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カンバーバッチ版「シャーロック」。ちょっと変わったホームズ物を見たい人に。

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海外ドラマというとアメリカ制作が多いイメージですが、
イギリスもドラマを多数送り出しています。
イギリスドラマの印象は、シリアス・真面目・かっちり作っている。

サスペンスやミステリー向きですね。
あまり派手な画面を使わず、脚本を練って王道を行く感じ。
これは特に、日本に入ってくるイギリス制作ドラマの傾向なのかもしれませんが。

数多く作られて来たホームズ物の中でもちょっと異色なドラマが、

「シャーロック」です。

 


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「シャーロック」の舞台は現代。

ホームズの舞台を現代に移した翻案もの。

これは日本でも人気が出ました。
NHKBSプレミアムでも3、4回再放送をやりましたねー。
たしかつい最近もBSのどっかの局で再放送をしました。

日本でベネディクト・カンバーバッチが広く認知されたのも
おそらくこのドラマからだったはず。

ちなみにフジテレビでディーン・フジオカ主演のまったく同じタイトルの
ドラマがありましたが、全く関係はありません。

イギリスは娯楽!というより、重厚なドラマを作ります。
(話は逆で、重厚なドラマのみが日本に入ってくるんだと思う)
原作とはだいぶ違うのですが、原作を求めなければかなり面白いです。

この「シャーロック」はシーズン4まで作られており、各シリーズ3話なので
現在のところ12話。他に映画が1作。

それだけに集中して作られているというか、中身が濃い。
どっちかというと映画に近い作り方。

映像もかなり工夫されていると思う。
視覚効果にデジタルを多用し、シャーロックの思考を辿るような演出になっています。

90分×3話というのもいい尺だと思うんですよね。
5時間で1つのストーリーというのはちょうどいい気がします。
90分×3にするか60分×5にするかはその話によるけれども。
日本でももっと5時間枠をドラマで活用すればいいのに。

サイコパスなホームズ。

数あるホームズの中でも変人度はかなり高め。
サイコパスになるか天才的名探偵になるしかない、
という人なので、フォロー役のワトソンが大変。

シャーロック役のカンバーバッチと、ワトソン役のマーティン・フリーマンの
配役が良かったですね。
爬虫類顔の(好きな役者ですが)カンバーバッチと、
地味で困惑顔がデフォルトのフリーマン。

ユーモラス度は低め。
イギリスらしいシブイ笑いは何度も取ってくるんだけれども、
全体的なトーンはシリアスです。

わたしは最初見た時は「ええ~、これホームズ~~?」と思った気がする。
舞台を現代に移している点を含めても、原作からは若干離れています。
が、2回目見たら面白かった。わざわざ2回も見ようと思った理由が我ながら謎。

兄弟の葛藤。

最近のホームズ物は、シャーロックとマイクロフトの兄弟を
葛藤させることが多いですねー。

「エレメンタリー」にしても「シャーロック」にしても兄弟は犬猿の仲。
原作だとそこまで仲が悪くはないですよね?
わたしはおっとりのんびりしたマイクロフトが好きなので、
近年の彼の描かれ方は少々残念ですが。

シャーロックの兄、マイクロフト・ホームズ役のマーク・ゲイティスは、

このドラマの製作総指揮でもあります。

シャーロックとワトソンはカップル?

この作品のシャーロックはほんとに敵が多くて、唯一心を許せるのがワトソン、
そしてゲイカップルだと間違われる、というおなじみのくすぐりが……

ハドソン夫人までもが「はいはい、いいのよ、わかってるわ」という立場なので、
2人とももう何もいえないというか、言っても無駄だというか。

近年そういうくだりが多いですよねー。
まあいい歳のおっさんが同居しているのだから無理もない。
……無理もないけれども、BL扱いはあんまりなあ。

アメリカドラマの「エレメンタリー ホームズ&ワトソン in NY」では
ついにワトソンが女性になってしまいました。
しかしそれでも恋人というわけではなく、それはそれで若干不自然。

モリアーティが悪の魅力満載。

ホームズの永遠のライバルとして世界ミステリ史に不朽の名を刻むモリアーティですが、
今までの作品でそこまで登場人物としてフィーチャーされることは少なかった気がします。

が、この「シャーロック」ではかなり頻繁に出てきます。
サイコパスらしい奇妙ないい味を出しており、けっこうコワイ。
全能感もあるので、原作と比べてシャーロックの追いつめられ感が大きい。

ベネディクト・カンバーバッチ。

その前から評価は高かったのでしょうが、カンバーバッチが
世界的に有名になったのは「シャーロック」からではないでしょうか。

変人役が大ハマりの俳優です。
2015年には大英帝国勲章も授与されました。
リチャード3世の血筋で、「クラウン・ホロウ 嘆きの王冠」では
リチャード3世を演じたそうです。見てないので見てみたいなあ。

 


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シェイクスピアの史劇を基にしたドラマらしいです。

リチャード3世はイギリスでは有名な歴史上の嫌われ者なんですって。
王位に就くのに邪魔な2人の幼い甥を無慈悲に殺害したと言われています。
真相は藪の中。

そういう通説を知った上で読むと面白いのがこの本。


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通説上、極悪人とされているらしいリチャード3世を「実はそうではないのでは?」

という観点から読み直してみた歴史ミステリ。

ベネディクト・カンバーバッチはどうしてこんなに変人役がハマるのか……

カンバーバッチでは、
映画「イミテーション・ゲーム/エニグマと天才数学者の秘密」が面白かったです。
第二次世界大戦時、解読に困難を極めたエニグマという暗号を解いた
アラン・チューリングを主人公にした作品。

これも天才で、精神的に不安定な役どころ。
シャーロック・ホームズと似通うところがあります。

その他は、声だけですが「ホビット」シリーズでの龍のスマウグ役。
大ヒットした「ロード・オブ・ザ・リング」シリーズの前日譚です。

この作品では、主役のビルボをマーティン・フリーマンが演じており、
フリーマンはワトソンをやっている役者さんなので、
シャーロックとワトソンが龍とホビットをやっていると考えるとちょっと楽しい。

なお、公開がいつ頃になるかはわからないかなーとは思いますが、

「エジソンズ・ゲーム」という映画も今後控えているそうです。

 

ちょっと変わったホームズ物を見たい人に。

舞台を現代に持ってきていて、デジタル機器を使いまくるホームズ。
原作ではワトソンが書いた小説が、ホームズの名声を世に広める役割でしたが、
本作ではワトソンはブログを書いています。

ちなみにワトソンが書いた(という設定の)ブログはこちら。
更新はされない模様。

緊迫感のあるホームズ物なので、細切れではなく一本一本まとめて見るべき。
なお、シーズン3、4はほぼ原作とは違う話になっていきます。

わたしが一番面白かったシーンはシーズン2の最終話、ラストシーンですね。
「こんな風にしてしまって、一体どうやって回収するつもりなんだろう?」と
思いました。
そこからシーズン3の第1話まで待ちかねました。

 

ロバート・ダウニー・ジュニア版「シャーロック・ホームズ」も。

ちなみにもっと能天気なホームズを見たい向きには、
ロバート・ダウニー・ジュニア版「シャーロック・ホームズ」もあります。

これは映画。


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第1作と第2作が一緒になってこのお値段はお得っぽい。

こっちはスカッとしたアクションもの。
素直に楽しめる映画です。

この映画は第3作が2021年公開予定だそうですが、どうなるかな?
第3作公開時には第1作と第2作の復習をしてから見に行きたいと思います。

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