謎の野良ニワトリ。
高知城を堪能し、今は15時過ぎ。ホテルへ帰るには時間も早いので、上町周辺でも散策しましょうか。
高知城下まで、高知城の西側の道を下りて来たと思うんですよ。で、多分高知県庁と市役所の間の道を通ったと思うんですが、
なんだこのニワトリは!
背後の柵はニワトリ小屋の柵とかでなく、駐車場と道路を隔てている柵だったはずだから、道を歩いているわたしとニワトリには何の隔てもなく、ニワトリはどこでも好きなところへ行ける感じです。たしか雄鶏と雌鶏と二羽だったかなあ。三羽だったかなあ。なぜ県庁の駐車場に野良ニワトリがいるのか。しかもこんなに立派な。あ、土佐って闘鶏が盛んなところでしたっけか。それと関係あるかな?
ギリシャで野良ガメも見たことがあります。あの時もけっこう驚いたが、日本の県庁で野良ニワトリというのもなかなかのインパクト。
ところで「たっすいがは、いかん!」って何?
町のあちこちで目についたんですけどね。
ものすごくたくさん見る。高知弁なんだろうなあとは思うが、意味は全く推測出来ない。たっすいが。やっすいが。安っぽいのはいかん?うーん。
検索したら解説ページがいくつも出ました。
このページはけっこう面白いので載せておきます。←言い回しをパクッています。
あー!ソースがないけれども、やっぱり酒量は高知県が日本でダントツじゃないか!道理でひろめ広場も昼間から飲む人が多かったはずだ。
こういう土地柄ではやはりお酒にもドラマがありますね。うんうん。面白いですね。たっすいがは、いかんのか。ふふふ。地域ならではの言い回し。地元民にも他県民にも訴求する、いいコピーだ。
……とはいえ、実はわたしはお酒は飲めません。なのでキリンだろうがアサヒだろうが、司牡丹だろうが、菊水だろうが縁がない。アイルランドへ行ってもギネスも飲めず、トスカーナへ行ってもワインも飲めず、土佐に行っても日本酒も飲めない。なんて野暮な話であろうか。
謎が解けたところで先へ進みましょう。
龍馬の生まれたまち記念館
せっかく乗り放題のMY遊バスのチケットがあるので、市電で二駅乗って上町一丁目電停へ。
ところで、MY遊バスのチケットを買った時にくれるパンフレットは見やすくていいですよ。そんなに詳しくない。ゆるめの情報量がむしろわかりやすい。ゆるめとはいってもバス停とか時刻表とか、電停路線図とかちゃんと載っているし。
龍馬の生まれたまち記念館も大変新しい施設でした。高知の施設はみんな新しい。あ、そうか。大河で「龍馬伝」をやった、それに合わせて(それで入って来たお金で?)建てたのかな。「龍馬伝 幕末志士社中」なんかは完全に大河の置き土産だしなあ。
新しい施設なので展示にも工夫がこらされています。ここで面白かったのは2Fへ上ったところにある「バーチャル4面シアター」。3~4メートル四方くらいの真っ白な小部屋に入ると、タイムスリップして龍馬の少年時代と青年時代の話の説明が視聴出来ます。4面に映すから、たとえば昔の上町のシーンになると、見ているこっちも上町にいる気分。
とはいえ、CG作画がだいぶほのぼので……端的にいえばだいぶ稚拙な感じ。20年前のコンピューターゲームの画面みたいでした。
「竹刀握れてないやん!」「そこ、倒れてないやん!」とツッコミどころは満載。しかしそこが味だと言えないこともない。高精細の画面で限りなくリアルに近づけるよりも対費用効果は高いというものだろう。
見物人が参加出来る部分がストーリーのなかで数か所あり、たとえば道場の師範と手合わせをするところなど、「見ている君たちも鳴子を鳴らして(←小部屋に入る前に鳴子を持って行くよう書かれている)龍馬を応援してくれ!」と言われ、一定の音量を出すと龍馬の方が勝つというシステムらしいのだが、……いかんせんその時見ていたのはわたし一人ですからね。必死で鳴子を鳴らしても届かず。龍馬は勝てませんでした。
(その教訓を活かして青年編を見る時には鳴子を両手に一個ずつ持って一所懸命鳴らしたのだが、それでもダメでした。)
