前編では「必ず行きたい美術館」と「行ったことがあるけど再び行きたい美術館」をピックアップしました。後編は「出来れば行きたい美術館」です。出来ればこのラインまでは行っときたいんですよね。そのまんまだが。
ボリュームとしてはこのグループが一番多いんです。16ヶ所。多いですねー。多すぎるといってもいい。東京はミュージアムの宝庫です。
出来れば行きたいところ。
国立新美術館
ここは大きい特別展をどかんどかんとやっているイメージだけど、自前のコレクションは持たないらしい。そして特別展も若干モダン寄りなので、わたしの好みよりは少し前衛的。
ここの何を見に行くかというと、建築です。黒川紀章設計。……まあ特に黒川紀章の建築が好きなわけでもないし、ガラスと鉄骨の建築は好みからは外れるが、何しろ出来た時に(建築界が)相当盛り上がった記憶があるから一応見ておきたい。その時に面白そうな特別展があったらなお良い。
SOMPO美術館
ゴッホの「ひまわり」で有名。でもここのメインは東郷青児でしょうね。豊富。東郷青児はファンタスティックな可愛らしい絵を描いていたイメージが一般的かもしれないけど、実は画風は変遷したし、可愛らしいというよりミスティックな、少し暗い感じの絵も多いんだよね。少しまとめて見るとこの画家の印象が変わるかもしれない。
すみだ北斎美術館
わたしは北斎よりは広重派ですが、とりあえず北斎の美術館があるのなら見ておきたい。浮世絵は油絵以上に実物、それも状態のいい実物を見ると印象が違う気がする。褪色が激しい浮世絵はかげろうのごとき儚い美術品なんですよ。
東京ステーションギャラリー
ここもコレクションは持ってなさそうですね。特別展も、他と比べてわりと小粒なものが多いかも。でも東京駅は建築的に気になるところだし、駅とは違う用途で使われている内部を見るのも面白そう。
玉堂美術館
川合玉堂。美術館としては小粒なようだが……吉田五十八の建築・庭園を見たい気がする。
小品が多いのかな。家族が建てた美術館のようだし。画家は注文されて描いて売るものだから、家族が持っている作品は小品が多いのよね。大作は注文を受けて描いて注文主が持っていく。
戸栗美術館
陶磁器の美術館ですね。規模は小さめみたい。中国陶器が良さそうですね。窓から眺める庭の風景もおすすめらしい。見るのにそれほど時間はかからないだろうけど、ゆとりをもってラウンジで庭を眺める時間も予定に入れて行くのが良さそう。
横山大観記念館
旧宅を記念館にしたパターン。これもおそらく収蔵品は小品メインだろうが、いい感じの日本家屋のようです。よく作られた家と庭。なんというか、それなりにお金を持っていたであろう人が、これみよがしではなく意を尽くして作った家の心地よさがある。
公式サイトに最初に入った時に邸内のバーチャルツアーがあって、それが面白かった。
下描きと本番を並べてどっちが本番か?という問題があって、5問中3問正解でした。間違った2問のうち1問はけっこう自信あったのになあ。
国立科学博物館
ここは好き嫌いとかではなく、とにかく行っておかないと。という博物館。ここも大きいんでしょう?海外には大きなミュージアムがいろいろあるけど、それと同じくらいの広さじゃないかと思っている。ロンドンの自然史博物館より大きいかも。スミソニアン博物館よりは小さいだろうが。
東京国立近代美術館
近代洋画は実はそれほど好きではないので、名前的にはあまり惹かれないですが、実はここ、日本画も膨大に所蔵しているようなんですよね。ちょこっと西洋絵画も。常設展でどのくらい展示をしているか知らないが。でもなんとなくここは常設展の規模が大きめのような気がする。特別展と比べて、相対的に。
原田直次郎「騎龍観音」、アンリ・ルソー「第22回アンデパンダン展に参加するよう芸術家達を導く自由の女神」、下村観山「木の間の秋」、鏑木清方の三美人を並べて見たいなあ。川端龍子も見たい。東山魁夷の「道」も見たい。
