小さな村シリーズ(←に、いつの日かなる予定)。
今回はイギリスのアランデル(Arundel)です。いや、ここは村というよりは「町」の規模ですね。ちょっと大きめ。イギリスらしい、小さな可愛い町。
Arundelのサイトを見つけたので貼っておきます。が、正直この作りはだいぶ地味な気が……。わたしに言われたくないだろうけれども。せっかくなら、可愛い街並みをもっとアピールした写真をがんがん使えばいいのにー。もったいない。
場所はどこにあるの?
大雑把にいうと、ロンドンのだいたい真下です。←真下は地下だろう。
ロンドンの真南の海岸沿いにブライトンという有名な観光地があり、ここから探すと分かりやすいかも。ネット上の海外の地図はほぼ皆さんグーグルマップ一択だろうと思いますが、……正直、小さい町に関してはグーグルマップは使いにくい……
ブライトンから西(左)へ20キロくらい行った、海岸部よりわずかに内陸に入ったところ。海から近く見えますが、直線で4,5キロ離れており、海の雰囲気は全くありません。チチェスター市とブライトンのほぼ中間くらい。
ロンドンから日帰り旅行も十分可能な距離にあります。車で100キロくらい。電車移動であれば、ロンドン・ヴィクトリア駅から1時間20分くらい。本数も1時間に1、2本はあるようです。乗り換えなしで行けるし、大変気軽に行けるところ。イギリスの鉄道は片道料金と一日往復チケット(one day return ticket)がほとんど同額だという謎の料金設定なので、日帰りの方が割安感があります。一例によると32ポンドくらいらしい。
(わたしはアルフリストンから移動したので、シーフォードというところからブライトン乗り換えの、真東からのアプローチでした。これは多分相当に少数派。)
アランデルはね!あまりロンドンからの日帰り旅行で名前が上がることが少ないですが、おすすめですよ!
歴史を感じるかわいい街並みです。
でも何と言ってもこの町の魅力の大部分はアランデル城が占めている!わたしはアランデル城が大変に気に入ったので、アランデル城をメインにこの町をご紹介したいと思います。
アランデル城はどんなお城?
イギリスの貴族、ノーフォーク公の自宅です。城が自宅って、改めて考えるとスゴイね。……wikiのリンクを貼ったけど、これを日本語で書いた人に頭が下がります。わたしはwikiのシステムをよく知らず、この記事も一人で書いたのではないのかもしれませんが、異国の貴族の詳細をよく書いてくださった。おかげでわたしもさくっと検索して、日本語でノーフォーク公のことがさらっと読めます。アリガタイ。
アランデル城の営業時間は?
参考までにアランデル城のサイトから営業時間を持ってきました。
Open between Tuesday 2 April and Sunday 3 November 2019
Tuesdays to Sundays inclusive 10.00 a.m. - 5.00 p.m.
We will also be open on the following Mondays:
Easter Monday, 22 April
May Bank Holiday Monday 6 May
Spring Bank Holiday Monday 27 May
Monday 5 August, Monday 12 August, Monday 19 August
Summer Bank Holiday Monday 26 August
Opening Times:
Gardens, Grounds, Fitzalan Chapel 10.00 - 17.00
Castle Keep 10.00 - 16.30
State Rooms 12.00 - 17.00
Restaurant & Coffee Shop 10.00 - 16.30
Gift Shop 10.00 - 17.00
Last admission 16.00
On-line tickets available until 10.00am on the day of your visit
Save £1 off standard ticket prices buying on-line.
Tickets can still be bought at the gate throughout the day.
