最後の日は(といっても2日しかないが)まず、上野寛永寺。
……しかし上野寛永寺って……もっと広大な敷地のはずですよね?
すっごい狭かったんですけど。わたしが行ったここは、一体なんだったんだろう。
ははあ。なるほど。根本中堂だけだったんですな。そして根本中堂と他の堂塔はけっこう離れていると。
独立性が高い配置のようだ。根本中堂だけしかないように見えてしまった。
道路をもっと奥へ歩けば、将軍廟所とかあったんだね。
不忍の池の弁天堂だけは通ったな。
上野東照宮とか清水観音堂とか、また次に行った時ちゃんと見てきましょう。
そして東京国立博物館ですな。
10年ぶりくらいなのかなあ……。20年くらい前に初めて来た時は、
「これが帝都の第一博物館か?」というしょぼい展示しかなかった。
その当時、大英とかヴァチカンとかすでに見ていたので、彼我の歴史的な国力の差というものを感じたが、
それ以降、だいぶがんばって展示品を充実させてきましたね。いろんな別館を建てて、規模も広げた。
表慶館ではブルガリのエキシビをやっていたが、……入場料が高いので入らなかった。
キンキンキラキラの宝石を押し合いへし合い見るのは、「トプカプ宮殿展」で懲りてる。
グランドジュエリーの世界も決して嫌いではないが。もちろん縁はないけど(^_^;)。
わたしは今回、東京国立博物館の東洋館を熱心に見たんです。
別に最初からそう思って行ったわけではなく、本館の前にちょっと寄ろうと思ったら、
ここが予想以上になかなか見応えがあって。そこまでの大物はあまりないけど、中粒の佳品が多かった。
見応えと共に、中の雰囲気が大層良かったんですな。
何しろ人がいない。作りとか展示物の内容とかを考えれば、勿体ないほど人がいない。
そしてこの人の少なさが、わたしの大好きなヴィクトリア&アルバートミュージアム(ロンドン)を
彷彿とさせる。雰囲気はだいぶ違うけど。
良い物が集まっていて規模も大きければ観光客が集まり、混むのは仕方ないんだけど、
V&Aは、何しろ名だたるミュージアムが軒を連ねるロンドンにある。
だいたいの観光客は大英博物館に行き、ナショナルギャラリーに行き、それで終わってしまう。
もちろんちゃんと見ようとすれば、一つだけでも一日はかかる巨大ミュージアム。
V&Aは、規模としてはそれらに充分比肩する、いやむしろ凌駕するかもしれない
巨大なミュージアムなんですけどねえ。
展示物がまあ……レベルとしては一段落ちる。落ちるとまでは言わないでいいかもしれないけど、
工芸品や家具、小彫刻などがメインなので「これ!」という大物があんまりないんだよね。
しかしそれがゆえにいつ行っても適度に空いてて。他人を気にせずに見られる。
地味だけど、じっくり見るとけっこう面白いものも多くて。
ロンドンに滞在した3ヶ月間は学生パスが使えたのでたしか無料?何度も通った。
たしか当時は無料が多かったロンドンで、ここは正規料金はがっつり取るミュージアムだった気がする。
そういうなつかしいV&Aを思い出させる東洋館。
「観音菩薩立像」。中国。585年。
周りのライティングもけっこう素敵でしょ。
「阿弥陀三尊壁龕」。中国・唐時代。
「十一面観音龕」中国・唐時代。
少し馴染みを感じるかもね、この顔だと。
美男のバタ臭い顔の仏像は全てガンダーラなのである。
「菩薩立像」ちとおっさん体型なのが惜しいが……
エジプトのセクメト女神。対に作るのが好きなお国柄かもしれない。
こういうの作って神殿の入口の左右に置いたんだろうけど、日本だとまったく同じ神仏ってのは少ない気がする。
神社だって仁王像は阿形吽形と左右非対称だし、右大臣左大臣が入っていたり、狛犬も阿吽がある。
左右対称を好むオリエント、ヨーロッパ、非対称を好む東洋という図式はあるかな。
中国がどうなんだろうなあ。中国は対称への嗜好がありそうな気がするが。
そして突然五目焼きそば。
意外に東洋館で時間を食っているので、1階と2階を見た辺りでお腹空いちゃったの。
11:30に東洋館のはじっこに入っているホテルオークラ経営のレストラン「ゆりの木」へ。
東洋館には人がいないのに、ここにはけっこう人が来始めている。
小耳に挟んだ店員とお客さんの会話では、毎週くらいにここにお昼を食べにくる人が多いみたい。
そういう人は大抵高齢者で……上品な口ぶりのちょっとこじゃれた格好をしたおばあさんだったりして、
地元にはあんまりいない人種。と思った。
そういう人はわたしと行動範囲が普段重ならないと言うことか?
五目焼きそばを食べおわって、デザートが食べたくなってモンブランを追加。
この組み合わせもどうかと思うが、飲み物を頼まなかったわたしに、ウェイトレスのおねーさんが
番茶を持って来て下さる。さすがオークラ。正直大変ありがたい。
ケーキを水で食べるというのはマズシイ感じ。そもそもわかってはいるんだが、実際にマズシイから。
東洋館、もっと続くのでここで一旦止めますか。ちょっと切り悪いが。
写真をちゃっちゃとあげていくだけのつもりが、語り出すと長いからなかなか終りが来ない。