18.JRよ……。

和歌山/2026

5;45にガッシャーン!という大破壊音で目が覚める。デルフトの朝を思い出した。何か倒したか落としたかしたんでしょうね。やれやれ、お騒がせな。と思ったが、その後、ウグイスが窓のすぐそばで鳴いている声を聴きながら寝ていられるのは贅沢だと思った。朝の鐘が、ごーんと鳴る。

本日最終日。

この日も朝の勤行の記憶がない。

いや、この日は爆睡をしていたわけではなかった。……はず。
でもどうもどんなところで何をやったか記憶にないんですよねー。メモによると、法話と、加賀前田家とこのお寺の関りを説明してもらったらしいんだけど。サッパリ覚えてない。こういう人は勤行に参加しちゃいけないんじゃないでしょうかねえ……

朝ごはん、いただきました。

昨日の朝と似たような感じですね。やはりがんもがメインだと(わたしの好き嫌い的に)ツライ。

 

今日は最終日。夕方17:55の関空発の飛行機に乗って帰ります。

7:45に天徳院を出て、そのままバスに乗る。こんな早くから動いているのはなぜかというと、今日は根来寺に行こうと決めたから!行くの大変なので粉河寺とともに一度はあきらめたところなのですが、粉河寺にも行ったし、根来寺にもがんばって行こう!高野山も見終わったしね。

JR岩出駅にて。

高野山から、来た時と逆の順番で下界に降ります。バス→ケーブルカー→南海高野線→JR線。JR岩出駅が根来寺の最寄り。JR岩出駅で降りました。

……ここでねー。わたしは不快な出来事に遭遇したのよね。今となってはある程度冷静になっているけど、その時はけっこうストレートに不愉快でした。

岩出駅での根来寺へ行くバスの待ち時間は20分とか30分。時間が空いたからトイレに行っておこうかと思いました。旅では行ける時にトイレを済ませておくのは地味に大事です。岩出駅は小さな駅ではあるけれども有人駅。トイレを探す。だが、ない。駅にないわけはないと思うのだが……。

なければないで良かった。でもこの時はたまたま、駅員の人に訊いてみようかと思った。

「トイレあります?」――と、わたしは訊いたと思います。
駅員の方は「中にしかないんですよー。(ここがフルストップなのが重要です)」と答えた。

一瞬考えました。トイレに行くのに入場券が必要なのか。言えばちょっと中に入れてくれるのか。でも中に入れてくれるなら「中にあります。お使いになりますか?」と言ってくれるべきだろう。結局、めんどうだからいいやと思い。それ以上訊かずにそこで引き下がる。

そのまま駅の椅子に座ってバス待ちで本を読んでました。すると数分後、ご婦人が係の人に「トイレ貸してください」といっているのが聞こえた。駅員の人は「どうぞどうぞ」と勇んで案内している。中には入れてくれるっぽい。

耳に入って来た言葉の意味が脳にたどり着くまで数秒かかった。本を読みながら頭の20%くらいで「ほほう……そういう対応」と冷ややかに考える。顔見知りなら「どうぞどうぞ」なわけ?それとも言い方の違い?なんにせよ、そういう対応はどうかと思う。
まあでも、これだけで終わりなら別に良かったんです。

だがしかし、このあと、もう一人窓口に来た人がいたのよねー。外国人らしき若者。その人も「トイレありますか?」と(日本語で)訊いて断られている。そのやりとりも数秒経ってから脳みそに届く。そこで怒髪天を衝いちゃってね。

「トイレを貸してくれたりくれなかったりするのはどうしてなんですか?」と窓口に怒鳴り込む。わたしは相当怒っていました。他人に対しては、ここ数年で一番の怒り方。トイレに本当に行きたい人だっているじゃないの。お腹を壊しているかもしれない。どうしてそんな、人によって対応を変えるのか。

駅員の方は、あっけにとられた顔をしてごにょごにょ言い訳をしていました。「あるのかどうか訊かれただけなら、使いたいとは限らないじゃないですか」。……ほとほと呆れた。言うに事欠いてそんな言い訳。アンケートでもとってると思ってるの!?

「じゃあ、使いたいですといえばいいんですね?」「そうです」
わたしは踵を返し、外のバス停のそばで立っている先ほどの若者の元へ向かう。「トイレありますかじゃなく、トイレを貸してくださいっていうと、中に入れてもらえるそうですよ」。

それを聞いてどうするかは彼の自由だったが、ちょっと経ってから窓口に行ったようだったから、まあそれで良し。帰りに「ありがとう」といってくれた。わたしも笑顔で手をあげる。
それにしても腹立たしかった。

たしかにJRにもいろいろ事情があるのだろうが……!

――だがしかし。
旅から帰ってしばらく経って、思い出してAIにその時の経緯を説明し「この対応っておかしいよね?」と訊いてみると、わたしの考えの及ばなかったことを指摘してくれた。

JRにはJRで考え方があるらしい。主に、JRの利用客ではない(通りすがりの)人の利用を制限したいという考え。防犯の問題。美化コストの問題。不正乗車にも結び付きやすいこと。

これらの観点から、JR内部でもトイレの在り方は意見が分かれているらしい。AIの言うことなので、正確かどうか保証は出来ないけど。

なるほどー。じゃああの言葉尻をとらえる訳のわからない対応は、駅員個人の資質というより、JR全体の中途半端な姿勢を反映したものだったんだ。むしろ忠実に再現したと言えるかも。

わたしは公共機関であるJRは、トイレを提供する義務があると考える。人手も資本金も非常に零細なコンビニで出来ることが、なんで天下のJRが出来ないのか。利用者じゃない人には使用させないなんてケチなことをいうな。

それは、観光客が押し寄せるような(しかし小さな)駅で、非利用者を無限に受け入れる必要はないと思う。だがそれは個別状況で対応すべきであって、少なくとも有人駅にはトイレはあるべきだと思う。

まあでも、それまで駅員個人に対して立てていたハラが、JRに対して立てられるようになって気分が多少良くなった。公共交通機関はトイレも込みで公共交通機関!

JRは腹をくくって明確にトイレ利用の指針を立て、駅員が詭弁を弄する必要がないようにしてほしい。嫌だろう、駅員の人だって。こんな訳の分からない言い訳をしなきゃいけないのは。

この件はAIの示唆を受けて得した事例の一つ。まあハラは立ちましたけど。

別件で、わたしも実はやらかしています……。

そして付け加えて公平に言えば、この場面でわたしも別方面でミスをしています。

――外国人の若者が日本語を喋ることは、耳から入って来てわかっていたはずだったのに、話しかける時に英語を使っちゃったのよね。一言二言喋ってから「……あ、日本語でしたね」と気づく。

何ヶ月か前にAIにお説教をされた。
「外国人の顔立ちだからといって、すぐに英語で話しかけるのではなく、最初は日本語で話すべきかもしれません」と。
そうなのよね。日本で生まれて日本で育ったハーフかもしれないし。そうでなくとも長く日本に住んでいるかもしれないし。英語圏以外の人かもしれないし。

大学があるバス路線だからつい「留学生」をイメージしてしまった。AIに言われた時は「そっかー」と思って気を付けようとしたはずなのに、うっかりする。場合によっては駅員の人の行動よりも、わたしの行動の方が胸にひっかかるものだろう。忘れるな。自分。

岩出駅はどっちかというと悪い意味で記憶に残る駅になりましたねえ……。長い旅人生、そういう場所はほとんどないのに。まあゼロというわけではないが。

 

 

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