仙台あちこち

◎秋保地区メガソーラー施設に関して、市に要望を出したら返事が来ました。

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……なんかyoutube動画みたいなタイトルになりましたね。

前回、こんな記事を挙げました。

◎その秋保を愛せますか。~秋保地区巨大メガソーラー建設についての意見

この記事を書く前に、仙台市と宮城県のホームページに要望を出していました。どんな要望かというと、

秋保地区メガソーラー施設の建設に関して、「パブリックコメント」を設置して欲しい。

パブリックコメントとは、――わたしもよく知りませんが(汗)「意見公募」ってことでいいでしょうね。市民、県民にとって大きな問題について、市民から広く意見を公募する。

パブリックコメントの対象に何が該当するのか、正直知りません。でも市民、県民の何らかのリアクションは必要だと感じました。たとえ何を思おうとも、自分から何か言わなければそれは意見がないのと同じ。ささやかな一滴も注がないまま秋保に太陽光パネルが並べば、きっと後悔すると思った。

 

仙台市環境局から返信が来ました。

2週間ほど経った頃でしょうか。仙台市からの回答が届きました。思ってもみなかったので驚いた。パブリックコメント要望に対する直接の回答ではなかったので、おそらくこれは秋保地区メガソーラー施設についての問い合わせメールに対する一般的な文章だと思われます。
その内容は、わたしが読んで心の半分くらいは安心できるものでした。

再度問合せし、

「前回の回答と併せて、メールの内容についてブログ等に使用いただくことについて、制限等はございません」

との返答をいただいてますので、内容について世界の片隅に共有させていただきます。

仙台市環境局からの回答メール。

なかなかの長文ですが、まずは全文コピペ。(差別化のために中央ぞろえにしております。)
その後、内容をわたしなりに簡略化してみます。

 

日頃より本市環境行政にご理解、ご協力いただき感謝申し上げます。

市民の声にお寄せいただいた「秋保地区メガソーラー建設について」に回答いたします。

この事業は仙台市によるものではなく、民間事業者が令和6年3月に突如、秋保町長袋地区等の地権者に対して説明会を行い、太陽光パネル等の製造工場を建設するという計画概要を表明したものとなります。

本市には、地権者説明会の開催後に、出席者から情報提供がありました。事業計画地は工場(建築物)を建設できないエリアではあるものの、メガソーラーの建設計画に変更される懸念があることから、説明会資料に記載された事業者名称や所在地を元に、庁内関係課や県等と連携して事業者とのコンタクトを試みてまいりました。しかし、事業者は連絡先等を公表しておらず、当方から事業者に確認がとれない状況が続いております。事業者からは、工場の建設なのか、太陽光発電事業なのか、どのような計画を検討しているのかさえも、本市に対して一切提示されておりません。

これまで本市では、大規模な森林伐採を伴う太陽光発電事業は、自然環境に著しい影響を与える等、決して望ましいものではないという認識のもと、太陽光発電施設の設置に係る各種手続を段階的に厳格化し、事業の抑止を図ってまいりました。

環境アセスメント手続き(平成27年12月に太陽光発電事業を対象事業に追加)では、森林地域における太陽光発電事業に対する厳格化として、令和3年に、より小規模なものから対象とし、環境配慮に関する指導方針を施行しました。それ以降、新たに環境アセスメント手続きを開始した森林地域における太陽光発電事業は0件であり、具体的な事業計画の相談も0件です。

これに加え、本年1月から開始した環境配慮書手続きによって、計画のより早期段階から、事業者による事業計画の公表や住民説明会の開催を義務化し、住民意見の提出を可能としたほか、有識者による環境影響評価審査会での審議を踏まえて市長意見を発出いたします。この環境配慮書手続きの開始前、駆け込みでの事業計画の提出も0件でした。

今後も、秋保に限らず本市内において、大規模な森林伐採を伴う太陽光発電事業計画の情報を把握した際には、本市としては決して好ましくないという考えにもとづき、環境アセスメント手続きに入る前の段階で本市の懸念を強く示すとともに、厳正に対処してまいります。

仮に、それでも計画を進めるという場合には、環境アセスメント手続きの各段階(環境配慮書・方法書・準備書)において、事業計画の公表・説明会の開催・住民意見の募集・有識者による審議等が行われることになり、手続き状況については市ホームページ等で公表いたします。

なお、これらの環境アセスメント手続きは通常3~4年と長期間にわたり実施するものであるため、報道等で言われているような2027年までの着工は現実的に難しいことも、併せてお伝えいたします。

今後とも、本市の市政運営につきまして、ご理解くださいますようお願い申し上げます。

仙台市環境局環境企画課長 土井 葉子

以上です。

 

簡単に言うと、内容はどういうことか。

読み返してみて、……全体的にけっこう難しかったですね。
上記メールの内容をかいつまみます。

1.仙台市にとっては1年半前に初めて聞いた話。事前にまったく関わっていない。

2.平成6年3月に、突然事業者が「太陽光パネル製造工場を建てる」と土地所有者に対して
  説明会を開いた。参加者からあとで(そんなことがあったことを)聞き、驚いた。

3.そもそも当該地区は工場建設が出来ない決まりになっている。
  詳細を聞こうと事業者に対して連絡を取ろうとしても連絡先は非公表。
  連絡が取れない状態が続いている。なので作ろうとしているのは
  太陽光パネル製造工場なのか、メガソーラー施設なのかすらもわかっていない。

