もし佐渡に旅行できるとしたら、という観点からルート検討会を開催しています。前回はどの観光地をめぐるかをさらっと。
今回はグルメと宿泊地の検討を行ないましょう。
佐渡のグルメとは。
えーとね。地元の方がもしお読みになっていたらいいにくいんですけどね。
佐渡のグルメは地味だと思います。「あ、これちょっと気になる」という情報が、通常これだけネットの海を漂っていたら一つや二つ、ひっかかるものなのですが、……ないです。あんまり。唯一ひっかかったのはブリカツ丼。
ブリカツ丼
かつならばやはり、魚より肉だ!と思う肉派なわたしですが、せっかくだから食べてみようかと思います。でも……言っていい?ちょっと地味じゃない?丼とはいえ、ご飯+ぶりかつ5枚だけ、というのは見た目的にあまりアピールしないように思う。せめて色どりに水菜とか糸三つ葉が欲しいところですね。
実はブリカツ丼は細かく規定が決まっているようです。
・正式名称は『佐渡天然ブリカツ丼』とする。
・佐渡産の天然ブリを使用する。
・天然ブリのカツは、5切れ(1切れ約20グラム)とする。
・タレは協議会指定レシピの「特製あごだし醤油ダレ」を使用する。
・佐渡市認証米「朱鷺と暮らす郷」(コシヒカリ)の米粉を衣に使う。
・ごはんに使用するお米は佐渡市認証米「朱鷺と暮らす郷」(コシヒカリ)とする。
・副菜として季節の地場産食材をつける。
・地場産の食材にこだわった汁ものをつける。
・『佐渡天然ブリカツ丼』の認証ともなる大漁旗をつける。
・価格は1,320円(税込)とする。ハーフサイズもあります。1,078円(税込)
こういう細かい規定は本来観光客に向けてのものではないだろうから、まあいいといえばいいんですが、ここまで細かく決めてしまうとあまりにも限定されすぎるように思う。
特に値段ですね。せっかく生み出した地域グルメですから、むしろ多様性を認める方向で展開した方がいいんじゃないでしょうか。お店によって価格帯のバランスもあるでしょうし、他のメニューとの兼ね合いで値段を決めたいところだと思う。
正直1320円は高く感じる。副菜も汁物もいらないから900円くらいで丼だけ出してくれた方が食指が動く感じがする。それも人それぞれで選べる方が、観光客には親切なんじゃないかなー。
それから「大漁旗」。キャッチィでいいと考えたのでしょうが、わたしが見る所あまりプラスにはなってない気がする。実物を目にしたらどうかわかりませんが、ネット上で写真を見る限り、旗の方ばかりに目がいってブリカツの「おいしそう」感が伝わらない。メニューとしてお子様ランチ的になるので、要らない部分な気がする。人が求める「映え」とは似て非なる方向ではないでしょうか。
観光客にアピールするのは、
天然ブリ
あごだし醤油使用
米粉を使った衣
「朱鷺と暮らす郷」(コシヒカリ)使用
くらいでいいかもしれません。特に米粉を使った衣というのは興味を惹くポイントでした。他では見たことがない。ここをもっと推してもいいのに。佐渡市認証米という部分は字面が固くなるので、おいしそう感を損なうから特に推す必要はなし。
お寿司
そりゃ周り全部海なので、最大の狙いどころは海鮮ですよ。一番手軽に味わえるのはきっとお寿司。
お寿司で有名なお店は、
長三郎鮨
弁慶
すしやまるいし
この3軒のようです。長三郎鮨は回らないお寿司、他の二軒は回るお寿司です。
でも海鮮はなー。いうたら仙台もそこそこお魚どころですし、日本国中、どこでも美味しいといえば美味しい。感動するほど美味しいお魚にはなかなか巡りあいません。まー、わたしはそんなに高いお店に入れないということもあるし、お酒が飲めないというのも原因の一つですかね。やっぱり酒の肴としての魚が一番海鮮の美味しさを出しているように思う。
