チェコ・9月5日

21.チェスキー・ブディヨヴィツェへ。

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電車に揺られて4時間半。ブルノからチェスキー・ブディヨヴィツェへ。
しかし直線距離で150キロそこそこ、線路を辿ってもせいぜい200キロ程度のはずの
この2都市間で、なぜ4時間半もかかるかね?

文句を言うくらいなら長距離バスの方が時間的にも早いし、値段も安いのだが、
……ワタクシほんのちょっとだけ鉄子(=鉄道マニアの女性形)の気がありますので、
一ヶ所くらい電車に乗りたかったんだい。
4時間半電車に乗っていること自体は全く苦にならない。昔、仙台―京都間を
青春18きっぷで移動したこともありますし。
まあさすがに今はやる気にはなりませんが。

ブルノからの電車は少々古い。コンパートメント(一部屋が6席?)なのだが、
座席シートが相当くたびれている。それはそれで味があるけど。
あまり混んでいなかったらしく、目的地に着くまでコンパートメントを独占出来た。

車外はこんな風景。

Landscape from train.

日本の田園風景も和みますが、外国の牧草地風景もなかなかだと思います。
のーんびり。

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13:50、チェスケー・ブディヨヴィツェ着。

ホテルに行かずに、すぐバスに乗ってフルボカー城へ向かおうと思っていた。
この日も移動+移動のせわしい一日。こういう計画を立ててはイケマセン。

Bus terminal.

駅のすぐ前にあるショッピングモールの屋上がバスプールになっている。
そういうスタイルのバスプールには遭遇したことがなかったので、
最初はどこから入るのかわからなかった。
ショッピングモールの中に入って、エスカレーターを使って行くそうです。

3階?に着くと、たしかにガラスの向こうにはいくつもバス停が並んでいる。
案内所があり、ここで荷物を預けられるらしい。荷物を預け、係のおねーさんに
「フルボカー城へ行きたいんだけど……」と訊いてみる。
すると「今バスが出るところだよ!」と言われ、慌てて教えられた番号のバス停に走る。
バス停に停まっていたバスに飛び乗り、――しかし目的地の確認を忘れてはいけない。
フルボカー城行き?と訊いてみる。頷く運転手さんからチケットを買い、
フルボカー城に着いたら教えてくれるよう頼んで一安心。

すごい。チェスケー・ブディヨヴィツェの駅へ着いてからバスに乗るまで、
10分しか経っていない。驚異的な乗り換えの速さ。なんと運がいいのだ。

――しかしこの“運の良さ”が裏目に出るとは、この時のわたしは知らなかった……

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フルボカー城。

Hliboka Castle.

作り物っぽい雰囲気が漂うのは、19世紀の改装時に、当時の持ち主である
シュヴァルツェンベルグさん(さん付けで呼んでみたが、貴族。公爵らしい)が、
自分のお気に入りのイギリス・ウィンザー城のデザインを真似っこしたかららしい。
参考にしたウィンザー城のデザインがいつのものなのか、正確な所はわからないが
ガイドブックにチューダー・ゴシック様式と書いてあるので、
おそらく15世紀のデザインを19世紀に再現することになったのだと思う。
そのせいで、やっぱり違和感があるんですね。
まあちょっと真白すぎるのか。

このフルボカー城&ウィンザー城に関しては、ちょっと楽しいことがあった。

この日の夜、イギリスの友達にメールをした。
「フルボカー城に行きました。ここってウィンザー城に影響されたデザインらしいんだけど、
そう見えますか?」とフルボカー城の写メ付きで。
そしたらしばらくして返ってきた返事に、
「さあ、どうでしょう。あなたはどう思います?」とあり、
それに貼付されていたのが、まさにウィンザー城の画像。
よくまあそんなぴったりな画像があったことよ。タイミングの良さにしばしウケました。

Winsor Castle, John send me this photo.

どうでしょう?似てますか?

内部を見学するためには、有料のガイドツアーに参加しなければならない。
しかも事前情報とは違い、英語ツアーもオーディオツアーも行ってないとのこと。
自分のペースで歩けた方が基本的には楽しいんだけどなー。
でも自由見学不可なのでしょうがない。チェコ語のツアーに申し込む。

ツアーまでの時間が30分あったので、すかさずブルノの朝市で買ったリンゴを取り出す。
この時点で15時過ぎ。これが昼食です。
旅行の時はどうしてもスケジュールが優先なので、タイトな日程だと食事時間が
不規則になっていかんね。

あとはお城の写真を撮ったり絵はがきを買ったり。

Courtyard.

右の壁にちょこちょこ並んでいるのは、鹿のハンティング・トロフィーをモチーフにした装飾。
フルボカーは「深い森」という意味だそうなので、元々は狩猟の館として建てられたのかと思ったが、
そういうことは特にパンフレットには書いてなかった。
鹿の首が並んでいる壁というのは少々無気味ですな。

Doorknob.Curious.

ナニコレ?な感じですが、おそらくドアノブ。
当時の城主がトルコ人との戦争に行き、その戦功を記念してデザインしたものらしい。
この見事につるつるの人はトルコ人で、鳥に頭をつっつかれているんですね。
しかし微妙に不可思議なデザインだ……
一瞬、鳥に毛づくろいでもされているような状態を想像する。
苦悩の表情というよりは、マッサージでも受けているような穏やかさではないですか。

そうそう、お城の前の庭で結婚式をしていました。

Wedding ceremony in the garden.

写真は、このくらいの遠景なら許されるかなー?
ロケーションはロマンチックで最高だろうけど、この天候でこの時間だと、
花嫁さんはかなり寒いのではないかと思います。
他2組が結婚式(か、あるいは写真撮影か)を行っていた。人気スポットなんですね。

そのうち城内見学のガイドツアーが始まる。
チェコ語なんだけど、希望者には各国語の説明カードが貸し出され、それを見ながら進む。
しかしわたしが英語を1ページ読み終わるのと、チェコ語の説明では
基本的にチェコ語の説明の方が短いので、全部は読めない。
見学が終わって出てくる所の売店で日本語のガイドブックを見つけた。
それを買って読みながら回った方が良かったかもしれないなあ。

内部は主に木製素材の、こってりとした内装。
ずーっと改築・改装が継続されていたようなので、いつの時代のものかはわからないが、
わたしの印象では中世風。見ごたえがあるので、フルボカー城へ行くのならば
ガイドツアーには参加した方がいいと思う。

ちなみに内部は写真撮影不可のため写真はナシ。

……ここまでは良かったんです。ここまでは。
この日、この後は苦難(?)の連続。

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