時々、ほっとしたくなって火星へ行きます。地下鉄に乗って。地下鉄から降りて7、8分歩けば火星到着。
ブックカフェ、「火星の庭」。
こちらは「火星の庭」というお店です。仙台のブックカフェの草分け。開店したのが2000年とのことですから、もう19年も続けていらっしゃるんですね。
お店の半分が古本屋さん。もう半分がカフェです。どちらを利用するのも良し。どちらも利用するのが良し。考えてみれば本を置いてあるブックカフェは増えたけど、古本屋さんのカフェは珍しいかもしれませんね。
左側が入口で、入口に近い方が古本屋スペース、遠い方がカフェスペースです。少人数でやっていらっしゃるところなので、まずはカウンターの中にいる方と視線を合わせて、客が来たことを認識してもらいましょう。注文は席にメニューがあります。
わたしはねー。ここでお茶を飲むのが好き。ア・ポット・オブ・ティー。ゆったりした時間が流れます。ここでお茶を飲みながら本を読んでいると、すごく贅沢をしている気がします。どうしても長居をしてしまう。
でも今回はその後に予定があったこともあり、のんびりお茶を飲む時間はなく、ゴハンを食べます。タコライス。
ちょっと辛いと書いてあったのでどうしようかと思いましたが、辛さが苦手なわたしでも大丈夫な辛さでした。カレーも美味しいんですってよ。お食事としてはトーストもあります。あとはスコーンとケーキも。
カフェの椅子とテーブルは、レトロなものがいろいろ集められています。座るとクッションがへたっててお尻が落ちてしまうんですが、それもまた味。
わたしが大好きなテーブル。テーブル部分はアンティークのミシンですね。
古本の品ぞろえも好き。
このお店の品ぞろえが味わい深いんですよねー。
美術系。歴史系。地元の本もまとまったスペースに集められています。入り口入って右側には子供の本のコーナーもあります。ちゃんとその本があるべき場所が定められているという安心感。もう仙台の本屋は大きなチェーン店だけになってしまって、そっちはそっちですごく工夫してあるし面白いコーナー作りだったりするけれど、個人商店の味わいとは違う。
仙台の本屋文化はこういう古本屋さんが担っていくのかもしれないな。と思う。
カフェでお茶を飲んでいる間に、ふらっと古本を見に来るお客さんの気配がすごく好き。ふらっと入ってふらっと出て行く。でも間違いなく本好き。同類の安心感。
どうして「火星の庭」とつけたの?
今回マスターに、店名の由来を伺ってみました。そうしたらいつもの輝かしい笑顔でおっしゃるには、あんまり何度も店名の由来を訊かれるから、火星の庭の物語を作ったんだって。
それがこちらです。庭番だよりの2005年4月の最初のページをどうぞ。
お茶を飲んで本を読みながらくつろぐ。という目的は完全に達成しているなあ。
古本屋、カフェの他にもトークショーやコンサートなど、多様なイベントも行なっているようです。古本屋さんというイメージを超えて、さまざまな活動の根城になっている。翻訳家の柴田元幸が来ているのにはちょっと驚いた。知ってたら行ったかもしれない。でも柴田元幸が翻訳するようなアメリカの現代文学はキライですが。というより文学はどこのものでも全体的に苦手ですが。
ちなみにお店の本をカフェスペースに持ってきて読むということについて。
飲み物の時は可能です。
食べ物の時はご遠慮ください。……と食べログに書いてありました。
古本は新本と違ってその1冊しかないものですから、大事に大事に読んでくださいね。
駐車場はないので、もし車の場合は近隣のコインパーキングなどを利用することになります。ちょっと見回したところ、この辺意外に駐車場代高いですね。1時間500~600円かもしれない。公共交通機関を使って仙台駅や定禅寺通駅から散歩のつもりで歩くといいかもしれません。わたしは小心者なもんだから、高い駐車場代を払っていることを意識するとのんびりできません……
くつろぎの「庭」。
「火星の庭」があるエリアは、仙台駅からも定禅寺通りからも徒歩圏内にも関わらず、住宅地のような落ち着きが感じられるところです。歩道も広いし車通りもさほどではないので、店の外を通り過ぎる人たちもどこかのんびりした雰囲気。
そんな一画にあるこのお店は、本好きなら気に入ること間違いなしのすてきな場所です。オーナーご夫妻も静かな雰囲気の方たちですし、セピア色の本に囲まれた空間はリラックスできる空間。時間を気にしなくていいような日には、ぜひ「火星の庭」を訪れてみてください。すてきな本に出会えるかもしれません。良い出会いを。
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