地元では100円(がメインの)回るお寿司が主流ですが、こちらの回るお寿司はもう少し高めの価格帯です。回るとはいえ予算2000円くらい。
ソフトクリーム
実はわたしは変わり種ソフトクリームにヨワくて……ヨワいわりに何を食べたかあんまり覚えていないのですが、変わった味を見ると食べてみたくなる。数年前は阿蘇で「火山灰ソフト」を食べました。これは本当に火山灰が入っているわけではなくて、多分胡麻味。
あとはかなり昔、秋田のどこかの道の駅で「きりたんぽソフト」を食べた気がする。それから数年前に和歌山でみかんソフトを食べた。どこかでササニシキソフトも食べたなー。日本酒ソフトも食べた。
変わり種ソフトが豊富なのは、トキの森公園の軽食店「トキのむらフード」。うーん、これは食べに行かなきゃいけないかもしれませんねえ……。枝豆ソフト、いちごソフト、レモンソフト、ネクタリンソフトなど、気になるもの多数。季節には柿アイスなんてものもあるそうです。柿アイス気になるー。
その他飲食店。
パン屋さん「クレアーレ」の「トキたん」というパンが気になりますねえ。純粋にビジュアルが。三角形のパンで、まさにトキを模したデザイン。トキの真っ赤な顔がだいぶマンガ的で可愛らしい。
小木にある「日和山」という雑貨屋兼本屋兼カフェも行ってみたい。古民家レトロカフェ。どこにでもありそうなもんだが、こういうところで本を売るという心が気になる。
食べものに関してはこんなところでしょうか。おそばも佐渡の売りらしいんですが、わたしは蕎麦にはあまり興味がないので割愛。
スケジュールと宿の場所、だいたい決まってまいりました。
観光予定地が決まるとともに、必要時間数もおおよそ読めて来ました。
両津:半日。
国中:半日。
相川:一日。
小木:一日。
となると、佐渡観光実質3日、前後に移動日をつけて4泊5日で予想通り納まるわけですが、これはけっこうガチガチです。あまり自由度がない――入れ替えたりできない。
両津は旅の発着地点ですから、最初か最後に持ってくるしかない。そして国中地区は佐渡博物館があるわけですから、ここは旅の初期に持ってくるべき。概観をとらえるために。
そうすると、
1日目:移動日。
2日目:両津・国中地区。
3日目:相川地区。
4日目:小木地区。
5日目:移動日。
これで決定です。相川と小木を入れ替えるという考えもあるけど、小木で泊まりたい気分になってきたから、そうすると4泊目が小木。もし相川地区で泊まりたい宿を見つけた時には相川地区と小木地区が逆になります。
これで安心。……と思ったのですが、両津・国中地区を細かく考えると悩み始めてしまった。
バスかレンタサイクルか、悩む……
両津地区の観光は本間家能舞台・牛尾神社・トキの森公園をピックアップしていて、両津からレンタサイクルでこれらを廻るイメージでいました。片道9キロ。午前中で20キロを走る。ちょっと不安だが。
が、その後、両津から本間家能舞台とトキの森公園を通るバス、南線の存在を知ってしまった。これ、使えるんじゃない?ちょうどわたしの行きたいところを通ってくれる。これだ!
でも運行本数がそんなにないんですよねー。これがだいたい1時間に1本。時間が偏っているので、実際は1時間半に1本くらいの感じ。ちょっと使いにくいですねー。まあちゃんと計算して乗ればギリギリ何とか行けないことはない時刻表でしたが、1本外すと途端に予定が崩壊しそうなガチガチ具合。好きじゃないなー、この余裕のなさは。
本間家能舞台だけを見る?あるいはトキの森公園だけを?
