アヴィニョンに戻って、すぐ隣町のヴィルヌーヴ・レザヴィニョンへ。
そこから見るアヴィニョンがとてもきれいだとガイドブックに書いてあったので。
しかし、どーでもいいが町の名前が長くてオボエられない。
ヴィルヌーヴ(新しい村)・レザヴィニョン(アヴィニョン近辺の)という意味で、
わざわざレザヴィニョンとついているのは、フランスの中の、アヴィニョンの近くじゃないところに
また別のヴィルヌーヴという地名があるから。
町の歴史は、法王や取り巻きの貴族たちがその風光明媚な場所柄を愛で、
別荘を建てまくったことで始まると説明されれば、なるほどと頷けるのだが、
……ワタシ、長いカタカナって記憶に定着出来ないんです。
なので、韓流スターの名前なんか何度聞いても覚えられません。
ヴィルヌーヴ・レザヴィニョンに関しては、ジュヌヴィエーヴとごっちゃになるのも大きいかな。
え?ジュヌヴィエーヴとは何かって?
やだなあ、怪盗ルパンの娘ですよ。……あれ?一般的じゃないですか?
ヴィルヌーヴ行きのバスは11番のバス停から出ると書いてあったが
ふと横を見ると、12番のバス停に停まっているバスがヴィルヌーヴ行き。
フランスのバスはこれだから……と内心ブツブツ言いつつ、運転手さんに
「ヴィルヌーヴ?」と訊くと、ウィ、かなんか言って。
チケットは乗車時に運転手さんから買う。
フランス語で値段を言われてもわからなかったので、わからないって顔をしたら、
運転手さんは察し良く、実際のコインを手のひらに載せて見せてくれた。
だが、裏返っていて数字部分が見えなかったため、手を伸ばしてコインを表返す(?)と、
……それがなぜか運転手さんのツボにはまったらしく、
「うわっはっは!」とオオウケ。
え?そこってそんなにウケるところですか?まあ、いいんですけど。
あ、そうそう。しかしこのバス、目的地に着くのにえらく時間がかかった。
ガイドブックだと10分程度と書いてあるのに、おそらく30分前後乗っていたのではないか。
思うに、きっと12番からのバスは外回りというか、ヴィルヌーブの中心地まで
遠回りして行くバスなんだよね。住宅地をずいぶん長いこと走ったもの。
例えていえば、動物園に行く時に、八木山橋を回るか霊屋橋を通るかという違い。
最終的に目的地に着けば問題ないとはいえ、バスが方向を変えるたびに
「ああ、おうちがだんだん遠くなる……」と内心ドキドキしてました。
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目的地はヴィルヌーヴのサンタンドレ要塞。

Fort St,Andre in Villeneuve-lez-Avignon.
動いているバスからなので、写真は上手く撮れなかったけど、
遠くからその佇まいを見た時、ああ、と心をうたれた。
あの場所はきっとわたしの場所になる。
運転手さんは親切で(というよりプロヴァンスの人たちは概ね、とても人当たりがいい!)
わたしが降りるべきバス停をちゃんと教えてくれる。
広場(駐車場?)では骨董市開催中。
しかし目の前に見えている要塞へ行くのに、……道はどっちだ。

こういうの、それはそれは何度も経験してることなんですけれども。
地図上の、点と線で見る限り、とてもシンプルな道筋の場合でも、
こういう広場のような平面が間に入ると、または敷地の広大な美術館なりが目的地だと。
意外にてこずるもんなんですよね。
ガイドブックの地図って「美術館はここです」というのは教えてくれるけど、
入口がどこなのかは教えてくれないじゃないですか。
そうすると、右の道を行けばすぐチケット売り場だったのに、左の道を行ったばかりに
チケット売り場まで敷地を4分の3周することになる、とかそういう話。
この広場だって、多分要塞まで直接上がって行く道があるんだろうけど、
地図にはそんな道は書いてない。普通の道路を回って行くと、すごい遠回りじゃないだろうか。
こういう時のためにツーリスト・インフォメーションはあるのだ。
実はこの広場の片隅に、ヴィルヌーヴのツーリスト・インフォメーションがあるのを
ガイドブックで見て知っていたので、そこに向かう。……だが閉まっている。ええ~。
まあ結局、間もなく見つけたんですけどね。「要塞はこちら」というちっちゃい案内板を。
でも往々にしてこういう案内板は、探してる時には見つからないもんなんです。
今回は(比較的)ラッキーだった。
すみません、少し冗長になりますが、この道を通って行く間に、
ほんのちょっと気に入った写真が撮れたので上げておきます。





I found this plate on the door of the common house along a narrow street.
Why does the resident put this phrase on the door?
このドアの何が肝かというと、上部についている小さなプレート。
「CARPE DIEM」とは、直訳で「その日を摘め」、意訳で「今を楽しめ」という意味の
ラテン語なのです。
入口にこんな標語を掲げている人物は、一体どんな人なのだろう。
とても気になったのだが、さすがにずっと張りこみするわけにもいかないし、
突撃訪問をするのもまずかろうし、後ろ髪をひかれつつその場所を去る。