駅から夫婦岩へは1キロあまり。のんびり歩いていきました。
いやー、この道がねー。ものすごく宿場町!だった。宿場町とは違うのかな。避暑地というか、遊興地?昔のリゾート地?ほんとに道沿いが現役旅館と、昔は旅館だったんだろうなーという旅館的な建物でいっぱい。こんなにたくさんの宿がひしめいていて、往時は賑わっていたんだろうなあ。季節柄多少寂しく見えるとはいえ、現在も営業中なところも多く、さすが全国的な観光地。旅情を感じる。
賓日館。
そのうち、海沿いへ出ました。
まーそれはそれは――寒いですよ!
街道を歩いていた時は建物に遮られて風はそこまでではなかったが、海に出たら遮るものはないですからね!ビュンビュン風が吹きつけて来る。伊良湖岬も寒かったが、二見浦も寒かった。少し浜に出てこの写真を撮ったけど、風の冷たさに全速力で逃げ帰る。
逃げ帰った先には、こんな建物がありました。
賓日館。漢字をいつも忘れてしまうが来賓の「賓」ですね。どうも宝の旧字体「寶」と勘違いしてしまう。ひらがなだと「ひんじつかん」ですな。伊勢神宮への賓客の参拝・宿泊施設として明治20年に建てられたものらしいです。3カ月で建ったんだって。すごい。
ここ夫婦岩よりも期待していた。建築が好きなので。とはいえここまで規模がでかい建物だとは思ってませんでした。広間も広く、部屋数も多く、調度も凝っていて「やー、すごいねえ」と何度も言った。
そしてこの季節は雛飾り。
雛飾りは段で飾るのが一般的ですが、こういう風に平面に飾るのもありですねえ。だいぶハードルが下がる。毎年たくさんお雛様を飾る施設の方には参考になるかもしれません。面積があることが条件ですが。お琴も「ご自由にお弾きください」形式で置いてありました。触って来た。どう弾くのかは正直不明だが面白かった。
もうねー。いろんなタイプの人形が勢ぞろいしていて。お雛様だけではなく、いろいろな。全部で200体。いや、300体。もっとあったかも。これだけあれば食傷しそうなものですが、飾り方がお上手なのか、かなり興味が持続しました。物も良かったのかもしれない。でもこういうのは疲れない程度にさらりと見て吉かもしれません。
庭も。
1時間以上滞在しました。広かったからねー。満足しました。
あ、そうそう。ここにも「蘇民将来」のしめ飾りが。
なんかこの文字、とても呪文的。エキゾチックな気がする。
夫婦岩。
賓日館を出て、御福餅本舗のカフェを横目に見ながら通り過ぎる。食べたいけどー、……時間もないしね。現在15:30。せわしい感じになる。言い訳かもしれない。
二見興玉神社が近くなるとさすがに人が増えました。当然、ここへは車で来る人が多いんですよね。わたしのように駅から風の中を歩いて来る人は珍しい。
しかし人が増えても――引き続き風は冷たいです!!
下手な場所にいると波しぶきがかかります。こんな寒いなか、波をかぶったら死んでしまう!
夫婦岩です。…………以上!帰る!
神社自体は長くても10分くらいだったんじゃないでしょうか。ここには季節のいい時に行くことをおすすめします。まあその頃は混むだろうから、わたしはこの時期で良かったんだけど。
海から離れて、街道の方へ入ると風も当たらなくなり正気に戻りました。再び古の宿場町を感じつつ歩く。
伊勢内宮のおはらい町も宿場町、門前町だったでしょうけれど、雰囲気はだいぶ変わります。こちらはほんとに宿の連続。おはらい町がお土産屋さんなどが多かったのに対して、とにかく宿が多い。もう営業は止めた気配の元宿も、塀の向こうに見える松の姿に往時の宿屋を感じる。
二見浦駅に戻りました。すぐ来る電車はなく、20分くらい待ったはず。でも駅の中で座って待てるから全然平気。風のないところならどこでも。16:35の電車が来て、10分ほどで伊勢市駅へ着きます。近くていいですね。
伊勢の愛される店たち。
伊勢市駅から宿の方向へ歩いて来て。でも宿には帰りません。宿をすぎたところにあるお店で晩御飯を食べるつもりでした。
伊勢市には、3つのソウルフードがあるそうです。
まんぷく食堂の「からあげ丼」。
喫茶モリの「モリスパ」。
キッチンクックの「ドライカツカレー」。
これに餃子の美鈴の「餃子」を加えて4つと数える意見もあるそう。
……なんかソウルフードって言われると食べたくなりますよね。高い料理が美味しいのは当たり前。「ソウルフード」は安くて美味くてボリュームがあり、地元の人に愛されている料理のことですから。
この3つのお店、宿から全部近かったんですよ。なので、全部行くつもりでいました。まずは、この日の気分でキッチンクックのドライカレー。
わたしは正直なところ好き嫌いが多く。チャーハンとかピラフは基本好きではない。多分外で注文したことは一度もありません。……どうだろう。あるかもしれないが。
ドライカレーも普段視界に入らないメニューです。普通のドライカレーだったら、いくらソウルフードでも惹かれなかっただろうが、こちらのドライカレーが一味違うのはドライカツカレーの上からさらにルーをかけるところ。これならカレー味のカツカレー(?)じゃないですか!行ってみましょう。
と、その前に。
伊勢市駅からキッチンクックへ向かっていたところ、ふと見ると「ぱんじゅう」の松やさんが!やってる!今日休みだと思ったのに!わーい、買って行こう~♪
ぱんじゅうとは……一番シンプルに表現すると、ちいさめで丸っこい大判焼きです。正確にはいろいろ違うのかもしれませんけれど。皮は薄目。
お店も小さく。もう少し和菓子屋さんとか団子屋さんっぽい雰囲気なのかと思ってましたが、どちらかというとたこ焼き屋さんとかのイメージ。中に入るとすぐレジで、脇に狭い待合室がありました。
中のあんには、こしあん・つぶあん・カスタードの3種類があったので、わたしはこしあんとカスタードを2個?3個?ずつ。(←忘れた)たしか宿に帰ってから1個ずつ食べて、残りは翌日の朝ごはんにした模様。
待合室にはサラリーマンと中学生が隣り合って待っている。ふふふ。なんか微笑ましいなあ。わたしの後にはもう一人サラリーマンが来て、会社の人の分も注文している。会社に電話して、誰が何味がいいか訊いている。いいなあ。ほのぼの。心が温かくなる。
注文してから焼いたということで、10分ほど待ちました。すぐ食べれば良かったが、ひとまずおいて、キッチンクックに向かいます。
キッチンクックさんは昔ながらのお店。ほぼ夕方の開店直後に入店したはずでしたがすでに先客がありました。カウンターに座り、もう注文は決まっています。ドライカツカレー。たくさんは食べられないので量は少なめで。
このカツカレーねー。味も美味しいんだけど、香りがものすごくいいんですよ!炒めている時の食欲をそそる香り!印象的です。うれしいなあ。美味しかった。ごちそうさま。満足してお店を出ます。
あとは宿へ帰って、ぱんじゅうを食べて。ぱんじゅうは食べられないと思っていたからうれしい。本日も満足な一日。……歩きすぎて腰はバキバキですが。