イタリア/Italy:2010

15.オペラの前に。

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今晩は20:00からオペラ「椿姫」。
だがそれまでに相当時間があるので、その前に、

サンタマリア・デッラ・サルーテ教会(前日昼休み中で中に入れなかった教会)
リアルト橋近辺撮影
軽く晩ごはん

という予定で16:45にホテルを出る。
この頃にはもうずいぶん暗い。

Souvenir shops near the hotel.

運河沿いの道に出ているお土産屋台。
ヴェネツィアの風景がプリントされている傘には多少食指が動いたのだが、
荷物になるので止めておいた。日本で実際使うとしたらだいぶ派手だろうし。

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ホテル前から船に乗ると、サルーテまでは2駅分であっという間。
前日に徒歩1時間くらいかけたことを思えば、ずいぶんあっけないですな。
(あ、島めぐりの間にヴァポレットの48時間券≒3300円を買ったので、以後船には乗り放題)

The church of Santa Maria della Salute.

3度目(4度目?)の正直でようやく内部に入れる運びに。
中は……ああそうか、ここは集中式(多角形)だったか。予想よりもこじんまりしている。

Inside.

どーでもいい話だが、わたしは個人的にカノーヴァに謝っておきたい。
誰やねん、カノーヴァ?と言えば18世紀から19世紀にかけて活動していたイタリアの彫刻家。
詳細はwikiをどうぞ。

カノーヴァについてほぼ何も知らないくせに、わたしはつい昨日(これを書いている日の昨日)まで、
この彫刻をなぜかカノーヴァ作だと思い込み、「時代が若いせいか若干俗味がね……」
などという感想を持っていた。だが実はこの彫刻は全くカノーヴァには関係ない。
関係ない作品を見て俗呼ばわりされてはカノーヴァも地下で浮かばれまい。

さらに言えば、Wikiを見て愕然としたのだが、「ペルセウスとメデューサの首」って
カノーヴァだったのか!?わたしはてっきり……古代ローマの彫刻だと思っていたっ。
もう二重三重にマチガっている感じですよ。ほんと自分が信用ならん。
すまん、カノーヴァ。

ちなみに翌日、カノーヴァ自身によって作られたカノーヴァの墓(記念碑)を
サンタマリア・グロリオーザ・デイ・フラーリ教会で見た。
やはり俗という偏見には囚われたままなのだが、それでもその滑らかな線と静けさは
なかなか品がいいものだと感じました。

ちなみに、ほんとーはこのサルーテ教会、聖具室を見なければお話にならないようなのです……
(ティツィアーノやティントレットの絵がある)
でもわたしはそんなことは何も知らず、祭壇部分だけ見てさっさと終了してしまう。
4度目の正直でこれでは、行った意味があるんだかないんだか。

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そこから再度船でリアルト橋へ向かう。オペラの会場がリアルト橋付近なので。

だが帰宅ラッシュの時間帯のせいか、船が激混み。
ただでさえ人混みがキライなのに、それが船なんて最悪ですよ。逃げ場がない。
停留所が7つ目だったかな?リアルト橋で降りる頃には、もう相当にイライラしていた。

そしたら、船を下りても……普通の道も人でいっぱいだったんですよねー。
いやまあ、考えてみればリアルト橋付近は聖マルコ広場と並ぶヴェネツィアの中心部だし。
特に時間は食事時。そりゃ混みますよ、この辺は。
例えていえば、午後18時のフォーラス前の混み具合に文句を言っているようなもん。
人混みにイライラするならヴェネツィアなんか来ちゃあかんっちゅうねん。

でもイヤなものはイヤなんだもんっ。
この辺りの夜景を撮ってしばらく過ごそうと思っていたのに、そんな気分ではなくなった。
さらに軽く夕食をとるつもりだったが、何しろこの混み具合では居心地の良さそうな
静かな店を探すのも苦労しそうだ。もう、どーしろっつーんだよ。

