15.初宿坊体験、安養院。

和歌山/2026

高野山で宿泊、と決めた時に、宿坊にしようかそれ以外にしようか悩みました。何しろ高いのよ、宿坊。普段はビジネスホテルに5000~7000円で泊まるのに、1万円は確実に超えますから。本まで読んでそれでも決められず、結局は楽天トラベルで決めました。

◎和歌山市の旅行とは。ルート検討会ですよー。
実は再度和歌山市を訪れる予定はなかった。 2019年、九州から帰る時に関空での乗り継ぎを長く取って、その半日和歌山市を観光した。それで和歌山市は終わりでいいと思っていた。熊野は友達を連れて行かなきゃという使命があるし、串本は無量寺が見られ...

(失礼ながら)予想より立派。

宿坊の値段設定を見ているうちに、ちょっと宿代の感覚がバグってきました。15000円くらいまでならいいか……。いやまあ2万くらい?というか、楽天トラベルで予約できる宿坊4ヶ所のうち、2万円以下の宿坊は2ヶ所しかなかった。もう選択肢はこれしかないじゃないですか。せっかく2泊するので、別の宿坊を体験したいと思い、1泊ずつ泊まることにしました。この日の宿坊は安養院さんです。

 

実は門構えが思ったより立派で驚いた。1泊2食付き14000円。この値段はおそらく高野山宿坊の中ではもっともお手頃な価格帯なんじゃないかと思います。そういう頭もあったのでひときわギャップを感じた。

 

建物も玄関の間も立派。立花がお出迎えしてくれる。

玄関に入る前の段階で「こちらで受付しますよー」と中から声をかけて下さったので、玄関の左隣?隣の隣?のお部屋に行きました。ご住職なのか?違うのか?作務衣を来た年配の男性が受付をしてくれる。その後女性の方が来て部屋まで案内してくれる。

お部屋がけっこう遠かったです。途中でお風呂や洗面所に言及されたこともあって道順がよくわからなくなった(汗)。建物内の折れ曲がる道はなかなか覚えられません。そこまで複雑な道ではなかったようなんだけど、その後時々迷いました。

ほえ~ほえ~、襖絵のお部屋!!

そして案内されたお部屋を見た瞬間。目を丸くする。案内してくれた人が姿を消すのを待って、遠慮なく「ほえ~~~!」を連発する。

金襖だ!!

設えに驚く。旅館などで床の間、違い棚くらいはたまにある。床の間の掛け軸も生け花もまれにある。しかし襖絵がある部屋となると。


こういうのは小襖というらしいです。絵が!絵が!絵があるよ!

いやー、こういう直筆の襖絵がある部屋を体験してみたかったのよ。アコガレていた。こういうところって「見学」は出来ても「使う」機会はめったにないじゃない?お茶でもやっていれば可能性はあるんだろうけど。わたしの人生、そういうことはないものだと思っていた。

ずーっと、へーへーへーと感嘆していた。宿坊に泊まって良かった!うれしい!

 

 

床の間には掛け軸と香炉と花。花はちょっと添えられただけ、という控えめさ。畳廊下も立派。わたしの部屋は一番手前で、奥にさらに2部屋あるらしい。

観光案内所&そのへん散歩。

夕食は18:00からとのこと。あと2時間近くあります。近所を散歩してみましょう。

安養院さんはメインストリートからは少し奥に入ったところにあります。メインストリートに出るとそこはほぼ高野山の中心部。観光案内所があるので、ふらっと入りました。ふらっとのつもりでしたが、わたしはそういえばここで訊きたいことがあったのでした。

「あのー。奥の院ナイトツアーって、こちらで主催なさってます?」
「主催ではありませんが、たしかチラシがその辺に……あ、これですね」
ナイトツアーには行きたいと思って、行くつもりでいたんだけど、値段が5000円、現地集合現地解散と聞いて、うーん……と思った。奥の院までけっこう遠いのよ。2.5キロ。

公共バスはある。行きも帰りもある。でもナイトツアーの人がみんなそのバスに乗るとなるとぎゅうぎゅうづめになる可能性もあるし、だからといって往復歩くと5キロ。さらにツアーで多分1時間立って歩く。食事がつくわけでもなく、それで5000円はなあ……。5000円なら、バスでの送迎、参禅体験、ちょっとしたお茶菓子くらいはコースについていて欲しいよなあ。

わりとあっさり諦めました。行くつもりなら個人で行くという手もあったのかもしれないが(個人で夜の奥の院に行けるのかは不明)、どうも割高すぎ。でも外国人だとさらに1000円2000円上乗せされた料金設定なんですってね。まあ安くして参加者が殺到しても困るんだろうし、需要と供給で金額は決まっていくものだし、仕方ないね。

