曜変天目を目指して数十年刻苦を重ねるという陶人の姿を、何度かテレビの特集番組でやっていました。そこに出て来る人は、曜変天目を目指して十年二十年を研究にささげている人たちでした。
近年、結果を出す人が増えて来たようです。何人かの陶人が曜変天目の再現に成功しています。
現代に生まれる曜変天目。現代の陶人たち。
「“曜変天目茶碗”を作りたい!」挑戦し続ける日本の陶芸家たち
(ロゴが洒落すぎて暗号みたいになっている、ディギティーさんの記事)
この記事では9人の作家の名前が挙がっています。物故作家もいらっしゃいます。この他にももっといるでしょうし、この9人の中でも再現のどの段階にいるかはばらばらでしょう。しかしある程度曜変天目を再現出来たといえる人が複数人出現したのは重畳。
それぞれの人の作品が1個から数個、見られるサイトを探して貼っておきます。
〇長江惣吉
〇林恭助
〇水野守山
ネット上で曜変天目の画像探せず
〇土渕善亜貴
“曜変天目茶碗”の再現に挑む! 京都の窯元「陶あん」を訪ねて――JR東海HP
〇鈴木禎三
鈴木禎三展――PORT ART&DESIGN TSUYAMA「ポート アート&デザイン津山」HP
〇石黒宗麿
ネット上で曜変天目の画像探せず
〇岡部嶺男
ネット上で曜変天目の画像探せず
〇瀬戸毅己
〇桶谷寧
ネットに力を入れている方も入れてない方もいらっしゃるし、まあなんといっても画像は画像でしかないので、実際の物とはかけ離れていると思いますが。
さまざまな曜変。
ぎらぎらしたもの。渋みのあるもの。同じ曜変天目と名づけられてもそれぞれの器の印象はかなり違う。星が少ないものは、個性というより物足りなさを感じます。でもあまり派手でもそれはそれで品がないような気もし、その辺りの加減が焼き物を見る愉しさ。
曜変天目というめったにない、特異な器を比べることで陶人個々の雰囲気が少し伝わる気がしています。定点観測みたいなもの。焼き物は、同じジャンルの焼き物しか焼かない人もいれば、さまざまな種類、デザインをこなす作家もいて、なかなか同じ焼き物として見るのが難しいような気がしますが、定点観測地点から見て行くと少しとっつきやすいみたい。
焼き物も覚えればなかなか愉しい世界な気がします。骨董とまではいかなくても(骨董の良さはどうもわからん)、欲しいなと思うくらいに好きな器を見つけられるようになったら。わたしは目下のところ、好きな器と嫌いな器を分けるくらいがせいぜいで、好きな器のうちからどれか一つを選ぶことはまだ出来そうもありませんが、いずれは欲しいくらいに好きなものを選べるようになりたいですね。
自分で買うなら――ネットで見た限りでは、土渕善亜貴さんの作品が気になります。いろんなタイプがあって、ここから選べるのなら幸せ。まあ見た中で一番サイトが充実していて、写真がきれいだったからということかもしれません。
土渕さんは陶あんさんの4代目ということですが、陶あんさんでは何とか手が届くかもしれないくらいのお値段のものも豊富。楽天市場でも展開しています。すごくきれいで見ていて楽しい。
京焼 清水焼 陶あん 色絵付け 玉湯呑(白地×菖蒲 あやめ)
清水焼の華やかな絵柄のものの数が多く、すごくきれいだけれど、このくらい華やかだと飾る器になってしまうかな。普段に使うものはもう少し地味な、飽きないものの方がいいみたい。一番使う陶器といえば食器ですが、わたしが作る料理はこの清水焼のお皿には絶対に合わん。清水焼以外にもいろんなタイプの陶器を出しています。
せっかくだったら手に持って選びたいですけどね、器は。
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