福島市の巻/2023

1.4年ぶりの旅は、福島への日帰り旅行でした。

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2019年の初夏以来、久しぶりの旅。その間にいろいろなことがあった。

去年の初夏には那須高原に1泊したが、わたしが思う「旅」ではなかった。がっつり観光はしたけれども。那須ステンドグラス美術館、藤城清治美術館、那須の殺生石。

◎那須ステンドグラス美術館は、イギリスでした。

わたしの旅には公共交通機関の利用が不可欠だと思う。公共交通機関を使うことで、地元の空気を感じ、風景を眺められる。この景色を朝晩に見ている人がいる。ここで生まれた人。ここで育った人。そういう感慨を持って景色を見ることが出来る。

 

最初は阿武隈急行に乗りに行こうと思っていました。

本当は、そのうち阿武隈急行でのんびりと福島市へ行こうと思っていたんです。

◎仙台から阿武隈急行に乗りに行くとしたら。ルート検討会ですよー。

そのうちのつもりだった。5月後半か、6月か。なんだったら秋になってからでもいい。第一日曜日が安いチケットの販売日だから、6月第一日曜日あたりがいいかも。5月1日だとGWまっただなかで阿武隈急行自体はそこまで混まないだろうけど、なにかと人が多いだろうからね。

だがそんなことを言ってられない情報に出会う。

ほほー、大阪市立美術館コレクションの展覧会をやるのかー。良さそうだけど、大阪までは遠いなあ。……え?なに?福島県立美術館で大阪市立美術館コレクション展をやるの?うーん、けっこういい日本画が来そうだなあ。日本画のいいヤツって、仙台あたりだとなかなか見る機会がないのよね。

……もしかしてこれは、見に行けというカミサマのお導きか?

もともと福島に行こうという心づもりはあったのだから、福島県立美術館に行くのにやぶさかではない。しかしそうすると会期が……。5月21日までだから6月には終わっているし、会期終盤はおおむね混むし、その前はGWだし、これは意外にとっとと行動しないと間に合わなくなるパターン。

行こう。万難を排して。

――万難を排しはするが、費用は安い方がいい。阿武隈急行は第一日曜日は一日全線乗り放題で600円だが、他に安くなる日はあったっけ?

阿武隈急行「あぶ急トクだねきっぷ」。

調べてみたら「9のつく日は900円」というお得チケットがありました。名前は「あぶ急トクだねきっぷ」。

うん。これでもまあまあ。でもこの特別券をどこで買っていいかがわからない。阿武隈急行の始点(というより終点)である槻木駅には阿武隈急行の窓口はないっぽい。列車内に乗務員がいる場合は乗務員から買えるらしいけど、いない場合はどうするの?窓口設置駅(福島・保原・梁川・丸森・角田)で降りないと買えないの?そこまでの切符は別に買わなければいけないの?

この件を阿武隈急行にメールで訊いてみました。わからないことは素直に訊いた方が話が早い。

ANSWER:お降りになる駅が有人駅の場合はその駅でお買い求め下さい。
お降りになる駅が無人駅の場合は、車内で乗務員よりお買い求め下さい。
なお、お求めになりました駅までの運賃は請求しませんのでご安心ください。(要約)

――なるほど。乗務員とは運転手さんのことなのか?とか、槻木駅で乗りこむ時は切符はどうするの?とか細かい疑問が浮かぶが、この文面からすると何とかなるっぽい。なることにしよう。

 

早起き出来たよ!

5:50に目が覚めました。目覚ましかけてなかったのに。起きられた時間から行動しようと思ってたので、これはいい時間。とっとと身支度して6:30に家出。

今回の始発駅は長町にしました。朝ごはんをあすと長町のマクドナルドで食べようかと思ったので。本当はココスの朝食バイキング――旅の楽しみの10%は朝食バイキングで出来ています――に行きたかったけど、この日は平日。長町のココスは土日祝したバイキングをやってないんですよね。

が、長町駅前の駐車場に車を停めたら、マクドナルドまで行くのが面倒になった。まあヨイ。長町駅にはパン屋さんもカフェもある。そっちで食べよう。……と思ったらパン屋さんはtekuteながまち(←駅内商業施設)に入っているから10時開店、その外にあるカフェも7:00開店。7:06の電車に乗りたかったので、朝ごはんは駅内のコンビニで買いました。

買ったのは、ほやおにぎりとミニスコーン。

ご当地感のあるおにぎりが3種類ほど並んでおり、一番食指が動いたほやおにぎりにしました。特別に個性的な味というわけじゃないけど、貝系の味ごはんのおにぎりで美味しかったです。ミニスコーンは袋菓子のクッキー様のもので、本当はもう少し量を食べたかったけど、非常食として少し残しておける袋菓子は必要かと思った。

この選択が後にわたしを救います。←おおげさ。

 

電車だ。旅だ。

わたしが電車に乗るのは旅をする時。だから、その気になって、見知らぬ土地のつもりで周辺を見渡す。何の変哲もない長町駅の看板も撮ってみたりして。長町駅のベンチに座っておにぎりを食べてから電車に乗り込む。まずは阿武隈急行始点(終点)の槻木駅へ向かう。電車代は330円。