その後「宿坊は宿泊者以外の見学は受け付けていないのか?」を訊き。だいたいのところは受け付けていないそうです。それはその後宿坊2ヶ所に泊まってわかった。見学者に門戸を開くほど人手を割いていないね。だから「ある宿坊に誰誰が描いた襖絵がある」という情報を見ても、泊らなければ基本的に見られない。ここは現地で訊くまでわからなかった部分。

この時、「そもそも宿坊の予約はどうするのが最善の方法なのか?」を訊けば良かったなーと後で思ったのだけど、その場では思いつかず。こちらの観光案内所にメールなり電話なりすればベストな宿坊選びの相談に乗ってもらえるんでしょうか。

他に高野山とは全く(歴史的には関係あるがエリア的には)関係のない根来寺へのアクセス方法も聞いて。情報としてはそこまでいいものはなかったけど、親切に対応していただきました。

 

その後、高野山には希少なコンビニまで歩いてみました。850メートル。10分強ってことでしょうな。やっぱり遠い感じはしたので、コンビニは当てにしないと心に決めました。そしてその途中の周りの様子を見ると、やはりこの時間――というか、夜にやっているお店は少なそう。高野山に泊まるのなら宿坊2食付きの方は正解だったろうなと改めて思いました。

今回わたしが高野山を訪れたのは6月上旬で、おそらく観光シーズン的にはそこまで人が多くはない時期だったと思います。それを勘案して、コンビニは別に混んでいなかったことを申し添えておきます。だがここで品切れだとコワイからなあ。コンビニのすぐそばに夜に開いているお店もあったけど、確実に開いて、空いているかというと、そこも不安要素。

夕方の高野山のメインストリートは、不思議なほど静か。あまり人が歩いていない。歩いているのは海外客。それも欧米系の率が高い。高野山には西欧にアピールする要素があるんだろうか。

宿坊で夕ご飯。

17:20に安養院さんに帰って来ました。夕ご飯は18:00から。
てっきりお部屋にお膳が運ばれるものだと思っていたんですけど、泊る部屋とは別のお部屋に案内されてお食事。

おおおお~。
このサイズのお部屋にポツンと一人分のお膳があるシュールさはシュールさとして、襖絵がありますよ!誰ですか、これ!けっこう良さげな絵ですよ!……まあ誰だったかは訊かなかったんだが。

おおおお~。とずーっと思いながらそわそわと座布団に座る。


隠れている皿があるので似たような写真を2枚並べましたが、いろいろありました。
左から、

高野山名物ごま豆腐
漬け物
(ごはん)
黒豆
天ぷら・抹茶塩
すまし汁
こんにゃくと湯葉?・酢味噌
松前漬け的なもの
りんご
煮物

たくさん。

これだけあればお腹はいっぱいです。ほぼ平らげた。わたしは精進料理が一体どういうものなのか、今一つ胸落ちしてなかったのですが、納得した。つまりは肉・魚がない旅館料理だ!

だが天ぷらがあるし、ボリュームとしては十分。肉、魚を食べないと禁断症状が出る体質の人以外は、物足りないということはほぼないんじゃないでしょうか。そういえば肉なかったね、とあとから気づくレベル。

味は美味しかったです。安養院さんのお食事は、派手さはなかったんですよね。どちらかというと素人みを残した優しいお味。美味しいなあと思いながらいただきました。普通の美味しさがありがたい。

しかも襖絵のある部屋で。堪能。

初宿坊体験。

やっぱり宿坊に泊まったのが初めてということで、とても新鮮な体験でした。思ったよりも造作がとても立派――とにかく襖絵のある部屋――に感銘を受けて、それで感動の7割はありましたね。あと、お手洗いを改装したばかりのようで、ぴっかぴかの木の美しさがあり、使うたびに「こんなにきれいなトイレを使わせてくれてありがとう!」と思っていた。

他の宿泊客とはほとんど顔を合わせませんでした。お食事の時は隣の部屋にも人がいたし、泊る部屋も隣の隣には誰か泊っていたんだけど、会話や気配が多少あるくらい。

ただ、こちらの宿坊には残念ながら一つ明確な弱点があります。
お風呂が狭いんですよね。カランが3つ?湯舟が、3人入ったらきつきつの大きさ?
なので、お風呂が楽しみという人はちょっとがっかりするかも。
混んでる時は困るんじゃないかなあ。

その他の部分はまったく不満はありませんでした。
広くて廊下を間違えたりは多少したけれど。とにかく襖絵のある部屋に(以下略)……感動でした。宿坊へ泊まってみて良かった。宿坊体験は大成功でした。

 

 

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