徳島/Tokushima:2013

9.大塚国際美術館 その3。

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サージェント「ヴィッカーズ家の娘たち」

前にNHK「美の饗宴」で、この人の「マダムX」を取り上げていた。その時に初めて知った。
主に肖像を描いた人らしい。「マダムX」もこれも、人物が意志的に(というよりむしろ挑戦的に)
感じられる。人物を表現しようと描いたというより、自分の描きたい人物にモデルをより
近づけていった、という気がする。ドラマティックではあるが……

マックス・エルンスト「雨上がりのヨーロッパ」

これは、デカルコマニーという技法で描かれた絵だそうだ。
雨上がりのヨーロッパというより……この廃墟感・ジャングル感は、SF終末小説の表紙絵になりそうだ。
暑っ苦しい密度。

パブロ・ピカソ「自画像」

説明によれば、ピカソは自画像を史上最も多く描いた画家だそうだが、
……そういわれて浮かんで来るピカソの自画像って一枚もない。あれ?
この絵も初見だし。まあこの人の絵で自画像を描かれても、自画像だと気付くのは多分なかなかムズカシイ。

ポール・デルヴォー「ローマへの道」

これは「おっ」と思った絵。ポール・デルヴォーなる人は初見。
結局、この美術館で一番印象的だったのはこの絵かなあ。
不吉な浮遊感。死者の国のようだ。死と結びついた官能性。
建物なんかはファンタスティックと言えるほどに可愛く描かれているというのに。
夜、家から漏れる光は、普通はほっとさせるものであるはずだが、
この絵ではあまりにも弱々しく、救いにもならない。

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モイーズ・キスリング「イングリッドの肖像」

これも印象的。初見だし。イメージはマレーネ・ディートリッヒ。
これとデルヴォーはもう大塚国際美術館と強固に結びついてしまった。本物じゃないというのに……。

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