わたしははるか昔に、「CGがもっと進んだらカルナック大神殿を体験(バーチャルリアリティという言葉はその頃まだない)出来るような時代も来るだろうか」と思ったことがあるが、そういう時代になってきましたねえ。
その他に凝った展示といえば、ほぼ等身大で当時の街並みを再現しているもの。村上豊の絵も(宮部みゆきの時代小説の挿絵なんかでおなじみですね)いい味です。模型や地図もちょっと変わった見せ方をしていて工夫されている。
再現された離れの中には龍馬さんと乙女さんが。こういうところに蝋人形を置く是非は意見のわかれるところだろう……。
坂本龍馬は可愛い弟。
あんまりお客さんはいなかったけど、ここの展示は、高知の人たちの龍馬への愛がよくわかるところでした。偉大さよりも可愛げをフィーチャーしている。そもそも乙女目線でナレーションが入るので、それに影響されて龍馬のことが「可愛い弟」に思えてきます。
坂本龍馬は全国的に人気だし、テレビで特集番組を組む時も「時代を先取りしたすごいヤツ」という扱いですが、わたしはこの男は可愛げと山っ気の人だったと思います。まあ山っ気だけで薩長同盟は組めないですけどね。腰の軽さと臨機応変なところが武器。だからドラマの演出で、下手に大物感を出されてしまうとちょっと違和感が。
坂本龍馬が殺されずに生き延びていたら、明治維新以降はおそらく政治の世界には関わらずに貿易の仕事を始めたと予想。といって、財閥の創始者になるといった安定性は感じないので、一時は儲けて、あとは悠々自適かあるいは零落するか。
ああ、でも生きてたら、西郷隆盛と新政府との間の調整は一所懸命やっただろうなあ。結果的に西郷が死ぬことはなかったと思う。
手紙が多数残っており、ここで展示されているものはみんな可愛いです。手紙というより、感触はむしろメール。口語的でリアルタイム的。
あとは上町近辺を歩いて帰ります。
16:30に龍馬の生まれたまち記念館を出ます。ここは工夫のある、良い施設だったけど……一つ注文をつけたい。
まち歩きの地図は作りましょうよ。
「土佐っ歩」という主催のガイドウォークを推している兼ね合いもあるのかもしれないが、この辺のガイドマップがあるか訊いたところ、ないんだって。いやー、ここが出さずにどこが出す。
ガイドウォークはそもそもそういう形式を好まない人もいるし、午前午後1回ずつの日程は合わせるのが難しい人だっているし、2時間3キロも歩きたくない人だっていますよ。さくっと歩く人は自分で歩く、じっくり話を聞きながら歩きたい人はガイドウォークに参加する、でいいんじゃないかねえ。
ここまで工夫した施設を作っているのにも関わらず、マップがない。ちょっと残念に思いました。
マップもないということで、秋葉神社と……秋葉神社って特筆すべき小さな神社!
ってこれ、単に灯籠ではないのか……。
生誕地の碑だけ見て帰りました。ちょっと画竜点睛を欠いた。
文旦ジュースと玉子サンド。
17:00、ホテル帰着。ウェルカムドリンクが1Fのカフェでサービスされて、それに気になっていた玉子サンドもひとかけ付いてくる。
文旦ジュース(←やはり土地物で攻めたい。)と玉子サンド。
玉子サンド美味しかった。でも油断して食べると、中の玉子がつるんと外に飛び出します。マヨネーズ注意。
結局お腹が空いてなかったので、この玉子サンドが夜ご飯になりました。夜、出直してひろめ市場に行くつもりだったのですが。まあ腹八分目推奨。昼の唐揚げとコロッケ半分も途中で食べてるし。
今日はそこまで詰め込んだスケジュールではなかったはずですが、少々バテております。やっぱり昨日の移動が堪えているか。
効率を考えて予定を組んだけど、自分の体力を考えるのを忘れたかも。うーん、困った。とりあえず別府までは、あんまりのんびり出来るポイントがない日程なんだよなあ。果たして体力が続くでしょうか。旅はまだやっと2日目終了です。
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