徳島/Tokushima:2013

8.大塚国際美術館 その2。

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ガイドさんが面白そうな人だった。
ツアー内容的に、いっぱいいっぱいらしく、
「私のツアーは大抵何人かは脱落者が出るんですよー。でも途中で抜けるのもアリですから、
無理はしないでくださいね」とか言っていた。
実際、途中は走る勢いだったもの。美術館のガイドツアーで走ったのは初めてかもしれない。
また移動距離も長いしさ。離脱者が出るのもむべなるかな。
途中2回ほどエレベーターに乗るんだけど、1回目は4、5人乗れなくて階段に回ったが、
2回目は全員が乗れた。つまり数人の離脱者がいたことと思われる。

ガイドツアー、面白かったんだけどあまり話の内容はオボエテナイ(^_^;)。
とにかく出てくるもの出てくるものに目を奪われていた。
どうするかね。山ほどある名画の名前だけ並べても、写真だけ並べても仕方ないんだけれども……
うーん。
撮って来た写真は、有名無名(無名なわけはないんだけど。まあそれほど有名じゃないという意味で)を
とりまぜて、それなりに“おっ!”と思ったからこそ撮ってきたわけで。
ただ、その“おっ!”というのはほんとに瞬間的なもので、言葉になるほどしっかりしたものでもない。

……の、だ、が。

うーんうーんうーん。まあさくっと並べていくかー。マイナーどころを主に。
写真はそこそこ撮れているし、ネットの世界で情報を載っけておくと、
いつかどこかの誰かが探している情報になりうるかもしれない。
絵なんてもなぁ、出会いのものでね。予期せぬ出会いが運命のものにもなりうると。

ガイドツアーは説明を聞くことに専念して、写真を撮るのはツアー解散後にしようと思っていたから、
写真はツアー解散後の地味な展示室から始まります。
この絵は本館の何階にあり、ジャンルはこれこれ、と系統だてて説明した方が親切だろうが、
それはめんどくさいのでパス。
絵とタイトルと、一行感想。

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中部イタリア派の画家「理想都市」

こういう風に建物だけをかっちり描いた絵は好きだ。遠近法のテキストのようですな。
なんとなくローマにあるEURを思い出す。実際行ったことはないけれども。
イタリア人の深層心理にあるのはこういう風景なんだろうか。
オランダにもこういう建物画の系譜があるよね。あっちは内部のかっちりした写生。

フェデリーコ・ダ・モンテフェルトロの書斎

壁上部は人物画、下部は寄木細工。わたしは寄木細工が好きで。
いやもう見事な出来ですよね。……わたしが見たのは実物じゃなくて陶板画だが。
でもこの再現度だと、実際に見た気になってしまう。アブナイ。
フィレンツェの貴石モザイクも好きだ。箱根の寄木細工も。

ブロンズィーノ「聖家族、聖ヨハネと聖アンナ」

そもそもブロンズィーノはアヤシゲな画風の画家なのだ!
(といっても他には「愛の寓意」しか思い出せないが)
これも画題が画題だというのに、アヤシサ全開!幼児キリストの意味ありげな表情なんて
ほんとにオマエは幼児か!とツッコミを入れたいくらいだ。

ベラスケス「キリストの磔刑」

とても普遍的な画題だが、こう写実的で、そして背景が真っ黒というのはあまりお目にかからない。
この画題がよく描かれたのは中世からルネサンス頃だろうが、たいていは他の聖人とか刑の執行者とか、
他の人物像も一緒だもんね。
こうまで劇的だとそのドラマ性が際立って、むしろ宗教性は減じる気がする。
宗教が強かったスペインでの、時代は近代に明け初めし頃のベラスケス。彼はどっちだったのか。

ムリーリョ「カナの婚礼」

この人はとてもかわいいマリア像(まるでアイドルのようなと言ってもいい)をたくさん描いた人で。
もう少しはっきりした色彩のイメージがあるが、これはだいぶふわっとしているな。
可愛さは健在だけれども。でも群像を描くイメージがなかったので意外。
ニュアンスのある光を使うイメージもなかったので意外。

スルバラン「聖ユーグの奇跡」

ああ、中央の人物のアップも撮ってくれば良かった……。この視線を見たい。
静寂。まったく動きがない、貼りつけられたような人物たち。
白が効いているなあ。何種類もある、微妙な白。

この後、相当続きます……。

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