別府駅前から改めて鉄輪温泉に行く路線バスに乗ってヤレヤレ、と思いましたが、途中で杉乃井ホテルの建物が目に入る。あれ?
たしかにホテルは相当高台ではあるけれど、坂を降りればこの路線バスのバス停があったじゃないか。それで交通手段はありません、と言われたのは若干納得が出来ない。坂を降りればバス停があるってことを教えてくれたら良かったのになあ。
でも、たしかに旅行者と地元民の感覚って違うんですよね。わたしは旅行者としては1キロは徒歩圏内だと思いますが、地元民として道を訊かれたら「遠いですよ」と言うもの。
たしか台湾の台南市で、安平古城(安平古堡)から赤嵌城へ行きたかった時に、路線バスに「赤嵌城の最寄で降ろして」と言って乗ろうとしたら、運転手さんが「このバスは赤嵌城へは行かない」と言って、なかなか乗せてくれようとしなかったことがありました。いや。だってわたしこの路線バスに来る時も乗ってるから。どこ通るかわかってるから。最寄で降ろしてもらえばそこから歩くから。せいぜい6、700メートルしかないじゃない。
でも運転手さんは言葉が通じてないと思って、誠心誠意「このバスは行かないよ」と伝えようとしてくれているんです。最終的には他の乗客の人が通訳してくれてバスには乗れ、降りる時には「サンキュー」と言って笑顔で別れたんですが……「歩ける距離」って、個人でも違うし、地域でも違うものです。
そんな思い出話をしているうちに海地獄に到着。
そういえば、地獄蒸しがあった!
海地獄のバス停で降りて14:50でした。観光時間としてはだいぶ遅い感じです。でもまだお客さんは大勢いますね。
入場チケットを買おうとして、傍らの小さなお店に気づく。
あ!ここ!るるぶに載ってたところだ!行かないだろうと思っていたので、場所はチェックしてなかったけど。鉄輪温泉名物「地獄蒸し」、普通に食べに行ったら2000円前後のようなので特に行こうと思わなかったが、ここの点心セットだと500円。わーい、ここで食べるー!
考えてみれば、アリランが休みだったので別府冷麺を食いはぐれており、その後はスギノイパレス大冒険で、昼ご飯を食べてなかったのでした。もう15時じゃないですか。いくら朝ごはんを食べたのが10時だと言ってもお腹が空きます。いいものが見つかって良かった!
可愛いね。きれいだね。そして味は美味しかった。……地獄蒸し特有の何かは感じなかったわけですが、美味しければいいのだ。
地獄蒸し。「こびり」というお店でした。出店というか売店な雰囲気。店の前には3つ4つテーブルがあります。この時間はソフトクリームなど食べている方が多い時間帯でした。
海地獄。
入ってすぐのところに睡蓮の花が咲いてます。これは熱帯性睡蓮なんだって。多分この池、あったかいんだよね?
見た所は普通の池であり庭。
そして、海地獄です。
湯気が出ているだけのところを見て何が面白いんだろう。
と思いながら見に行ったのですが、これがけっこう……面白かったよ。やっぱり来てみるもんだなあ。
人間は大自然の活動を見るのが好きってことなんでしょうか。もくもくもくもく、と力強く湧いてくる湯気を見てるだけで笑えて来るというか、笑顔になる。へー、ほー、と言いながら写真をガシャガシャ撮りました。
さっき食べたばかりですが、ここでも地獄蒸しのゆで卵(100円)を食べました。お土産屋さんには観光客がいっぱいいます。
こっちが観光案内所の人が教えてくれた赤い地獄。海地獄に比べて大きさはだいぶ小さいです。
この他に足湯もあり、ちょっと浸かってきました。海に浸かったり、温泉に浸かったり、忙しい。あ、別府駅に着いた時には駅前の手湯にも浸かったんだった。
16時過ぎに海地獄を出ます。だいたい1時間くらいいました。意外に長く海地獄を見てた。
海地獄からみゆき坂を下ると鉄輪温泉の中心部、バス停の方へ行けるそうです。なるほど、この道の両側に地獄が集まっていて地獄めぐりなのね。別府駅には地獄めぐりコースというのもあったので行きにくい場所にあるのかと思っていましたが、そうでもないのか?
海地獄が多分一番高いところなので、海地獄まではバスで行って、あとはみゆき坂を歩いて、興味に従って地獄に入るというのが良さそうです。あ、でも地獄は全部で7つあるそうで、みゆき坂近辺は5つみたい。血の池地獄と竜巻地獄は離れているようですね。この辺にどう行くのかへ未確認。わたしは海地獄を見て満足しました。
みゆき坂をゆるゆると下って鉄輪温泉の中心のバス停へ。そこからさらに坂をちょっと下ってみて、地獄蒸し工房のあたりまで行って引き返します。もう夕方だし、特にお店も開いてないでしょう。別府へ帰ろう。
16:40、バスに乗って鉄輪を去ります。
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