前回、前々回と仙台から熊野三山を廻るルートを検討してみました。
2泊3日でも物理的に不可能ではないけど、若干無理をするし、やっぱり3泊4日で行きたいですね。
熊野本宮大社だけに行けばいい場合。
「最低限、熊野本宮大社周辺だけでもいいんだけど」と言われました。
個人的には、せっかくここまで行くのならば熊野三山を廻らなければもったいないと思うのですが、本宮大社へ行ければ気が済むらしい。なので、一応本宮大社のみの旅程も考えてみましょう。
……しかし正直、熊野本宮大社だけでいいんだったらハードルはほとんどないといっていい。むしろ時間を持て余して、あまり温泉でのんびりという余裕のある旅行をしたことがないamairoとしては、どこで時間をつぶすかということに頭を使うことになりそう。でもがんばって、素直に熊野本宮付近だけに行く場合のスケジュールを考えてみます。
とはいえ、選ぶべき道が自ずと決まるシンプルな日程。
もうこれはね、素直に考えて全然迷わない。
仙台ー関空ー紀伊田辺ー本宮大社。
これしかない。
関空へ11:30着、12:30頃関空を出てJRで紀伊田辺。紀伊田辺を龍神バスで14:50発、わたらせ温泉バス停へ16:47着。
ピーチ航空4000円~10000円、関空ー紀伊田辺4000円。バスは2000円。
……ここまでは決まりなんですけど、やはり宿に悩みますね。全然悩まないと言ったはずなのにアレですが。
本宮大社付近には一人旅に手ごろな宿が少ない。
わたらせ温泉をおすすめするけれども、時期によっては高い……。今検索したら春頃は20000円です。わたしの中で宿代に20000円をかけるという選択肢はない。
その他に適当な宿がないかと探すと、……なかなかないんですよねえ、これが。熊野本宮大社直近の宿は小規模の民宿だし、近いといえる温泉処はわたらせ温泉の他に川瀬温泉、湯の峰温泉とあるのですが、求めるものぴったり!というところが見当たらない。
金額の高さ・バストイレ無し・設備の古さのうち、1つないし2つを我慢しなければならないようです。
紀伊田辺や白浜辺りの宿泊施設が豊富なところで泊まる手もありますが、紀伊田辺ー本宮間がバスで2時間かかることを考えると、時間の上手な使い方とは言い難い。やっぱり本宮大社に特化した2泊3日でも熊野は苦労するようです。
普段から1ヶ月に1回くらい宿泊予約サイトをチェックして、宿代が安くなるタイミングを見計らうという努力をすべきかもしれません。
ともあれ、何とか宿を見つけたとして。
1日目は夕方早いうちに宿に着く日程なので、ゆっくり温泉を堪能しましょう。だからわたらせ温泉に泊まりたいんですよね。ここは日本最大の露天風呂を売りとするところで、その他に貸切風呂や本館の大浴場などもあり、特に温泉に興味がないわたしでさえ4つの温泉に入ってしまったところですから。
ちなみにわたらせ温泉付近にはコンビニや食べもの屋さんなどはありません。では1泊朝食付のプランでどうしたのかというと、夕食は大食堂で周りの方々が宿の夕飯付きの食事をなさっているなか、一品料理を食べて来ました。幸いなことに一品料理も出してくれる。
この日はなぜか鰻丼がものすごく食べたかった。ないかもなーと思いながらメニューを見たら、あって嬉しかった。しかも当時は(2014年)1000円。安い。美味しくいただきました。
こちらは日帰り入浴もやっており、なんだったらお昼ごはんもそこに付随する軽食処で食べられます。実はわたしが宿に着いた14時過ぎにお昼ごはんを食べたのはこちらでした。親子丼。650円。
夜ご飯を食べて、温泉を堪能して1日目を終わります。
2日目は本宮大社・熊野古道を堪能。
この日は朝から熊野古道。
わたらせ温泉なら熊野古道への送迎バスを出してくれているはずです。時間は要事前確認。けっこう混む可能性があるので注意。団体さんと一緒になると満杯かも。
万が一その送迎がない場合は8:06発の龍神バスで発心門王子へ向かいましょう。少々朝が早いので朝風呂が楽しめないのが残念ですが。
それでなければ9:30発のバスで本宮大社で一旦おりて、バスを乗り換えて発心門王子へ行くことも出来ます。これならわたらせ温泉おすすめの朝がゆの朝食もゆっくり楽しめ、朝湯も可能。