問題はバスの運行本数以外にもあって、両津からバスに乗るとなると荷物を持っての移動になるわけですよ。2ヶ所も3ヶ所も、荷物を持って観光するのはちょっと気が重い。さすがに4泊5日ならスーツケースじゃなくてガラガラ(←キャリーケースといいたい)でいいだろうけど、ガラガラも面倒だよねー。
国中地区の観光はレンタサイクルになりそうです。ピックアップした施設は佐渡博物館と佐渡歴史伝説館ですが、その他に五重塔のある妙宣寺、佐渡国分寺跡にも行きたいんですよ。そうするとけっこうたっぷりサイクリング。若干高低差もありそうな気がもするし、午前中も午後もたっぷりレンタサイクルというのは重い。
うーん。……バスで行ってトキの森公園だけ見ますか。ソフトクリーム込みで。ガラガラ持って。
そしてトキの森公園の後は佐和田バスセンターまで行き、レンタサイクルを借りて国中地区観光。
しかし荷物の問題が立ちはだかります。バスセンターの周辺に宿またはコインロッカーがあれば解決なのですが、けっこうこういう場所にコインロッカーがない場合がある。周辺にあればコインロッカー、なければ宿をこの辺に。
しかしこの辺の宿はみんな旅館か、バストイレ共同のホステル・民宿。わたしの求めるビジネスホテルがないようなんですよ。前日に温泉旅館に泊まる(だろう)ので、2泊目3泊目は気軽な宿にしたいんだけどなー。狙っているのはおそらく佐渡唯一のビジネスホテル「たびのホテル」だったのですが、わたしのルートでは立地が絶妙に不便。
「たびのホテル」は東の両津から5、6キロ。西の佐和田バスステーションから4キロ。そして佐渡の多分唯一の公共交通機関であるバスはけっこう本数が少ない。路線が多く、中心部なのでイメージでは1時間に3本くらいバスが通りそうなイメージですが、本線でも朝晩が2本、昼間は1時間に1本。他の路線もあるにはあるけど、あてにするほどはない。1日2本くらい。
うーん。これは悩みどころですねえ。
両津泊まりをあきらめるか。
トキの森公園をあきらめるか。
宿を佐和田地区にするか。
タクシー使用を視野にいれるか。
小木泊まりをあきらめるか。などなどなど。
こういう組合せをパズルのように考えるのが旅の楽しみです。苦しいけど。
宿の場所は。
上記の大きな悩みどころはありますが、宿の場所は一応こういきたい。
1泊目:両津地区。(想定・湖畔の宿 吉田家)
2泊目と3泊目:たびのホテル。(または佐和田地区の旅館またはホテル)
4泊目:小木地区。実は「御宿 花の木」という旅館がとても気になって。ここに泊まるためには小木からの移動をどうするかとか、またいろいろ考えなければならないんですけどね。
>そしていろいろ考えた結果。
これを避けるために最初からいろいろいろいろ考えて来たはずなのに、結局のところ――レンタカーが一番いいんだろうなーという結論です。
わたしは出来るだけ公共交通機関で旅をしたい。レンタカーが邪道――だとはいいませんが、旅を自分の内部で完結させてしまう。公共交通機関を使えばこそ、土地の人の言葉も耳に入るし、バスやバス停のデザインの違いも目に入るし、風景もゆっくり見られる。でもレンタカーだと、基本自分は運転しているわけですから、そんなに細かいところまで目に入らないし、人や土地とのふれあいも減るんですよね。
だがやはり佐渡で自分の行きたいところを考えると、そして荷物と動線、バスの本数を考えると、――レンタカーですね、これは。バスで回ると常に次のバスの時刻を気にしてなきゃいけない気がする。それでは旅を味わえない。そこを考えるとレンタカーですね。無理せず。
レンタカーはねー。佐渡の夏季料金というのもあるらしいし、楽天トラベルで探すと1日15000円のものしか出て来なかったりしてびびりますが、佐渡にも格安のニコニコレンタカーの店があります。1度借りたことがあったのに忘れてしまったのですが、たしか希望者は保険料が2000円くらい?別途かかった気がする。それも合わせると24時間6、7000円。24時間×3で大雑把に20000円。まあこれにガソリン代が多少。
