それはもうはるかな昔から。憧れていました。
“いつかイルカと遊んでみたい”と。
でもわたしはリゾートには全く興味がない。
ハワイや小笠原諸島に行けばイルカツアーとかクジラツアーとか普通にやってるんだろうが、
いくらイルカのためでも、そっちの方へ行く予定はさらさらない。
そもそも何が問題って、現実的に、自分が水着になるということがあり得ないわー。
なので、実際にイルカと泳ぐための行動を起こしたことはなかった。
ただ「いいなー、いいなー」と夢として描いていただけ。
しかし今回、漫然とるるぶを眺めている時に、「イルカと泳ごう!」というページが。
ふーん、イルカねえ、イルカ……と思いながら見ていたところ、……え、太地町?
太地町なら、今回の旅行でも行ける範囲。値段も許容範囲。
ウェットスーツも貸してくれるんだって。ウェットスーツなら人前でも何とか着られるのではないだろうか。
こ、これは……。わたしの人生に訪れた、もしかして最初で最後のイルカと泳げるチャンスではないのか?
あとは自分が水着を着るという決断が出来るかどうかにかかっている!
――というわけで。ホテルがドルフィンリゾートなわけですよ。
ここに泊まれば、イルカのプログラムの参加費が割引になるし、何となくハードルも低くなる。
水着は部屋で着て、上に洋服を着て集合場所に行けばいいんだし。
あああっ!もう!楽しみになってきたぞ!イルカと泳げる泳げる泳げる~~~~~。
その前に多々考えなければならない問題はあったわけですが……
10年前の水着がまだ着られるのか?
わたしはひどい近眼だけど、水中ではどうするのか?
台風とか来ない?
そういう、メンドクサイ問題には極力目を背けるのがわたしのいつもの対処法なので、
水着を着てみたのが出発の2日前(パツパツだが何とか入った)、
近眼は、現地で、自分が持って行ったゴーグルに度が入ってるのを発見し何とかなり、
天気は小雨だったけれども台風は特になく。
ここまで楽しみにしていたわりに、周到な準備がどうしても出来ないMo.でした。
究極のメンドクサガリ。
そしてついに!!



アコガレのイルカが目の前に!!
四角い方のプールには小さ目のイルカが4、5頭……。インストラクターの人が、
固有名詞を全部言ってくれるんだけど、そんなに急にオボエラレナイよ。見た目の区別がまずつかないし。
上がバンドウイルカなのはわかるけど、下の方は……。ハナゴンドウ?で合ってる?

実は9:30の回はわたしの貸切で。
インストラクターさん2人に、研修生なのか陸で見守ってくれてる人が1人。
陸の人にわたしのカメラをお渡しし、写真を撮ってもらった所、
……あとで確認したら撮ってくれた写真が133枚!うれし~~~。
だが実際には、イルカの前にハードルがあった。これは結果的に、越えられないハードルだった。
それは……泳ぐこと。
だってプールに入ったのだって10年近く前ですよ。ましてや海なんか子供の時以来ですよ。
たしかに海水とは言え、イルカたちはプールのようなところで囲われているので、
プールだと思えばそう大した話でもないのかもしれないけど、
やっぱり十年ぶりに水に入って、そこが足がつかない深さだとびびります。
コワイので救命胴衣を貸してもらった。それで浮くようになったのはいいのだが……
胴体も浮くのだが、ズック靴のようなものをはいた足も別途浮く。
そうすると、後ろに向かって足が浮いて、必然的に体は前のめりになり、顔が水面につき……
……溺れる!溺れるよ!!
――そういう時はくるりと体を返してラッコ状態になるといい、とインストラクターの人が教えてくれました。
やってみると、たしかに。溺死は免れる。
……だが、結果的にずっとこの“ラッコ返り”ばっかりやってた気がする。
水に入っているうちに立ち泳ぎを思い出して、体をまっすぐに保つことが出来るようには
なったんだけど、泳ぐとなれば立ち泳ぎではなかなか進まない。
イルカを追いかけて体を伸ばすと、また足の方が浮いていき、またラッコ返り。
それをひたすら繰り返し、それだけで結構な運動量、なかなかイルカと遊ぶという余裕がない。
わたしの他にも、イルカと泳ぐことを長年の野望としている人は、日本に多分……30人くらいは
いると思いますが、出来れば現時点での水泳能力を確認してから行った方がいいと思います。
出来れば水泳の練習をしていくとベスト。
いや、自分でももちろん泳げるかっていうと泳げないだろうな、という現実は見えていたんだけど、
今回のプログラムが予想よりはるかに充実していたというか、
もっとチャチなものを予想してたんだよね。
ちょっと触って餌をあげて、少し芸を見せてもらって、泳ぐのは形ばかり、というような。
そしたらたっぷり、まさにひたすらイルカと泳ぐプログラムだった。
うん、わたしがもっと泳げればねえ……。