2019年に関しては4月2日から11月3日までやっているようですね。冬の期間休むのは、その最大の魅力である庭園部分があまりきれいではないから、という部分が大きいのだろうと思います。メンテナンスも必要だろうし。
営業時間は火曜日から日曜日の10時から17時。基本は月曜定休。
でもイースターの月曜日とバンクホリデーは営業しているようですね。
ちなみに、イギリスではバンクホリデーという祝日があり、バンクホリデーはバンク(銀行)以外のところも全体的に休日です。バンクホリデーという名前なのは、そもそもの始まりが、忙しい銀行員の皆さんを休ませるために設定された休日だったかららしい。働き方改革。バンクホリデーは休日扱いなので、イギリスへ旅行の際はチェックしておきましょう。ちょっと忘れがちな部分です。
State Roomsというところが少しわかりにくいかもしれません。このお城の場合だと居住区部分。なので、開城と同時に入って天守を見て宮殿を見ようとすると、まだその部分はオープンしてないです。
わたしは10時に入って、まずフィッツアラン礼拝堂と庭園を十分に堪能してから建物部分を見て回ったので、ちょうど良かった気がします。そうするとちょうど建物に入った段階でカフェでお昼も食べられるしね。足休めの時間にもなります。早めの足休めがほんとに大事。自戒をこめて。
Castle Keepというのは日本語では天守や本丸と訳されたりします。西洋のお城は(日本のお城も同じ流れですが)、古い時代は砦だったので作られた時期によってkeepがあったりなかったりします。アランデル城は1067年に建てられた古いタイプのお城で、その後連綿と使われ続けて来たので、まずkeepがある砦として作られ、そこに住むのはあまりにも不便なので、次第に宮殿部分が増築されていったのですね。
keepはこういう感じ。砦です。円筒形。居住性は全然良くなさそう。
アランデル城の入場料は?
見学できる範囲によってチケットの値段が違います。(カッコ内はすべて大人1人料金)
ゴールドプラス(22ポンド)……寝室、メインルーム、天守、フィッツアラン礼拝堂、アールズガーデン、庭園。
ゴールド(20ポンド)……メインルーム、天守、フィッツアラン礼拝堂、アールズガーデン、庭園。
シルバー(15ポンド)……天守、フィッツアラン礼拝堂、アールズガーデン、庭園。
ブロンズ(13ポンド)……フィッツアラン礼拝堂、アールズガーデン、庭園。
メインルームとアールズガーデンは全く記憶にないです。すみません。わたしは「せっかく来たから」とゴールドプラスにしました。ベッドルームを見るために2ポンド出す価値があるだろうか……と思ったのですが、実は建物内部ではベッドルームが一番印象的でした。
中まで入れるわけではなく入口から覗くだけだったけれども、バスルームにある現代のシャンプーやタオルの生活感に感銘を受けた。あ、ベッドルームといってもノーフォーク公爵のプライベート部分ではなく、多分客用寝室だと思われます。お客さんが来たらここに泊まるんでしょうねー。そういう時はメイドや執事が控えてるんでしょうね。
「ダウントン・アビー」、ずっと録画しているけれどもまだ見られていない。閑話休題。
そしてサイトには載っていないけれども、外国人観光客割引が(わたしが行った時は)あって、2ポンド引きでした。
アランデル城の見どころは?
大きく分けて4つあります。
1.フィッツアラン礼拝堂。
2.庭園。
3.天守。
4.宮殿。
わたしはこういう順番で回りました。10時の開場直後に入って、……15時までいました(汗)。普通はここまではいなくていいと思いますが、3時間、最低2時間の所要時間は見て置いた方がいいでしょう。敷地も広いですしね。
1.フィッツアラン礼拝堂。
歴代ノーフォーク公の墓所です。建物の中に礼拝所が内包されているお城も多いですが、ここは独立した礼拝堂になっています。
部屋数も多くて、一つの家の礼拝堂としてはかなり大きな部類だと思います。さすがイギリス最古の貴族。
もうこの彫刻が美しくて……!
持って帰りたい!と思ったほど。これは第14代ノーフォーク公夫妻のお墓だそうです。この光線で、この大理石の白さが鈍く輝く。これを見るためだけにアランデル城に行っても損はないです。伝統的な彫刻スタイルでいかにも古そうに見えますが、意外に新しく19世紀半ばのもの。
2.庭園。
このお城の最大の見どころである庭園。ここもすごく素敵でした!
