37.北九州&山口は。

北九州・山口/2025

今回の旅行を振り返ります。

山口はとてもCLEANなところでした!

実は今回の旅行で一番インパクトが強かったのがこの点です。英訳をAIに訊いたら、もしかしてIMMACULATEという単語の方が相応しいのかもしれん。汚れ一つない、手入れの行き届いた完璧な、という意味。

まあほんとーにゴミが落ちてない!

どのタイミングで気づいたのかさだかではないのですが、気づいたあとは鵜の目鷹の目でゴミが落ちてないか探して……まあこう書くとトテモ性格が悪いけれども、そこまでゴミが落ちてないわけない!と思ったのよ。絶対に一つは落ちているだろうと。

でもゴミが落ちてるのを見たのはたった2回だけでした。1ヶ所は下関の飲み屋街。ここはまあ場所柄仕方ない。もう1ヶ所は下関の高杉晋作終焉の地からちょっと離れたところ。ここは正直なんでこんなにタバコの吸い殻が落ちているのか謎だったけど、いくら山口とはいえ、マナーの悪い人は一人くらいはいるでしょう。観光客かもしれないし。このタバコを捨てた人に大いなる不幸が降りかからんことを。

その他は本当にゴミがなくて感服した。ずーっと感服し続けていた。……だがおばあさん、朝早くお家の前のお掃除をするのはいいけど、けっこう交通量が多い縁石の車道側を無造作に掃くのは止めて……。見ててコワかったよ。

 

12泊13日は長かったかもしれない……。

もともと10泊11日の予定だったものを、飛行機代の安さにつられて2泊増やしたんだから、ひとえに自分の貧乏性を責めるべきですが、まあ少し長かったかもね。とはいっても5、6年前には16日間の旅行をしたし、若い頃には1カ月旅行をしたし、旅行自体が13日で嫌になったというわけではないんですよ。

でも今回は神社・仏閣・城跡・城下町……が並びすぎた。いくらわたしがそこらへん好きでも、13日でのべ――神社なんか20ヶ所ではきかないんじゃないですか。寺も入れたら30ヶ所は超すね。城下町は、小倉・山口・防府・津和野・萩。13日でこれだと、さすがに飽きておかしくないですわね。

もう少しバラエティに富んだ行先を。今後は全体のバランスももう少し見極めてルートを考えることにします。……でも行きたいところは行きたいしね?どうするのがいいんだろうね。

かなり船に乗った!

日常生活では船に乗ることなどほとんどないので、今回の船の回数は人生一の密度でした。13日間で、片道を基本に考えると――9回ですか。そのうち3回は観光船。島にも2回渡ったし、しかも2日連続だったりして、ほんとーにかなり船に乗ったと感じる。

胸に手を当ててよーく考えてみると、船がすごく好きかというとそこまでではない。だが「海を渡る」ことにロマンを感じるんですよね。なので、根本的には観光船よりは航路として乗る方が、よりロマン。片道だったらさらにロマン。

島へ渡る時には、この海が荒れた時のことを想像しました。相島も宗像大島も、本土から決して離れた島ではないけれども、でも島。陸を起点に考えれば隔絶を感じることもあると思う。でも海辺の人には、海は隔てるものではなくて繋ぐものなんでしょうね。下関と門司港を2往復してそう思う。(そのうち1往復は陸路。……あれ?海の中のトンネルって陸?海?)

 

町は。

以下、順不同でもの尽くし。

唐戸
仙崎
門司港

唐戸の町歩きは楽しかったですねえ。洋館を探しながら、みすゞの詩碑を辿りながら、ゆっくり歩くのに実にちょうどいいサイズの町だった。海の町であり、当時最先端の町であり、積み重なった重層的な姿がある。旧山口銀行本館と秋田商会の資料館も良かった。あとは最後に食べた旧英国領事館のアフタヌーンティがお値打ち。もちろん唐戸市場と海響館も。

仙崎も町歩きが心から愉しかった。事前に金子みすゞの本を読んで来て良かったなあ。こじんまりとまとまった海辺の町。魚の町。ぽかりとした昼下がりの静けさが、100年前もこうだったんだろうと思わせる。金子文英堂の復元はなかなか良かった。町の人々がみすゞを大事にしている――と感じさせてくれた。

門司港は絢爛たる洋館群。これを復元したのはある意味で見識だったと思う。多少のテーマパーク感は漂うけど、それは倉敷や馬籠あたりでも同じだしね。何もなかったところにそれっぽい建物を建てたわけじゃなく、港町として繁栄した歴史の上に建っているわけだから。美しい西洋建築群でした。三宜楼も良かった。

萩は日本一の城下町ではないだろうか。まあわたしが行っていない城下町もそれなりにあるけれども。何しろ城下町としての純度がすごい。消失点のある白壁の長さは一見の価値があり。これは他ではなかなか見られない。指月城も良い。

 

観光ポイントは。

津和野城
沖津宮遥拝所
瑠璃光寺五重塔

津和野城の石垣は、お城にそんなに詳しくないわたしでも面白かったですねえ。石垣の重層的な構造を、普通に歩いているだけで楽しめます。ただそこまで行くのはけっこう大変。リフトがあるから余裕~~~~……というわけではない。車椅子では無理なところです。杖も、ちときつい。そこそこ距離がある上に、怒涛のアップダウンです。ただ、眺めという意味ではリフトを降りてからすぐの出丸(登る高さはある)でも楽しめるので、足に自信がない人も出丸まででも行く価値があり。

