7日目です。
この日は寝坊しました。8:00にアラームで起きて、昨日の残りのデリカキッチンを食べ、ゆるゆると9:00頃ホテルを出る。旅行の時くらいゆっくり寝て……という考え方もありますが、旅行の時だからこそ早く起きて機会損失しないように朝から動くという考え方もあります。今日は本当は1時間くらい前にホテルを出るつもりでした。
遅くなったからどうしようかとも思ったのですが、ホテルから名古屋駅まで歩く。町は歩かないと自分の物にならない。といいつつ、大通りをまっすぐ歩いただけなので、そんなに面白いものは目に入らなかった。横道細道が面白いんですけどね、街歩きは。
おそらく堀川沿いの、……梅?梅にしては樹が相当大きいし、花がびっしりな気がするけど。でも桜の季節じゃないし、樹の形も違うしなあ。梅?ほんとに梅?
名古屋駅って3つあるの!?
うかつでしたが、この時気づきました。名古屋って私鉄が2つあるんですか!それまで気づいてなかった。
名鉄。近鉄。JR。アブナイ。地元には私鉄という存在がないからなあ。まさか私鉄が2つもあるなんて思わないよ。
なるほど。ナナちゃんは名鉄の方なんですね。でもわたし、この人の名前、メイちゃんだと思ってしまいますよ。だって名鉄だし。
今日は名鉄に乗って明治村です。
二度目の明治村。
明治村は名古屋からわりと遠い。いや、いうほど遠くはないかもしれないけれど、近いと思っているからこそ遠い。
名鉄名古屋駅から名鉄犬山駅まで30分。690円。30分に対して690円というのが割高ー。私鉄ってJRより安いイメージがあるんですけどどうですか?
そこから明治村まではバスで20分。500円。これも割(以下略)。合計片道1190円。
明治村へ着いたのは10:55でした。ほんとは開園時間の10:00に来ようと思ったのですが。何しろ広いからこの日一日で見終わるのか不安なのよねー。この部分が最後どう出るか。
紙の地図を覗き込みながら周ります。こういうのは紙の地図一択ですねー。こんなのスマホの地図で見てたら非効率極まりない。一瞥で情報が取れるのは大事なことです。スマホの地図はそれが出来ない。
明治村は何しろきれいな建物をきれいな状態で残してくれているので、どこを撮っても絵になります。写真は113枚になりました。それも比較的いい写真。だが100枚並べても仕方ないので、涙を呑んで何枚か。全体ではなくて思い入れの深いものをあげます。
聖ヨハネ教会。前にも来た。
西郷従道邸。前にも来たのを覚えている。洋館の邸宅はたくさんあるんだけれども、これが印象に残っているのは、西郷従道(西郷隆盛の弟で、明治期には警視総監)という武張った印象の人物のお邸にしてはかなり可愛らしい造型だったから。以前と比べて建物がだいぶ傷みましたね…
中もなかなかちゃんと残してあるようです。さすがに食器は別かな?
漱石の書斎。いや、もっと散らかっていたはずだ。
夏目漱石の猫の体で。ヤツはこんなにカワイイ感じじゃなかった気がするぞ。
多分、東山梨郡役所。手前の人物はおそらく「明治偉人隊」という役者のみなさん。さっき地図を見ていたら、「大丈夫ですこと?」と声をかけてもらった。その直前にどこかで公演のビデオをちらっと見ていたので、「あ、あの人たちだ!」とどぎまぎしちゃった。福澤諭吉、松井須磨子、瀧廉太郎、津田梅子に扮しているそうです。
名古屋衛戍病院。漢字が得意なはずのamairoでも読めませんが、「えいじゅつ」と読むらしいよ。意味は「陸軍の駐屯」らしい。陸軍病院と理解していいのか?このガラスの窓が並ぶ開放感を褒めればいいのか、夏暑く冬寒くて入院患者は大丈夫か、と心配した方がいいのか、悩むところですね。
宇治山田郵便局舎。地方都市の郵便局としてデザイン性が高いね。この時代は丁寧に作っていたんだなあ。
途中、園内に何ヶ所かあるレストランのうち「浪漫亭」さんで、オムライスを食べました。オムライス美味しかったけど、写真がいまいち映えなかったので省略。
ただねー。この昼食を食べ終わった段階で14:00なんですよ。園内は1丁目から5丁目までに分かれていて、最初は入口から1丁目、2丁目と丁寧に見て来たけど、……このまま行くと確実に時間切れ。なので3丁目4丁目を飛ばして、一番大物が多い5丁目を先に見ることにしました。
5丁目の2大スター。
明治村でわずかしか時間がないなら、わたしは5丁目をおすすめします。理由は、明治村の2大スター建築があるから。
その1つは、聖ザビエル天主堂。
いや。これはわたしの撮った写真がぱっとしないだけで、実物はもっといいですからね!
内部はきれいに撮れた。
明治12年に京都市内に建てられたそうです。木造とはいえデザインは本格的。そして木造だからこそ、独特の味がありますよねー。白い漆喰と柱の組合せは、当時の日本建築でも使われていただろうけど、当時の人の目からすればこの大きさの建築として見るのは斬新だったのではないだろうか。
このステンドグラスを通した光が、虹色に輝くのが好き。
もう1つは、これは有名。帝国ホテル中央玄関。フランク・ロイド・ライト設計。
玄関というと書割みたいなものを想像しますが、けっこう建築として成立している規模。歩き回れて、中には喫茶コーナーもあります。そりゃ元の帝国ホテル本体と比べたら一部なんだろうけど。
光と影の建築。
しかし細部を見てみるとさー。……なんでアメリカ人のライトが日本のホテルでこういうデザインを採用するのか、不思議に思う。ライトの通常営業なのかもしれないが、外国で建てる建物は現地の雰囲気などには影響を受けないもんかね?(現地の雰囲気を必ず反映するべき!という主張ではなく、そうなるのが自然では?という疑問)
むしろ幾何学的になったインド。とか東南アジアの濃密さを感じませんか。とにかく重厚というか、単に重厚なだけではなく濃密というか――密林の暑苦しさを感じる。……そしてこんな細っかくというかみっちりぎっしり作っていたら、そりゃ金かかるわ。いくらなんでも。建築費がかかりすぎてクビになったのもむべなるかな。
まあ今ではライト建築人気なので、作ってもらっていて良かったもんではありますね。
建築は使い勝手が一番。メンテナンスの低廉性が二番。三番が建築初期コストの妥当性。四番がデザイン。五番目にコンセプト。現代建築はコンセプトしか売りがないから困る。
5丁目の建築では内閣文庫も良かったですね。
これは外国に持って行っても違和感のない本格的なデザインだと思うんですが、どうですか?
どこに持っていくかというと……フランスですか?1、2階を貫くオーダー。三角破風。フランス新古典主義でどうだ!
――ルネサンス様式だそうです。……まあルネサンスも古典様式だからいいか。あたらずといえども遠からず。
この建物の中には、世界の有名な建物のミニチュア作品が飾ってありまして。何十個とかあった気がする。たしか色付けしてなかったから地味だけど、見てて楽しかった。こんなはじっこまで来る人はなかなかいないので実際に見た人は少ないんじゃないかなあ。ちょっともったいない。
ジオラマ感がある風景。手前のレンガの門は金沢監獄。右奥の廃墟?的な建物は川崎銀行本店(部分)。関東大震災で崩れたんだそう。良く残しましたね。
明治村はもう少し続きますが、少し長くなったかと思うので一端ここで切りますー。