昔はそんなに興味がなかったのですが、近年水族館が好きになっています。水族館の一番人気はイルカですよね。でも加茂水族館にはイルカはいません。
しかし心配はいりません。加茂水族館にはイルカ以上の見どころがあるんです!
それは、クラゲ。なんとその飼育種類数世界一。
美しいクラゲたち。
加茂水族館。その売りはクラゲという世界でも珍しい水族館です。(アシカとアザラシと他の魚もいるそうです)美しいクラゲを見るために、年間約55万人が訪れます。
クラゲ~?と最初は思いますが、じっくり見ると形も色もバラエティに富んでいて、きれいですよ。見ごたえがあります。
ディスプレイも美しい。ゆったりと流れに乗っているところもいいですねー。ふわっと癒されます。加茂水族館で見るまでは、クラゲがこんなに魅力的だとは思わなかった。
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加茂水族館の目玉はこの大水槽です。前にテレビでやっていましたが、こんな大きな水槽でクラゲを飼うのは相当難しいことなんだそうですね。
まず水圧が高いのでガラス自体の厚みがすごいとか。正確な数字は忘れましたが、50~60センチくらいだったはずです。また、この中でクラゲを生かすために水流の調節が大事なんだそうですが、この調節は試行錯誤で、最初は本当に大変だったとのこと。
水流の流れには、クラゲが均等に散らばるようにする狙いもあるようです。いくら大水槽を導入しても、クラゲが下の方にごちゃっと固まっていたら映えないですもんね。これも試行錯誤。
職員の方が数々の難問を乗り越えてくれて、今、わたしたちはこんな風に幻想的なシーンが楽しめるのです。
加茂水族館はどこにあるの?
鶴岡市の海岸沿いです。JR鶴岡駅から車で約30分くらいのところ。
バスで行く場合は、
庄内交通路線バス 湯野浜温泉行き(加茂経由)
JR鶴岡駅より約30~35分「加茂水族館」下車すぐ。
バスの本数は2020年2月現在一日8本です。そのうち水族館の営業時間に合うのは4本ほどのようなので、バス利用の際は行きと帰りのバスの時間は確認してから利用した方がいいと思います。
営業時間と入場料は?
通常 9:00~17:00
夏休み 9:00~17:30(7月20日~8月20日)
最終入館 閉館30分前まで。
入場料は大人1000円、小中学生500円とお値打ちに感じます。幼児無料。
年間パスポート2500円というのもお値打ち。近くだったら時々行くのになー。
冬期と夏期で違うプログラムが楽しめます。
多くの水族館では一日のうちに時間を決めて、いろいろなプログラムを行なってますね。加茂水族館でも工夫をこらしています。
冬期(2019年12月1日~2020年3月20日)
クラゲの給餌解説
バックヤードツアー
1日で、この2つを交互に各4回行なっています。
夏季(2020年3月21日~11月30日)
クラゲのおはなし
ひれあしの時間
ウミネコのえさやり
1日で、「クラゲのおはなし」から始まって、ローテーションをしていき、最後「クラゲのおはなし」で終わるようです。
ひれあしの時間ってなにかな?と思うけど、これはアシカ・アザラシショーらしい。
冬期と夏期でまったく違うプログラムになるのは珍しいかもしれませんね。これは冬だと出来ないプログラムがあるからだと推測されます。
バックヤードツアーは冬期しかやってないみたいですが、面白そうだから、夏期もやったらいいのになーと思うけれども。種類を増やすと大変とか、職員さんの負担が大きいのか……
時間が決まっているので、お出かけの際はホームページをご確認下さい。
タイムスケジュールというところです。
お食事も売り。なんとクラゲ料理!