そしてそれらのメジャー作品を見ている間に全然知らなかった画家の作にいい出会いがあればいいと思う。すべては狙った通りにいかないものだもの。「道」を見てピンとこなくてもそれ以上に運命の一枚に出会えたとしたらお得ですから。
大倉集古館
絵巻物などの絵や日本画、漆器、陶器、彫像、日本刀、着物、面など……個人美術館特有の面白そうなコレクションが並んでいる。
ここの建物も特異ですねえ。日本風もちらっと入ってそうな気はしつつ、これは韓国風に見える。韓国に行ったことがないので韓国の建物にはほとんど知識はないが、中国風というより韓国風に見える。
わたしは大倉精神文化研究所も大倉財閥の一族が作ったと思っていたけれど、全然関係ないんですね。初めて知った。あれも建物すごいので一度見てみたいと思う。
泉屋博古館東京
住友一族のコレクションを基にした美術館。HPに載っている代表的な収蔵品は数が少ないが、そのせいか粒揃い感がある。品が良さそう。企画展は少し渋め。木島櫻谷という日本画家は初耳だが、これは見てみたくなる。
永青文庫
肥後細川家のコレクション。熊本のは見たことがあるけど、おそらく主力はこちらの東京の方にあるんじゃないかな。菱田春草の「落葉」「黒き猫」がここにある。
古代オリエント博物館
展示物は小粒のようだ。美術品というよりちゃんとした発掘物。バーチャルツアーの出来がいいので、正直これを見たら気がすむような気がしてしまった。優先順位はちと下がった。
大田区立龍子記念館
区の施設で地味は地味っぽいけど、置いてあるものはけっこう良さそう。川端龍子は「かわばたりゅうし」で男性です、念のため。いい日本画をなかなか購入してくれない宮城県美術館で、わたしが一番好きな日本画が川端龍子の「和暖」。とてもアリガタイので、川端龍子の作品をちとまとめて見てみたい。
五島美術館
ここのコレクションは玄人好みのシブめのものが多いようですが、なんといっても目玉は源氏物語絵巻。あとは茶道具がメインかな。わたしの好みよりはだいぶシブいが。中国陶器にはいいものがありそうですね。
これらの美術館は一度行っておきたいですよねー。気が向いた時に行ける首都圏の人がうらやましいのはこの部分。まあ普段はちょっと人が多すぎて、暮らしていくにはちとツライ気がしますが。
興味を惹かれる美術館。
時間が大変にあったら行ってみてもいいかなと思う美術館を名前だけ。まー、ここまでは手を伸ばせないだろうなー。いや、足を伸ばすというべきか。
東京都美術館
上野の森美術館
太田記念美術館
竹久夢二美術館
上野の森美術館
朝倉彫塑館
文京区立森鴎外記念館
野球殿堂博物館
新宿区立漱石山房記念館
東洋文庫ミュージアム
郷さくら美術館
しかしこんな風に並べてみると、漱石山房記念館とか野球殿堂博物館とかもちょっと行ってみたいよねえ。毛色が変わっているだけに。
早く行かなきゃ間に合わない。
24ヶ所。必ず行きたいところと出来れば行きたいところを合計すると。
これはなかなかのボリュームですねえ……。2泊3日で、1日に1ヶ所行くとして8回行かなければなりません。時間的には1日3ヶ所くらい行くのは可能でしょうが、印象がごちゃごちゃになるのが嫌なので、出来れば1ヶ所にとどめておきたい。疲れるだろうし。
でも組み合わせによっては2ヶ所くらいは行けるかな。それこそ野球殿堂博物館と根津美術館という組み合わせならば印象が混乱することはないだろうし、国立科学博物館とSOMPO美術館ならば1日で行ってもかまわないだろう。そうすると5回くらいで回れますか?……回らないと間に合わないかもしれませんね。がんばります。
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