ホテルに帰ろうかな、とも思った。直線距離ならたった6、700メートルくらい。
オペラが始まるまであと2時間もこの人混みをうろうろするのはぞっとしない。

が、ここでヴェネツィアの迷宮性へのオソレがとりつく。
直線距離では600メートルでも、入り組んだ道だから距離は少なくとも倍にはなるだろう。
迷ったら、かかる時間はさらに3倍。
そしたらホテルまで往復して1時間、何か食べて30分。
席が自由席だから早めに会場入りしていた方はいい席が取れるだろうし……
間に合うか間に合わないか微妙なところ。

結局わたしは、実に中途半端なことをしました。
その辺で量り売りのピザを買い、リアルト橋とホテルの間くらいにある教会前の広場で
暗いベンチに座って食べるという。

わびしー。季節がいい時なら全然アリだけどさあ、冬のすっかり真っ暗なところでは
あんまり楽しくありませんよ。
しかも隣のベンチには家族連れが座っていて(暗いベンチで彼らの存在は救いだったが)、
連れていた2匹の犬がわたしのピザを食べたがって。
「そりゃそーだよねー。ごめんねー」と思わず日本語で謝る。
なぜイタリアくんだりまで来て、犬に気を使いながら夜空の下でピザを食べなならん……

I ate mushroom pizza.

食べたのはキノコのピザ。まん中の茶色っぽいやつ。
……今更だが、少しずつ2種類買えばもっと楽しかったのではないか?

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さらに、わたしはヴェネツィアのトイレ事情について一言言いたい。

リアルト橋付近でトイレを探したんです。これだけ人がいるんだから、
やっぱりどこかにはトイレが必要じゃないですか。周りを見回すと、公衆トイレの案内表示がある。
ガイドブックに“案内表示から実際のトイレまではけっこう遠い”と書いてあったので、
そういうもんだとカクゴして歩いた。……ほんと遠いですね。
えーかげんにせい。と思うほど遠い。

し・か・も。
そんな思いをして辿りついたトイレは……閉まっている。

は?

入口に紙が貼ってある。曰く「18時で閉まります」。
……その時18時5分か10分過ぎ。人通りは今が佳境。

この状態で閉めてどうする!!

わたしの他に何人もが、貼り紙を見ては眉をしかめて去って行く。
コンビニもない。公共の建物もない。マクドナルドもない。
レストランならトイレはもちろんあるだろうが、わざわざその為に食べたくもない料理を
食べる気にもならない。手ごろなバールも見当たらない。
一体何を考えているのだ、ヴェネツィア当局は。

そういえば、この近くにデパートがあった。個人商店が主流のイタリアでは、
デパートというのはあまり勢力が強くないと思われるが、それでもデパートなんだから、
客が使えるトイレくらいはあるはず。

……そしたらこのデパートでほとほと呆れた。
床面積的には、うーん、多分141の半分か3分の1くらいの建物だと思うんですよ。
大きくはないが……それでも日本だったらちゃんとトイレを作りますよね?
いや、トイレがなかったわけではない。あったことはあった。
しかしそれが……1フロア当たりたった2つ!男女合わせて!しかも1つはスタッフオンリー!

ふざけるなー!と心の中で叫ぶ。

トイレの場所もひどいんだよ。ものすごくわかりにくいところにあるの。
何しろフロア地図を何度見ても見つからなかったんだから。
(多分階によってはトイレを改装して倉庫にしている所もあったと思う。)
ぐるぐるぐるぐる5、6度回って、諦めた頃にすごく地味な案内表示を発見。
あ、あったと思ったが、客用のトイレが1つという衝撃の事実。

間違っているぞ、ヴェネツィア!!

さらに、この後行ったオペラ会場であるスクオーラ・ディ・テオドーロも、
オペラの客が、最低300人、もしかしたら500人近くいるかもしれないのに
トイレの個室が男女合わせて3つしかないという……

なんなんでしょうねえ。この状況は。
意地でも余所者にはトイレを使わせないぞ!という強固な意志さえ感じる。
島だから下水道設備関連の料金が高いんだろうか?
わたしもあちこち行っているけど、ここまで不自由な状況は経験したことがない気がする。
観光地ヴェネツィア。…………………………………………絶対おかしいと思う。

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