽く塩コショウで炒める。塩味は控えめに。
パプリカ……多少の苦みがあるので少し量は控えめがいいかも。お好きならたっぷり。オレンジ色のパプリカは見た目に寄与しますね。
悩みどころは大根・ニンジンですねえ……。絶対だめなわけではないけれど、角切りにすると、他の具材と硬さのバランスが取れない気がするんですよね。入れるんだったら、細かく短い千切りにして、下に敷いた方がいいかな?
他にも、自分が嫌いなので使わないけれども、玉ねぎ・オリーブ・ピーマン・豆なども。
肉・魚系の具材。
玉子……ゆで卵にして、一個を4つ切りにした上で真ん中を切る。8分の1サイズ。
チキン……鶏ハム、または蒸し鶏を角切りに。ボリュームを出すなら、フライパンでパリパリの焼目をつけてから2~3センチ角に切る。
チーズ……角切り。うちは「切れてるチーズ」派なので、コロコロ立方体にしたい時は、2、3枚重ねて切って、立方体を目指してはがします。
ベーコン……1センチの角切り。ベーコンは塩がしっかり効いているので、入れ過ぎるとしょっぱくなりすぎるかも。
ハム……塩味についてはベーコンと同じ。切り方は、あまり細長くならないように。
エビ……ちいさめの冷凍エビで十分。レンチンで熱を通して。
ツナ……油は切った方がいいと思います。
これらを気のすむまで並べてください。まあわたしは絶対やらないけれど、全部並べても。全部並べたらすごそうですね。そんな大きな皿はめったにないけどね!オーブンの天板でも使えば何とかなるかな?そのくらい大きな器にストライプに置いていくの大変そうだけどね!
カラーコーディネートにも注意して下さい。黄色・白・赤・緑を彩りよく並べて。隣り合った色同士のコントラストを立たせるといいですよ。同じ色を並べてしまうともったいないので気をつけて。
しかし、コブサラダの最大の難点。
美味しく、きれいで、野菜をたくさん食べられるコブサラダ。これは作らない手はない!
……しかし残念なお知らせが。
難しいことは何も要らない、基本的な技術だけで出来上がるコブサラダですが、致命的な弱点があります。それは、
刻むのに時間がかかること。
これは正直、思ったよりはるかに時間がかかります。ざくざく切るだけなので楽勝~とか思っていると想定の2倍の時間がかかる。もちろん量にもよりますが、30分くらいはかかるのではないでしょうか。
なので、コブサラダは心と時間に余裕がある時に作ることをおすすめします。コブサラダはメイン料理になりうるボリュームのあるサラダですが、他に主菜を作るなら、なるべく手がかからない――豚肉の生姜焼き(というか焼肉のたれ焼)とか、ステーキとか、レンチンの冷凍食品とか、そういうものと合わせましょう。
あるいは半分くらいを事前に切ってしまう。まあ直前に切った方は美味しそうなイメージはありますが、ラップをして冷蔵庫に入れておけばそれほど劣化することもないでしょう。時間がある時に、少なくとも下に敷く野菜くらいは、切って皿に並べておいたら少し楽になると思います。
もちろん玉子は事前にゆでておくの推奨。
チキンも茹でる・焼いておくの必須。
冷凍コーンは使う分を冷蔵庫で解凍しておく?わたしは料理中にレンジを使うのがキライ。微妙に面倒なんだよなあ……。
とにかくひたすらひたすら刻んでください。その先には美味しいサラダが待っています。
あ、コロコロと刻んだサラダなので、カレースプーンで食べるといいですよ!お箸だと時間がかかって十分食べないうちにお腹がいっぱいになってしまいます。それはもったいない。
コブサラダはもりもり食べましょう!おすすめ。
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