レンタサイクル24時間2000円×3日、バス3日券3500円。約1万円。差額10000円強円でバスの時刻・遅延の心配から解放されると思えば。佐渡はバスの運賃が高いので、一往復以外なら、1日券なり2日券なり3日券を買った方がいい気がする。
往生際悪く2日間レンタカーで1日をレンタサイクルでは、とかも考えたりしましたが、結局雨が降るとお手上げなレンタサイクルは、日程の入れ替えがきかない今回の日程ではかなり危険。やっぱりレンタカーだな、これは。
市内に何軒かレンタカー屋さんがあるとはいえ、島内の台数にも限りがあることでしょうし、佐渡観光の際にもしレンタカーを使う予定なら、確実に借りられる早めの予約が必須でしょうね。
レンタカーにすると決心してしまえばあとはどう回ろうと自由。かなり自由度が高くなる。どこへでも行けます。天気で前後を入れ替えることも可能。千枚田、棚田の風景なんかも行きたいな。
現時点のスケジューリングは、こうなりました。
1日目。
仙台7:30発 新潟万代バスセンター11:48着。
新潟港16:00発、両津港18:30着。
両津地区・加茂湖沿岸で泊まり。
2日目。
両津でレンタカーを借りる。
ざっくりだが、当初の予定通り本間家能舞台・牛尾神社・トキの森公園→佐渡博物館→佐渡国分寺跡・妙宣寺→佐渡歴史伝説館→(棚田地区)→小木地区の宿。
3日目。
小木港・矢島→宿根木→たたこう館→万畳敷→(棚田地区)→たびのホテル。時間によっては夜ごはんを佐和田地区でうろうろ。
4日目。
相川地区の佐渡金山・北沢浮遊選鉱場・佐渡奉行所→尖閣湾揚島遊園→たびのホテル。時間によっては夜ご飯を佐和田地区でうろうろ。
5日目。
朝レンタカーを返し、9:15佐渡発のフェリーに乗る。11:45新潟港着。高速バスで14:30新潟発。仙台18:50着。
これでどうでしょう!
レンタカーだと天気によって若干の入れ替えはききます。ほんとに若干ですけど。小木でたらい船に乗る、宿根木を散策する、という部分は雨だとツライので、もし3日目が雨予報だった場合には2日目に小木観光にします。出来れば晴れたキラキラした海が見たいものだが。
……が、ずっと車に乗りっぱなしというのは実はそんなに良くはない。一つの施設に車を停めたら、その近場は徒歩で回るとか、工夫が必要なようです。
佐渡の観光は。
佐渡の観光は意外に苦労する、というのが今回ルートを検討しての結論です。サイズ感が、暮らすには大きすぎず小さすぎずという点が観光には若干マイナスに働いて、移動に苦労する感じ。ある程度人口もいて、面積もあって、産業がそれなりにあるから、観光に全振りということにはならず情報も若干少なめ。
食についての情報はもうちょっとあってもいいかなと思いました。個人発信の情報が少なめ。もっとはっきりいえば旅した人の情報が少なめ。人は情報を拡散したい生き物なので(個人差はあるにしても)、観光した人の絶対数が少ないのかなあ。
今回わたしが作ったルートは、まだ検討の余地がある気がします。まあレンタカー使えば何でもありになっちゃうしね。……というとレンタカーを目の敵にしているようですが、わたしは運転が苦手なので、車付きとなると不安があってあまりくつろげないのです。気になって観光にも(程度はあれども)身が入らない。
といって、佐渡のバス事情だとレンタカーじゃないとかなり不自由になりそうだし、レンタサイクルで縦横無尽に走るには絶対的に体力が足りない。やっぱりレンタカーです。
いつか、佐渡へ。
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