沖津宮遥拝所は、宗像大島で一番印象的だった場所。ここに行ってなかった選択もあり得たんだからアブナかった。海際の高台。誰もいなくて風だけが吹く。波が打ち寄せる。

数十年越しの瑠璃光寺五重塔。わたしが行く直前に改修を終わってくれてありがとう。美しい姿を見せてくれてありがとう。わたしは塔が好きでいろいろ心に塔はあるけど、とりわけ印象に残る塔の一つになりそうです。

 

ミュージアムは。

山口県立美術館の「国芳展」
出光美術館門司の「琳派」
次点で福岡市立美術館の仏像。

今回は「国芳展」「琳派」を見られて良かった。どちらも良かった。

「国芳展」はかなりいいものを揃えてくれたと思うし、ボリュームもかなりあったしね。国芳をたっぷり見た!と思えた。かなりの凝り性。ユーモア精神もたっぷり。細部まで手を抜かない仕事ぶり。日本のマンガの源の一つ、という気がした。

「琳派」はいいものをちょっとだけ。食事というほどがっつりではなく、美味しいお菓子を適度に食べさせてくれた感じ。故郷に美術館を作ったのは出光のいい仕事だったと思います。展示室も品があったしね。

福岡市立美術館の仏像は、常設展としてはなかなかの名品だと思います。常設展で仏像を見せてくれる美術館もそれほどはない気がするので、今回見られてありがたかった。……あ、今さらだが、山口県のいい仏像を調べてから行けば良かったかな。

 

おいしいものは。

湖月堂さんの栗まんじゅう
銘菓舌鼓
次点でひらおさんの天ぷら

これはもう湖月堂さんの栗まんじゅうにとどめをさす。
銘菓舌鼓も美味しかった。でも舌鼓の方は賞味期限がたしか3、4日くらいで短いのよね。

瑠璃光寺前のそば寿司は面白い郷土料理だったが、そばに興味がないわたしはそこまで美味しい!とは感じず。結局旅のスタートの「ひらお」さんの天ぷらが素直に美味しかったかもしれない。まあ相当に並んだけどねー。

かわいいヤツら。

相島の猫たち
洞春寺のタマちゃん
SLやまぐち号

猫島には長年アコガレていました。日本中にいくつもの猫島があるけど、初めて行けたのが地元じゃなくて福岡の相島。猫たちが人に慣れていて、多くの猫を撫でることも出来て、満足なふれあいだった。甘えてくれればもっと嬉しいけど、まあ相手も外猫ですからね。おもちゃを持って行ったらもっと遊んでくれるのかな。凝ったおもちゃよりシンプルな紐とかの方が遊んでくれるとも聞くけど。
また福岡に行った時には再訪したい。

瑠璃光寺の隣にある、そんなには観光客のいない洞春寺。その裏には馬小屋があって、馬(!)とヤギがいました。馬のシャルくんとヤギのタマちゃん。「ちゃん」といいつつ男の子。わたしは2日にわたって(……)行ったんですが、2日目に行った時にはすごく懐いてくれて、ずっとペロペロしていて可愛かった。今でもその姿が時々目に浮かぶ。

そして、可愛いといえばSLやまぐち!こんなに胸を打たれるとは思わなかった。津和野駅に着いて、遠くから汽笛が聞こえて来て、そこにSLの姿を見たとたん――涙が出て来た。自分でも謎の心理状態。関係ないけど「プロジェクト・ヘイル・メアリー」に出てくるロッキーに通じる可愛さでした。いつか別のSLにも乗ってみたい。その時こんなに情動を刺激されるかどうかを。

宿は。

これは湯田温泉のホテル喜良久にとどめをさす。まあビジネスホテルとしてだけね。そしてたまたまダブルの部屋に当たったってだけね。ダブルの部屋が思いの他広くて、椅子がたくさんあって、机が果てしなく広かった、というだけのことです。朝食も高かったから食べなかったしね。でももし界隈にまた泊まる機会があったらファーストオプションかもしれない。

反省の弁。

13日間。……今となっては半年近く前ですが、楽しい旅行でした。
反省としてはやはり城下町を詰め込みすぎたことと、1回2回、ちょっと豪華な食事にしても良かったかなーと思ってます。でも力を入れた食事って疲れている時には面倒なんですよね。

そういう意味でいえば、いつものことだがスケジュールを詰め込みすぎ……。半日ずつ2回くらい、密度の薄い日を設定しても良かったかなーと、……それは毎度思っているのだが、多分今後も出来ません。時間があればあるだけ、行きたいところに行きたいんだもの。

 

でも今回の旅行は本当にスムーズに行った旅でした。いい情報は得られたし、驚きの感動もあったし、――旅はいつも楽しいけれどもこんなに上手くだけいくことは少ない。まあ最後の電車の扉くらいですよ、マズかったのは。いい旅でした。

長い間、おつきあいありがとうございました。
では、次の旅まで。ごきげんよう。

 

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