加茂水族館には軽食コーナーとレストランがあるそうです。
軽食コーナー「波の華」
「波の華」のおすすめは
山形名物玉こんにゃく←くらげの形の玉こんにゃくらしい。
クラゲアイス
クラゲソフト
らしいです!変わりソフトクリーム好きのわたしはクラゲソフトに惹かれる……!クラゲはトッピングで、コリコリしているらしいですよ。
魚匠ダイニング「沖海月」(おきくらげではない。おきみづき)
「沖海月」。こちらはけっこう本格的なレストランのようです。
売りは各種海鮮料理とクラゲラーメン。
各種定食は基本的にお刺身のようですね。うまそー。季節にはフグやハモもメニューに出すようです。
気になるのは、やはりクラゲラーメン。麺自体にクラゲを練りこんでおり、かつ、トッピングとして小さいクラゲが形のまま(!)入っているんだとか。写真で見るとたしかに丸い感じで、もちゃもちゃしたカタマリが載っている。
……クラゲを愛でて、しかるのちにクラゲを食べるというのも若干疑問だが、クラゲを丸ごと食べるという経験はここでしか出来ないと思うので、加茂水族館に行ったら、必ずクラゲラーメンは食べてみたいです。
いろいろあった加茂水族館。
加茂水族館はなんと1930年に出来た、とても歴史のある水族館です。もう90年になるんですね!
そもそもは湯の浜温泉の観光客を当て込んだ施設だったらしい。それが一旦水産学校として使われ、その後、1956年に鶴岡市立加茂水族館として再開館したと。
1968年頃には入館者数21万人。しかしその後、委託された民間会社に水族館経営のノウハウがなく、1971年には閉鎖に追い込まれてしまう。スタッフは解雇。
その時、自主的に残ったスタッフが自腹を切りながら(自宅を担保にして借金をしたり、生命保険を解約したりしたらしい……)なんとか魚たちの餌代を捻出する。
市民たちからの寄付も若干集まり、1972年再オープン。が、入館者数は増えず、鳴かず飛ばずの時期が長く続いた。
1993年には起死回生の手段として、当時とても人気があったラッコも導入したが、これは当たらず。経済的負担だけが増える。
1997年には過去最低の入館者数、9万人ちょっとになってしまう。入館者がゼロという日さえあったそうです。これはつらかろう……
ここでクラゲの登場です。
企画展としてサンゴの展示をやったそうです。すると、そのサンゴにくっついていたクラゲの赤ちゃんが水槽を泳ぎ始め、それが思いのほか来館者の話題に上った。「気持ち悪い」などといいながら、みんなクラゲを見ている。
これだ!と思ったスタッフはクラゲで行こうと決める。
ただしそう決めてクラゲの種類を日本一にまで増やしたけれど、すぐ人気が出たわけではなかった。入館者数は横ばい。
そこで、クラゲを食の方向から売り出そうと、クラゲのしゃぶしゃぶ、寿司、ラーメン、アイスなどを始めた。これが当たって、少しずつ入館者数はあがっていく。
そのタイミングで、クラゲのヒーリング効果が話題に上り始めた。以前はクラゲといえば「キモチワルイ」「刺す」「危ない」というマイナスイメージだったものが、「きれい」「癒される」というプラスイメージに変わった。
さらにノーベル化学賞を受賞した下村脩の研究が「オワンクラゲ」だったため、オワンクラゲを日本で唯一飼育していた加茂水族館に注目が集まる。
2014年に新館を設立し、その後は入館者数55万~71万、押しも押されもしない鶴岡市の観光の目玉となっている。
……と、全然書くつもりもなかったのに加茂水族館の歴史まで書いてしまいましたが、この辺りも面白いんですよ。前にテレビでやってた。また見たい。
「自主的に残ったスタッフ」といっても、給料が出るわけでもありません。それどころか、魚たちの餌代を用意するために自宅を担保に入れるなどの借金までして。よくやったなあ、と頭が下がります。
クラゲとヒーリング効果、というのが世に出たタイミングも良かったんでしょうね。あと下村脩さんのノーベル賞受賞。この2つは、がんばり続けてきた人への神様からの贈り物な気がする。
きれいですねー。
癒されるなあ……。
加茂水族館へクラゲを見に行く。
わたしが行ったのはたしか新館がオープンした頃でした。その時はクラゲグルメのことは全く知らず、何も食べてないので次に行った時は、クラゲラーメンとクラゲソフトはぜひ食べてみたいと思います!
混んでいる時は駐車場もいっぱいになりがちのようなので、行ける人は平日を狙った方がいいかもしれませんね。駐車場は広くて、端っこになると水族館まで少し歩きますが、海辺の風が気持ちいいところなので、あまり遠いと感じません。
館内の回遊ルートも良く考えられているので、観覧が楽しいところです。鶴岡近辺を旅する方は加茂水族館、おすすめです!
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