先日、録画したテレビ番組を見ていました。八重山諸島の旅番組。数々映される美しい風景。……であるはずなのですが、絵を描きながらだったので実は画面をあまり見てなかったんですよね。BGMとして流していた感じ。
しかしちらっと目をやった時に一瞬見えた映像がありました。その時は「あ」と思っただけで番組を最後まで流し終わり、録画も消してしまったのですが、なんだか気になって仕方ない。あとを引く。でもその花の名前さえわからないし……どうやって探そう。
でも「水面 花 八重山諸島」で検索すると、あっさり出て来ました。
サガリバナ。
サガリバナという名の花があるそうです。
実に名は体を表した名前……というか、即物的な名前。下がって咲くからサガリバナ。幻想的な美しさを持つ花にはもう少し凝った名前が似合った気がする。それなら別名のサワフジの方が。サワフジは沢藤ですよね?まあどっちもどっちか。
奄美大島以南に自生する常緑高木だそうです。動画をいろいろ探しました。
きれいですねえ。
花単体でもきれいなのですが、わたしがちらっと見た瞬間に映っていたのは、暗い水面の上を儚げに漂う白い花。夜の深い森で咲き、その花が川面に落ちて流される。妖精のような佇まい。
動画を探しましたけれども、どれも川の色が基本的に茶色だったのでそこが若干残念。テレビ番組ではたしか漆黒の水面に浮かぶ淡い紅の花だったと思うんです。本当に幻想的でした。テレビの場合、照明にも撮影にも時間をかけることが出来そうですからね。実際の現場では水は茶色だと思われます。
もし水面を漂うサガリバナを見たいと思ったら……
こちらのサイトが詳しいと思いました。
一夜で散る幻の花「サガリバナ」ってどんな花?開花時期・場所・花言葉
開花時期は6月から9月だそうです。でも最盛期といえるのは6月末から7月頭。……けっこう時期が限定されていますね。暑い時に暑い所へ行く自信がない。
それにこの頃は台風が心配だなあ。いや、でも台風シーズンど真ん中というほどではないのかな。暑さも、かろうじてまだ本格的ではないといえる時期かも……。
花だけを見るなら沖縄本島にもいくつか名所があるそうです。上記のサイトから。
那覇市首里「首里崎山町サガリバナ並木」
西原町字嘉手苅「内間御殿(うちまうどぅん)のサワフジ」
名護市真喜屋「舞香花(もうかばな)」
舞香花とはサガリバナの別名だそうです。おお、そうそう、この花にはこういう美しい名前が似合うと思う!
わたしが見たいのは水面を漂う落花の群れ。そうするとどうも目的地は西表島になるようですね。これは大変にハードルが上がる。仙台から関空へ飛んで、関空から石垣島へ飛んで、石垣島から西表島へフェリーで、が基本ラインですかねえ。
ピーチ航空だとそれぞれの接続が絶望的に悪い。仙台を朝1便で発って関空から石垣島へは14:20発だから空港3時間強の待ち合わせ、2便で発つと微妙に間に合わない。しかも石垣島へ着いても西表島へのフェリーの最終便には間に合わないから翌日到着ですね。
どっちにしても乗り継ぎだし、名古屋・関空・伊丹・福岡・沖縄のいずれか乗り継ぎで行くルートも十分あり得ますが、さくっとスカイスキャナーで出してみたところ、やはりピーチがおよそ4万円目安で最安っぽい。他の航空会社だと5万円代もあるけど7万くらいが標準かも。
今は金額まではしつこく調べないことにするけど、やっぱりピーチですかねー。前は仙台ー沖縄直行便があった気がする。今、シーズン最盛期で復活してないってことは少なくとも来年の夏まで復活はないかな。
まあでも西表島まで行くなら当然石垣島や竹富島へも行きたいし、ダイレクトなアプローチの悪さを嘆く必要はないかも。そう思うようにする。
落花が見たいならカヌーツアー、なのかも。
サガリバナは一夜花だそうです。夜に咲いて明け方散っていく花。なので、満開の花を堪能するためには夜21時以降、そして落花を見るのなら暁にカヌーを漕がなければなりません。多分陸地から川面の落花を見るのは無理だと思う。
カヌーに乗ったことがないので絶対にツアーですよね。そしてものすごく体力に自信がないのだが大丈夫だろうか……。でも「初心者でも大丈夫!」とか、「対象年齢4歳以上」と書いてあるから、何とかなるよね?ものすごく体力に自信がない人をツアーに参加させるのはツアー会社の人も嫌だろうから、内緒にしておこう。
多分夜が明ける前の暗い川で初めてのカヌーに乗るなんて、相当コワイと思う。でもそのコワさを乗り越えなければ落花の風景は見られない。
価格帯は6500円から10000円ちょっとというところですね。
時間は2時間から4時間くらい。
落花じゃなくて盛花の方は陸上で見てもいいと思う。
石垣島で見られるところは、
田福農園
平久保サガリバナ群落
バンナ公園
だそうです。……だが、夜だしなあ。ハブに注意だって。そして虫もコワイ。
ツアーがいいかも……。明け方のツアーと違って、夜の方はツアーの種類がそれほど多くはないみたい。
田福農園さんはご厚意で場所を開放してくれ、ライトアップもしてくれているそうです。市街地からも遠くはないはずなので、タクシーでも行けそうだし、多分オンシーズンには観光客も多いだろうし、それを頼りにすれば行けるだろうか。
時期の短い、サガリバナ。
西表島まで行かなければということも、
カヌーツアーということも、
夜に咲く花ということも、
盛りの時期が短いということも、
全てにわたってハードルが高いのですが、出来れば見に行ってみたいですねえ……。
人生には何度か「あ」があります。一瞬で心惹きこまれる感覚。出来れば「あ」は多い方がいい。その「あ」が行動に結び付けばもっといい。
今まで「あ」が行動に結びついたのは……ぱっと思いつくのはオランダのキンデルダイクへ行ったことと、ロンドンのテートブリテンで「オフィーリア」を見たことでしょうか。やはり「あ」を成就すると通常の行動よりも感慨が深い。達成感。
――とはいえ、サガリバナのハードルが高いことは間違いないところなので、いつか行ける日が来ることを願って、忘れないようにここに残しておきます。
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