“写真メインでサクサク”と言っていたのに、やっぱり言葉数が多くなる。
スタイルというのはそうそう変えられないものですね。
7時半にホテルを出発。何をそう勤勉に早起きしているかというと、
今日最初の目的地である伏見稲荷は、年中無休24時間営業(何しろ神社だから)なので、
いつ行っても開いている=早くから動けば時間を有効に使える、からです。
何せ今回の旅行は行きたい場所がたくさんあるので……
Fushimi-inari-shrine.
日本全国のお稲荷さんの大元締。たしかその筈。
Fox as a messenger from Shinto Kami.http://en.wikipedia.org/wiki/Shinto
心なしかお使い狐も凛々しい。
千本鳥居が有名です。朝早いご利益で、朝の光に鳥居の朱色が映えて美しい。
山をずっと廻る参拝道があり、そこにびっしりと鳥居が建てられている。
……だが、ここでの出来事はやはりサルでしょう。
伏見稲荷があるのは稲荷山で、その名の通り、山です。
まあ全山巡るのはイヤだけど、半分くらいまでは行こうか……と登っていく。
途中「サルが出た」という会話を小耳にはさむ。
サルかー。遠くから見ている分にはカワイイで済むが、近くにいたら若干ヤバイな。
けっこう凶暴だしなあ。
そしたらいるんだよねー。人間が通る階段のど真ん中に。
うーん。こういう時、怖がると調子に乗って襲って来るというし、どうするのが正しい態度なのか。
心を決めかねたまま近づいて行ったら、最初はわたしに飛びかかって来ました。
振り払ったらすぐ離れた。
しかしその後、一匹がKちゃんの足首にしがみつき……どうやらわたしを敵、
Kを味方と認識したらしく、怖がってKから離れようとしないの。
人間様を甘く見るな!と強気に出たい気持ちは多少あったけれど、
素手で立ち向かうのはコワイ上にKの足を人質に取られている。どないせいっちゅうねん。
今から思えば、誘拐犯を包囲してなす術もなく歯がみする警官の心境でした。
Kも冷静な人だから、ぎゃーぎゃー騒いだりはしないんだけど、
……まあとにかくおサルさまのご気分が収まるのを待つしかないわけで。
わりあい長く感じたが、5分くらいのことだったのだろうか。
なんというかサルと人間の精神的な葛藤の末、ようやく離れた。
あとから来たカップルが「大丈夫ですか?」とかいいながら、
半分気の毒、半分おかしい、というような風情で写メを撮っており、
サルが去った後「あ、しまった、シャッターチャンスだったな」とわたしが言ったところ、
「送りますか?」と言われた。送ってもらえば良かったかな。いい記念とは言えないが。
そういう艱難辛苦を乗り越えて辿りついた展望台から見下ろした京都市街がこれ。
View from Inari-hill.
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次に向かうのは泉涌寺。
多分歩けば1キロくらいと見たが、稲荷神社内もそこそこ歩いたし、先も長いしでタクシー利用。
正解だったと思う。泉涌寺の寺域内に入ったらからがやたらと長かったんだもの。
最初の門からタクシーを降りた所までで1キロ弱あったかもしれない。
Sen-nyu-ji temple.
ここは楊貴妃観音を目当てに。
思ったよりも見応えがあり堪能して来たが、惜しむらくは安置してある場所がちょっと遠い……
もう少し近くから見せてくれないか。
宝物館も、小さいながらも俊●(草冠の下ににんべんと乃)像とか、
目を引くブツがあった。……が、正直もう、どんなんだったか忘れている。
次に向かったのは東福寺。歩いてすぐ。……のはずなのだが、すぐじゃなかった。
地元民じゃないワタシは、東福寺がどれほど紅葉の名所か知らなかった。
朝のニュースにも映っていたし、紅葉の名所なんだろうーなー、とは思っていたが。
東福寺周辺からしてもう混んでいる。この混み具合だと中は相当にヤバそうだ。
参道を、それでもゆっくり人波は進んで行くが、――橋の手前でついに止まる。
ううっ。人混みはキライなのだ。しかも、何この逃げ出せないシチュエーション。
どっとストレスがたまる。
実は混んでいるのは、入口部分の臥雲橋から見た通天橋のアングルが
紅葉のベストスポットとされているからで、写真を撮ろうとする人がたくさんいるせいだった。
いや、ワタシはここまで押し合いへしあいしてまで写真を撮らなくてもいいのだが……
でも貧乏性のゆえ、せっかく並んだことを考えると素通りすることも出来ず。
パチリと一枚。ちょっとボケとるが。
Tsuuten-hashi-bridge in Touhfuku-ji temple.
橋を通り過ぎると、何とか行列は解消した。……でも混んでるけどね。果てしなく。
見て、手前の人の頭の多さを。建物はなんだったかな、禅堂?あれ、経蔵だっけかな?
もう紅葉どころじゃないっちゅうねん。
実は東福寺へ来た目的は、紅葉もそうなんだけど、庭なのであった。
Gardens in Toufuku-ji temple.
作庭家、重森三玲作。
特に市松模様の庭は大変楽しみにしていたのだけれども、
……何しろ人の多さにすでにヤられているので、庭の鑑賞どころではない。
外よりはマシだとはいえ、庭だってけっこうな人の多さだしねー。
はいはい、見た見た、という感じでした。人が少ない時に行くべきですね。真冬とか。
敷地内にある別な塔頭である霊雲院も庭がいいと看板に書いてあったので寄ってみる。
Gardens in Ryou-un-in Temple.
こちらは人も少なめ。多少は息がつけた。
もうとにかく紅葉から逃げよう。JR東福寺駅に向かう。