しかし本宮大社の乗り換えには30分ほど時間があります。その間に本宮大社を見てしまうというのもありですが、少しせわしい気がするので、門前町をさらっと見るくらいでいいんじゃないでしょうか。
10:25に発心門王子に着いて歩き始め、本宮大社まで2時間半歩きます。2時間半歩けばかなりですよ。わたしはもっと距離が短い伏拝から本宮大社まで約1時間半歩きましたが、それで十分だったもの。熊野古道の雰囲気だけ味わえば良い方は、伏拝ー本宮大社間がおすすめです。
このラインはバス通りな気がする。もう少し南の山の中を歩くのが熊野古道。
13:00に本宮大社に着いて、裏側から大社の敷地に入ってお参りし。参道の長い石段を下りる方向だけで済むのに感謝をし。門前の、いくつかある飲食処のどこかでお昼を食べ。
それから大斎原へ行きましょう。元々本宮大社があった場所で、すごく雰囲気のいいところです。ここはぜひ。そして熊野川の河原へ出てぼーっとする。この辺りが熊野という聖地であることを感じる清浄な場所。ツアーではまず行かないところなので、ここもぜひ。
わたらせ温泉では本宮大社までの送迎をしてくれるはずです。事前確認要。もし送迎してくれるなら、わたらせ温泉に15時頃まで戻れるタイミングで迎えに来てもらい、預けておいた荷物をピックアップし、15:17のバスに乗り、紀伊田辺へ向かう。
2時間バスに乗り、紀伊田辺着。温泉にこだわるなら紀伊田辺からJRで白浜へ移動し、白浜温泉泊まりという手もありますが、もう17:00過ぎだし駅近の手ごろな宿は紀伊田辺の方が多そうなので、紀伊田辺のビジネスホテルでいいでしょう。決して豊富ではないけれどもお安めの宿が選べます。
歩き疲れた1日をゆっくり過ごす。紀伊田辺泊まり。
温泉が大好きな人なら、連泊して温泉を楽しむのもありなのか?宿泊費が高い時期じゃなければ。その場合、3日目の10:30に宿を出る無料送迎バスで白浜まで送ってくれるので、2000円のバス代が浮くということはありますけれども。
ただその場合、観光はほとんどできなくなって、とれとれ市場でご飯を食べるくらい。
じゃあ那智大社にも行けちゃうんじゃないの?
そして最終日の3日目は午前中にどこぞを観光して、夕方関空を発って仙台へ。
……でもこの半日があるんなら、本宮から紀伊田辺へ出ずに新宮へ出て、熊野速玉大社と那智大社へ行くのも十分ありなんじゃないかなあ。
どっちもとなるとたしかに忙しくはなるけど無理ではない。どっちかだったら全然無理ではない。那智大社はいいところだったので、せっかく行くなら行った方がいいと思うし、2日目の夜に新宮から紀伊勝浦にJRで来て泊まっておけば、紀伊勝浦駅を13:46に出る特急で関空に向かえばいいわけですから、朝早起きして8時頃から動ければ那智山も余裕。
まあ改めて来て、速玉大社と那智大社をゆっくり心穏やかに回る、という選択肢もありますけど。
そちらに行かないのなら、3日目午前中の観光は、白浜の海岸沿いの景勝地ととれとれ市場、串本の無量寺に行って長沢芦雪の襖絵を鑑賞、太地町でイルカへ餌やり体験、和歌山市で和歌山ラーメンと和歌山城、道成寺で仏像見学。……のいずれか一つ、または二つ。わたしの思いつくのはこのくらい。
2泊3日、本宮大社のみのプラン。
観光場所を本宮だけに絞るというある意味贅沢なプランも、そのプランを組むメリットは、そんなには見当たらないかもしれませんねー。
旅程がシンプルになるのは若干のメリット。時間を持て余すかもしれないのが若干のデメリット。温泉でゆっくり出来る時間があるのは温泉好きの人にとってはメリットでしょう。
でも2泊3日なら、わたしなら新宮と紀伊勝浦に泊まって熊野三山を廻っちゃうかなー。貧乏性なので。やはりせっかく来たのなら熊野三山を廻りたい。旅費も3泊4日とは宿代くらいしか変わらないと思いますね。
行こう!と思わなければ行けない熊野。行こうと思った時が行き時です。
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