バスが弘前城公園に着いたのは13:00近くでした。最初は公園の脇の道路を通って、ねぷた村の駐車場へバスを置くらしい。バスもすごくたくさん集まってたねー。これでも多い方ではなかったようなんだが。もちろん比較すれば大曲の花火とかほどの混み具合ではありません。敷地も狭いしね。
バスに乗って目線の高いところから見下ろす街路の桜は、それだけできれい。光に透けた薄桃色の花びらが輝く。花に集まる善男善女がわたしたちより先に公園につくのがなんだか悔しくて、早く行きたい欲が高まる。……でも弘前城公園の入口までは添乗員さんについていかないといけない気配。
弘前城公園の地図は事前にいただいていました。屋台の場所を確認する。お腹空いたしね。
添乗員さんからも言われて、前に調べた時にも気になった「イガメンチ」を食べたい気がする。そしてアップルパイも。
元々は自由行動時間を、弘前公園じゃなくて弘前観光に当てようかと思っていたんですよね。自由時間をいつの間にか180分だと勘違いしていた。180分だったら街なかの洋風建築はけっこう回れそうじゃない?そして喫茶店でアップルパイと。
でも120分だし、桜がど真ん中に咲いてるし。多分一年で一番いい時期のうちの1日でしょう。桜が目当てじゃないといいながら、ここまでお膳立てをしてくれたなら、桜を心ゆくまで楽しむ方が後悔しないに違いない。
桜日和です――。
何しろ最高の日だから人出も多く、人間が入らない写真はなかなか撮れません。
地元の桜の名所は、うーん、桜の時期にはもう数十年行ってないかもしれない。なので、屋台がたくさん並んだこんなところは超ひさしぶり。屋台もバリエーションが多くてわくわくする。……わくわくするわりにそんなに買ってないわけだが。
屋台を物色しながら、とりあえず本丸を目指します。
現在の弘前城は改修のため、少し離れた場所に引かれていっており――建築技術としてほんとにひっぱって移動する方法がある――「岩木山とお城が同一画面に収められるのは今しかないですよ!」(添乗員さん談)だそうだが、まあ当然のことながらそういう映えスポットは長蛇の列。
わたしは映えには興味がないので割愛。天守に登るかどうかは決めてなかったが、少々並んでいたのでこれも割愛。それよりは歩き回って桜を堪能した方がいいだろう。
お城抜きの、岩木山と桜。
岩木山抜きのお城と桜。
きれい。
観光客はほんとに多くて、海外客も多数。遠くから来てこんな満開の日に当たるなんてラッキーだね。ぬいぐるみとかアクリルスタンドとともに旅をしている人も多く、話にはきいていたけど実際に見たのはほぼ初めてかも。「ハイキュー!!」のぬいを持っている人がいないかと思ったけど見なかった。
二の丸の南内門を通って出店の並ぶエリアに出る。
桜に赤い橋が映える。
本来「花筏」で有名な場所だけれど、まだ花びらは散ってはおらず。
この辺で多分、アップルパイを屋台で買って食べましたー。アップルパイはいくつもの屋台があって、どこで買っていいか迷った。それぞれ由緒ありげなお店っぽくて。1個480円。堀のそばに座ってばくばく食べました。ヘタしたらこれが本日の昼食。ほんとは食べ比べがしたかったけど2個買って1000円かあ……と思うとヘタった。屋台だし。
その後「イガメンチ」の屋台を見つけて。これが1カップ500円。多分イカを細かく切って、ネギ?と合わせてみっちりしたタイプのかき揚げにした、という説明で当たらずと言えども遠からずだと思います。屋台の人に「何か調味料かけるんですか?」と訊いたら、「味はついてますけど、もし足りなかったら」……ここで醤油か何かがあったと思うんだけど。「味がついてる」って言われた時点で、基本薄味のわたしは調味料を足す可能性をカットアウトしたので、覚えていない。
うん。わりとしっかりしたしょうゆ味。これ多分酒のつまみにいいんだろうなー。目指してきた地元B級グルメにたどりついて満足。
それから目についたのが「りんごアイス」。ただずまいはババヘラアイスでした。あちこちで売ってて、ババよりおにーちゃんやおねーさんが売っていることが多かったけど。物としてはりんごのシャーベットにコーン。値段が200円だから昨今激安。その分コーンは安っぽいけど。
りんごアイスとイガメンチはけっこうあとに、四の丸の屋台で食べました。演芸場の舞台で民謡の出し物をやっていて、それを聴きながら。民謡というと、宮崎の高千穂で聴いた「刈干切唄」が思い出されるなあ。
桜のトンネル。
少し時間が戻って、アップルパイを食べ終わった後、西の郭に行ってみることにしました。ここは桜のトンネルなんだって。池と濠に挟まれた細長い道?堤防?の両側に桜が。
来てみるとボートも出ていました。
気持ちよさそうねえ。まさに行楽という感じ。
土日は人がぎっしりでしょうね、ここは。はみ出して堀に落ちたりしないかしら。
堪能しました。
集合時間は15:00頃だったと思います。夕暮れになってきて、桜が少し灰色がかってきました。写真を撮ると如実。集合はバスの駐車場であるねぷた村なので、そこまで歩いて帰ります。
ああ。ほんとに良かったよ。この季節に来て。
先に「桜に思い入れがない」――といいましたが、それは大嘘でした!桜もいい。梅も藤もいい。全てのお花はすばらしい。カーネーションと菊はあまり好きじゃないけれども。といって、見れば見たで多分素晴らしいと言い出すと思うが。
人生に一度の桜具合でしたねえ。夢見心地で歩いた。もう多分二度と、こんな桜の弘前城公園を訪れることはないと思う。なんて幸せなことでしたでしょう。ありがたいありがたい。
バスに戻ると車内の雰囲気も若干高揚気味。花の華やかさに当てられてみんなテンションがあがっている。それもまた微笑ましい。
バスは鶴の舞橋に向けて出発します。