仙台に住んでいる人なら秋保大滝には1回や2回や3回や4回行ったことがあると思います。何しろ日本三名瀑の一つ※ですからね!新緑に、紅葉に、ちょっと遠出をしたい時にぴったりのお出かけ場所。(※日本三名爆には諸説あります。袋田の滝の方がメジャーかも……)
そして秋保大滝のそばに植物園があるのはご存知でしたか?これが意外に気づかれない。大滝の広い駐車場の、大滝とは反対側の端っこにあるせいかもしれません。入口も地味なのでちっちゃく見える。かくいうわたしもずーっと前に一度入っただけで、あまり強い印象はありませんでした。
しかし入ってちゃんと歩くと、なかなか素敵なところ。
秋保大滝のすぐそば。
駐車場から大滝不動尊とは逆側に歩けば見つかります。間違えようはありません。
大雑把に言って、秋保大滝植物園のピンが立っているところが入場口で、西側に行って川とぶつかるすだれ滝の間が植物園の範囲。いや、入口から東側にも少し敷地があるからもう少し広いですか。広さが4ヘクタールというから、大年寺山の仙台市野草園の半分弱といったところのようです。
野草園は一度で全部回ろうとはしない程度に広いけれども、秋保大滝植物園の方は一度でだいたい全部回ってちょうどくらいかもしれません。ゆっくり歩いても2時間くらい。
ただし端っこの方は渓流に向かう崖(人間が歩くところは柵があって危険がないところです)だったりするので、意外にアップダウンがあったりしました。単に平地ではありません。それでもこのアップダウンも野草園と比べたら楽な方でしょう。そのおかげで景観に変化がついて歩いて楽しい道になっています。
4月半ばの秋保大滝植物園は。
まだ植物は起きてない状態でした。ぱっと見は冬のままで、少し淋しい。
しかしツツジは芽を出していて、赤ちゃんの手がぎゅっと握ってあるようで可愛いし、他の木の芽も若々しい緑を少し覗かせていて可愛い。早い春の醍醐味です。咲いていたのはムラサキツツジ、オオカメノキ、アセビ、ミズバショウ。桜は何本かありましたが、あまり花付の良いものはないかも。フキノトウはもう過ぎ加減でした。
この季節の利点としては、滝が良く見えるところですね。位置的に園内からしか見えない「みぞれ滝」「すだれ滝」という2つの滝があります。
みぞれ滝がこちら。
すだれ滝がこちら。
すだれ滝はもう少し季節が進んだ方が緑の木々に囲まれてきれいかな。今はちょっと淋しいですね。みぞれ滝は木の向こうにあるので、葉が出たら見えなくなっちゃうかもしれないなあ。2つとも滝というには少し傾斜が緩い。
他の見どころとしては、藤棚があったり池があったり。あ、シャクナゲ園があるので季節はきれいでしょうね。山野草コーナー、常緑樹コーナー。林の中の遊歩道も素敵です。こういう林の中の道は、赤毛のアンの「恋人の小道」を思い出すんだよなー。カナダと日本では植生まったく違うけど。あ、行ったことはありません。
休憩所「みぞれ庵」。和風建築でけっこう凝っている。
中に囲炉裏まである休憩所はなかなか珍しいのではなかろうか。多分ほんものの囲炉裏。これ、焚くことがあるのでしょうか。二十人くらいは入れそうです。ほうじ茶を飲みながら岩魚の塩焼きなんかをいただきたい。無理でしょうが。
それとは別にあずまやもあり、そこも意外に凝っています。
。
斜めに切られた腰掛けがけっこういい効果を出しています。丁寧に設計された感じがする。屋根が苔だらけなのもシブイ。
ちょうどいいサイズの植物園。
残念ながらパンフレットとHPがあまり詳しくないので、それぞれの花の時期は書いてないんですよね。秋保大滝辺りはだいぶ標高が高いので、花が咲くのも遅いのではないかと思います。平野部で満開になった後くらいの時期でしょうか。藤棚は白藤らしい。大滝の側にも藤棚がありますし、藤の季節にはまた行ってみようかなあ。5月中旬くらいでしょうか。
なお5月下旬ころからギンリョウソウが咲くそうです。漢字で書くと銀竜草。草と書いてますが花から葉から真っ白で、変わったキノコのような外見なんです。ギンリョウソウが印象的に使われていた、こんな小説がございます。
西の魔女が死んだ (新潮文庫 新潮文庫) [ 梨木 香歩 ]
これは心に残る小説です。特におばあちゃん子にはたまらないものがあるのではないか。
ちなみに映画化もされています。絵の旨味はあるけれども、この原作の映画化としてはわたしはちょっと不満でしたが……。
西の魔女が死んだ スペシャル・エディション【Blu-ray】 [ サチ・パーカー ]
行ってから知ったんですけど、最寄の飲食店「大滝れすとはうす」のソフトクリームが評判がいいそうですね!400円でちょっと高いけど!今度行くことがあったら是非食べたい。わたしが好きなのは変わりソフトですが、そこまでお店が推すのなら食べたくなってくるではないですか。
藤、あるいはギンリョウソウとソフトクリームを目当てに再び秋保へ行きます。
出来れば秋保大滝植物園には独立したHPを作成してもらって、開花している花々をこまめに告知していただければ嬉しいなと思います。
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