故宮博物院から一旦ホテルに戻って休む。最終日の夜なので、ちょっといいレストランに行こう。
竹里館というのは、台湾茶のガイドブックには必ず出てくる有名店。
わたしも中国茶にハマっていた10年前は、ぜひ行ってみたい憧れの茶館だったのだが、
……すでにハマる時期は脱しており、そこまでの熱意はない。
それでも最終日は竹里館で締める予定ではいたのだけど、ふとサイトを見ると、
いつの間にか竹里館の支店が出来ており、こちらは茶葉料理がメインだというじゃないですか!
最終日の夜ご飯に丁度いい。あっさり目的地変更。
18:00頃ホテルを出る。竹里館の最寄の地下鉄は地下鉄新荘線の行天宮駅、
せっかくだから行天宮にも立ちよってみる。まあ方向としては店とは反対方向なんだけど。
なんだかずいぶん熱気があって驚いた。
日本では神社やお寺でそこまで力を入れて拝んでいる人はほぼ見かけないが、
行天宮、少なくてもこの日この時の行天宮は「拝むぞ!」という気合い十分の人が多い。
熱気は見えないが、線香の煙は見える。煙がもうもうと立ち込める。
何かの祈祷なのだろうか、順番待ちの列も相当長い。
「何かお祭りなんですか?」と、よほど聞きたかったのだが、
英語が通じるかどうかを考えるとその勇気がなく。
それほど言葉が通じなくても旅行は出来るけれど、細部の情報はやはりとりっぱぐれますな。
◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
その後、竹里館。
少しボケたが店内の写真。空いていて、2、3組いる客も静かに談笑する人々。雰囲気のいい店。
ちゃんとしたレストランに一人で入るのは若干気後れするものだが、ここは居心地が良かった。
とはいえ、やはり一人だと手持ち無沙汰なので、出てくる料理をついついバシャバシャ撮ってしまう。
まあ撮りたくなるくらいに手をかけた料理だった。盛り付けが若干フレンチ風。
茶餐コースというコースメニュー。700元。サービス料を入れて、2700円くらいですか。
前菜。一番右がカモ肉のローストで、真ん中がオレンジとキウイ、一番左がきゅうりにレタスの葉を
植えた(?)ものなんだけど、このきゅうりがお気に入り♪カワイイ。
エビと龍仁茶葉の炒め物。龍仁茶は中国本土の緑茶。
中国茶に凝っていた頃は家でも1回か2回やってみたことがあったな。
そんなに奇天烈な味ではなく、茶葉も野菜と捉えるなら、ごく普通の炒め物。薄い塩味で悪くない。
烏龍茶で燻製した鱈と、白茶葉と鶏肉のチコリ包み。
みんな薄味で繊細で、店の雰囲気と器がきれいなので味も数割方良く感じる。鱈美味かった。
ウェイトレスの人は、一瞬浅香光代を思わせる風貌の人だが、だいたい日本語が話せ、
こちらが一人のせいか適度にかまってくれて居心地が良かった。色々教えてもらった。
あ、左上の飲み物は花酢というらしい。お茶風味。飲むと胃腸の調子が良くなる。
冬瓜の蒸し物。「これサービス」と言われたので「なんで?」と訊いたら、
「没有(問題ない)。初めましての挨拶ね~」と。
醤油味かね?少し味が濃かった。
メイン料理である雲南紅茶風のスペアリブ。濃厚な味のスペアリブにパリパリにした紅茶葉が載っている。
散々食べた後だけに少ししつこい。
付け合せのオクラの切り方が可愛かった。黄色のものは柚子の刻んだのかな?と思ったが、
なんか歯ごたえがしゃきしゃきしているので訊いてみたところ、ジャガイモだそうだ。
フルーツ味のジャガイモですよ!
その上の赤いのも、味はフルーツなんだけど実は人参。すごいびっくり。
いかにもつけたしっぽく写ってしまったが、左上のゴボウご飯が大変美味しかった。
一口食べて「旨!」。ほんのり甘くてぱくぱく食べた。
とても気に入ったので、帰国後、再現してみた。
ゴボウをささがきにして、醤油と砂糖とお酒、薄味の甘辛で煮て、茶葉も合わせて
中国茶で炊いたおこわと炒める。
味が足りなかったら煮汁か醤油を少し加えてもいいと思うけど、いわゆるチャーハンほど
味がしっかりついている必要はない気がする。わたしはその時一緒に、紅茶豚も作ったので、
その煮汁をゴボウの煮汁に転用した。のでさらに美味しさが増したのだと思う。
おこわが若干柔らかくなりすぎたという点以外は、珍しくよく出来た。再現度80%。
一度しか作ってないが。
その後、「これもサービス」といって、牛肉のスープが出てくる。え?また?
中には牛肉と冬瓜と茶葉。肉は骨まで食べられる柔らかさ。
二品もサービスの品がつくというのはギモンだったのだが、そもそもこの店に行くきっかけになった
サイトを後で確認したところ、そのサイトのメニューには、サービスと言って出して来た二品も
含まれてました。(メニュー自体は若干違ったけど、品数としては同じ。)
んー、サービスと言わずに、最初からメニューに載せていた方が若干好印象かもしれないなあ。
今は全世界的にクチコミが発達しているんだから。
二品増えたので、すごくオナカいっぱい。小食の人なら入らないと思う。ので、
やはりサービス二品は微妙。
宮廷菓子とお茶。
見た目よりお菓子はすごく小さい。でもオナカいっぱいで入らなかったからこの大きさで良かった。
そして!このお茶が美味しかった!
さすが本店が茶館だけある。香りが良くてねー。トリップしていた。
お湯はお代わり自由なので何杯も飲んだ。蓋碗で飲んで3杯は余裕。
聞いてみると金萱茶だというので、そこで売っていたものを帰りに買ってきてみた。
30gだか50gで350元なので、実は日本並み。物価の安い台湾では割高な感じ。
まあその値段であのお茶ならば、特に高いことはないのだが、お店で出しているものと
茶葉として売っているものが同じものかどうかははっきりしないんですよ。
順番が来なくてまだ飲んでない。多分飲むまであと数ヶ月はかかると思う。
お茶も生鮮食品なので、さっさと飲んだ方がいいんですけどねえ。
◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
満腹でホテルまで帰る。
何度かお世話になった、ホテル最寄地下鉄駅激近のスーパーマーケット。ここは便利だったなあ。
小さ目なので、そこまで色々揃うわけではないが、やはりすぐそばにスーパーマーケットがあるのは
何かとアリガタイ。ちなみにコンビニは、今回の旅行でそれほど入らなかった気はするが、
やはり近くにあります。