芝生の手入れが行き届いていて、緑が輝いている。ガーデナーのみなさんの丹精が感じられます。多分芝生部分ののでこぼこは、うっすらと迷路。
そしてアランデル大聖堂が堂々たる借景。
アランデル大聖堂は敷地外にありますが、細い道路を挟んだすぐそばなので、まるで敷地内にあるように見えます。
天国的。心に効きます。こういうところを所有するノーフォーク公が本当にうらやましい。行こうと思えばすぐ行けるアランデルの住民のみなさんも大変にうらやましい。
3.天守。
さきほどは外側からの画像でしたが、内側はこうなっています。
円形の中は地面ですから……本当に籠城することになったら、ここに兵士がすし詰めになるんでしょうね。屋根くらいは掛けられたのでしょうか。個別にテントを張ると収容人数がだいぶ減るだろうし。野天だと雨の時に辛すぎるな……。地下には貯蔵庫もあったらしいです。貯蔵庫があると籠城戦に対しての備えという意味ではだいぶ違うでしょうね。
回りの壁部分の中は市民戦争で実際に立てこもった時の蝋人形が再現されている。白い布で包まれた……もあってだいぶコワイ。リアルすぎ。
眺めも最高です。
お殿様になった気分。ノーフォーク公はいつでもこのアングルで「我が町」を見下ろせるんですねー。
keepからは公爵の実際の居住部分も見下ろせる位置関係だそうですが、さすがにそれには配慮してあり、その方向には板が打ち付けられて見えないようになっています。
4.宮殿。
宮殿部分=居住部分もだいぶ広そうです。でもやっぱり外観のデザインは砦の系譜をひいて優美というよりはがっしりした作りですね。でもこれは横から撮った一番幅の狭い部分なので、実際の宮殿部分はもっともっと広大。
中にはカフェがたしか2つあります。カフェと言うよりはカフェテリアですか。学食みたいなセルフサービスの食事どころ。気軽な雰囲気です。お昼をここで食べるとちょうど良い足休め。
あ、スーベニアショップも充実してました!お菓子やステーショナリー、アランデル城のグッズや本も豊富にあって目移りします。ここで最後のお土産を揃えました。
ところでお土産ってどうしてます?
話は違いますが、わたしはお土産を買うのが苦手です。いくら経験しても上手くなれません。どうしたら上手くなれますかね?これがいいか、あれがいいかと悩んでほんとに時間がかかります。
あんまりお金もかけられないし、スーツケースもあまり重くしたくないから重さも大きさも気になるし、壊れ物や悪くなるものはダメだし、ハードルがたくさんあります。
昔、十数人分のお土産にメモ帳を選んで死にそうになりました(←しかも表紙が合成皮革のごつい奴だった)。飛行機の重量制限超えたらお高い追加料金がかかるそうなんですよ!あの時はたしかぎりぎり20キロ弱で、あとで気づいて焦りました。
まあ結局超えなかったからその部分は良かったものの、19キロのスーツケースは冗談じゃない重さでした。これを持って成田空港から家まで帰れるのか?と、真剣に恐ろしかった。
それ以来、紙物は基本的にNG!文具好きなので大変残念なのですが、そう思っておかないと際限なく買ってしまいそうです。わたしはあちこちでもらう地図やらパンフレットやらを基本持ち帰ってくるので、商品は買わないように努力出来ても、どうしても紙の分量は多くなります。
いわゆるバラマキ土産ならば、行ける時であれば地元のスーパーのお菓子が一番!安いし、地元感満載だし、種類は豊富だし。……なのですが、地域によっては観光客が行ける範囲にスーパーがないところもあって、悩みどころです。
帰りの空港に期待すると、空港によっては思ったより規模がすごく小さくて、お土産屋さんというほどのお土産屋さんがないこともあるし。イタリアのボローニャ空港でお土産を買おうとした時は苦労しました。注意です。
Arundelの発音はアールァンドウ。
あ、大事なことを忘れていました。Arundelって書いてあった場合、日本人は普通アランデルと読むと思うのですが、それでは通じません。LとRの発音の違いもあるかもしれないけれども、一番気を付けなければならないのは、アクセントが一番最初に来るということです。
この地名が通じなくて大変苦労した!アランデルだと信じ切っているから、その他の読み方を考えもしませんでした。アランデルとアールァンドウだと正直別物ですね。ここも注意です。
Arundelはロンドンからの日帰り旅行におすすめです。
以上、わたしが大好きなArundelについて書いてみました!行きやすいし、いいところだし、本当におすすめです!特に天気のいい時の庭園が最高。幸せな気分になれます。フィッツアラン礼拝堂の彫刻もぜひ見て来てください!
アランデル大聖堂、中心部の街並みもお忘れなく。アンティークショップもちらほらあるので、時間があればそういうところも回って、一日楽しめます。
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