4.仙台市の立場は「メガソーラーは環境に好ましくない」というもの。
  そのため事業の抑止を目的に、実現するまでの段階を非常に厳格化している。

5.環境アセスメント手続(……って、わたし環境アセスメントって何かわからないので、
  これは後で調べます。多分森林地域に太陽光を設置しないという取組が進んだんですね)
  それで実現までのハードルを上げた。上げたら途端に太陽光事業の申込が激減した。

6.というわけで、市としては「大規模な森林伐採を伴う」太陽光事業には基本的に反対。
  今後もその計画に対しては慎重に対応するし、ルール的にもハードルが上がっているので、
  メガソーラー事業をルールに従って進めるのは難しいだろう。

7.なお、秋保のメガソーラーが報道されているように2027年に着工される
  というのは状況的に見て難しく、(そのために事業者側が行わなければならない
  調査・作業が山のようにあるため)実現しない見込み。

いかがでしょうか、こんなところで。
当たらずといえばども遠からず。いや、だいたい当たっていることを願いますが。

環境アセスメントとは?

わたしはなるべく現実社会から目を背けて生きているので、環境アセスメントも「なんか聞いたことがある」程度の認識しかありません。

そもそも「アセスメント」この英語はなんでしょう?
→訳語は評価、査定、査定額、税額、判断だそうです。……なんですかね?これではピンとこないわー。日本語化している外来語以外使わないで欲しいんですよね……。コンセンサスとか今だに嫌いですよ、わたしゃ。「モチベーション」は使うけど。

それはともかく、それが「環境アセスメント」となると、

主として大規模開発事業等による環境への影響を事前に調査することによって、予測、評価を行う手続きのことを指す。略して「環境アセス」とも。

これはWikiから。

――だが具体的にどうかというと、これがなかなかわかりやすいサイトがなくてですね……。

一応まず、まさに仙台市環境局の説明ページ。

なお、ここのページにタイムリーに

森林の大規模伐採を伴う太陽光発電事業について立地の自粛を強く求めます

というページが出ていたのでついでに貼っておきます。ここらへんには関連の情報も多いです。

環境アセスメントの、具体的、具体的ねえ……。

「エコめがねエネルギーBLOG」というサイトの、――これはNTTスマイルエナジーという会社のブログなようですが、

いまさら聞けない“環境アセスメント

というページが比較的見やすかったです。調査内容としては、大気・水・土壌・光(光害)・生態系・景観・廃棄物など、相当に調査個所は多いみたい。

「環境アセスメント」、内容がちゃんとわかったとはとても言えませんが、このハードルをクリアするのはなかなか大変そうだというのはわかった。

 

かなりの朗報。

それと9月2日の段階で、仙台市からこういう発表がなされているのを見つけました。東北放送。

仙台市太白区秋保地区の巨大メガソーラー計画に地元懸念 市は出力400キロワット以上に自粛要請の新方針

ここまで言ったということは、設置には動きようがないのではないか……と信じたいところです。
なにしろここで言及されている「1ヘクタール以上」に対して、秋保の土地は600ヘクタールなんですから。「強く自粛を求める」という言葉になっていますが、感触としては「不可」といいたいところでしょう。

……そういう油断をついてちゃっかり建てられちゃったりする可能性がないとはいえない。

ちなみに仙台市のサイトではこうなっています。

森林の大規模伐採を伴う太陽光発電事業について立地の自粛を強く求めます

森林。森林以外のところはどうかなあと若干心配。休耕地とかの扱いはどうなんでしょう。土地所有者の方の都合もあるとはいえ……。

 

ひとまずは落ち着いたのかもしません。でも油断は禁物。

この流れを見ると、秋保のメガソーラー施設の実現可能性はだいぶ減ったとしていいのでしょうか。いいんですか?いいんですね?

わたしがこうも疑りぶかいのは、いくら法律・条例を作ったとしてもそれを無視して(あるいは抜け道を探して)強行をする団体が常にあるということと、結局国の姿勢がどうなるかで、今後の流れが変わる可能性があるからです。

釧路湿原も今、もめてますからね。これは(全体的に信頼できない)マスコミ報道によれば、提出書類が足りなかったとか、その足りないことに釧路市側が気づかずとか、そこらへんの話らしいです。

……ただ、この洩れてしまった提出書類は「木の伐採作業の終了を30日以内に届け出る」という内容らしいので、――伐採後に報告書を提出しても、後の祭りというか……今回の釧路湿原メガソーラー計画にとっては枝葉の部分ですよね。争点は「非常に重要な価値を持つ釧路湿原にメガソーラーを設置することの是非」ですから。ここも何とかなって欲しい。阿蘇も。

ちなみに釧路湿原のメガソーラーは4.2ヘクタール、東京ドーム1個弱です。
東京ドーム127個分、600ヘクタールの秋保のメガソーラーがどれだけヤバイ計画だったかがわかりますね。

その他の心配は、……環境アセスメントはちゃんと機能するのかなあ。
環境アセスメントで調査を依頼される団体は、おそらく民間で、おそらく開発側からお金を払ってもらって調査すると思うんですが……。認定がガバガバになる可能性はないでしょうか。構造的に開発業者の方に寄った調査結果が出る未来しか見えないんですが。どんなにハードルを並べたところで、それが全部ガバガバならば、ほとんどないのと同じですからね。

この件について今後、見守りを忘れないようにしていきたいと思いますー。いつのまにか工事が進んでいることがないように。現代社会にほとんど興味がないわたしはたいていのことをぼーっと見逃しているのだが。

太陽光は、一度立ち止まって現在の混沌した状況をいったん落ち着かせてから慎重に進めていただきたいと思っています。我特にパネルを処理を解決してからにして欲しい。我々も、ちゃんと運用されているかを遠くからチェックすることを忘れずに。

 

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