まだ7時すぎだから、電車内にも人は少なめ。椅子に座れる程度の混み具合。朝の電車といえば通勤の人と学生たちで込み合っているイメージがあった。

太子堂。南仙台。名取。館腰。岩沼。槻木。24分で、旅情を堪能する時間もなく槻木駅到着。あっという間です。

槻木駅に着いて、すぐ隣のホームに阿武隈急行が停まっていたんだけど、JRの切符をどうしたらいいかわからなくて駅舎の改札まで訊きに行った。そしたらそこでJRの切符は回収され、改札から出ないままホームへ戻り阿武隈急行に乗りこむ。

乗り換えの時間が5分くらいしかなかったから槻木で改札から出る選択肢はなかった。が、槻木から阿武隈急行に乗るとしてホームへ行きたい場合、お得きっぷを買うつもりなら、改札はどうやって通るんだろう?というのは解決しなかった疑問。

まあ今回は問題なく。電車は何事もなく槻木駅を出て、25分で丸森駅へ到着。

丸森駅にて。

槻木駅からなら梁川駅直通の電車と丸森で乗り換えの電車は半々くらいだけど、わたしの乗った電車は丸森駅止まり。一旦丸森駅で降りる。

実は乗った電車はラッピング車両だったんですねー。

 

 

 

何かというとアニメキャラに頼る近年の風潮が目につくが、それはまあヨイ。集客努力は大事。これは「政宗ダテニクル」という自治体主導の地元振興作品らしいですよ。伊達市制作。

調べてみたところyoutubeに6話までがありました。

 

最近そこそこなレベルのご当地アニメ作品が作られてるんですねー。前にどこだかの源為朝のアニメも見たことがあって感心したものだが。

この作品にもけっこう有名な声優が参加してますよ。2年ほど前、劇場版もあった様子。近くに住んでても知らないものですね。……隣県でも知らないことに、PRが上手く行ってない現実があるわけだが。せっかく作品を作るんだからうまくPRをして周知して欲しい。

丸森駅の窓口で「あぶ急トクだねきっぷ」を無事購入。電車は25分後に出るので、駅から少し外に出てみる。

 

天気のいい日。駅が丸森の中心部にないことは知っていたけど、思ったよりもかなり住宅地。駅から100メートルほどのところによろずやさんがある以外は、駅の真ん前はアパート、民家、そして小さな畑。

その小さな畑の真ん中に猫が来ていた。黒白のぶち猫。わたしが口笛を吹くと、警戒して伏せてしまい、そのままこちらを見つめながらじっとしている。ごめんごめん、と驚かせたことを謝ったが伏せたまま。5メートルほども距離があるのに最大級の警戒。

よろずやさんまでぶらぶら歩く。小さな街路樹の通りがあり、植えられた白いハナミズキの花が満開。光を浴びてきらきらと輝く。春だ。

 

 

ほんの100メートルを行って帰って来て、駅舎内の掲示物を見て歩く。いかにもローカルな温かみ。あ、それとレンタサイクルが7台ありました。

 

無料ですってよ、奥さん。(アンケート記入あり。)

それから予約乗合タクシー「あし丸くん」なるものもあるらしい。これは、駅と街なかの拠点の何ヶ所かを結ぶもので……って、これは居住者向けのサービスか。利用するには登録が必要みたい。観光客向けではないっぽい。

レンタサイクルは使えるなあ。電車で来て、レンタサイクルを借りて丸森を観光すると堪能出来るかも。

梁川駅へ。

丸森駅出てからはトンネルの連続で電車はかなり揺れる。揺れるだけならそんなに気にならないが、トンネルに入るたびにキーッと音がするのには閉口した。少しうるさい。トンネルは10ヶ所以上は続くのではないか。まあこれも旅情ではある。トンネルの切れ目では並行して走る阿武隈川が見える。電車からの川の眺めは電車旅の醍醐味。

梁川駅の待ち合わせは3分。だが、なかなか来るところでもないので、乗る電車を1本遅らせて、梁川を30分強観光する。

丸森よりは少し大きな駅。近くに大きめで新しい梁川支所の建物がある以外は、郊外型の町並み。イメージとはだいぶ違う。もっと古い町だと思っていた。駅前に区画工事完成の碑があったが、それは二十数年前のこと。区画整理をすると便利にはなるのだろうが、味わいは消えるね。

駅のそばにどう見ても「しまむら」のような佇まいの建物があり、しかしそこはファミレスらしい。ファミレス~?と覗くと、大きな建物の一部分をカフェコーナーにしているようだ。メニューが豊富でお安く、気になったが9時過ぎのこの時点では開店まで1時間ある。

少し歩いたが、その先にはドラッグストアやコンビニなど、郊外型の道路が続くだけのようなので、分くらい歩いた後引き返した。ここもハナミズキの街路樹が見事で、白と紅の花が美しい。一番見頃の時期に出会った。

福島への電車はピンク色。これはおそらくご当地名物である桃を意識しているのであろうと推測する。

 

梁川駅発9:21の電車に乗ると福島駅に9:52着。約30分しか乗れない。わたしの気分としては阿武隈急行に乗って、少々飽きるくらいに電車に乗り続けるつもりでいたのだが、槻木、丸森、梁川、福島と小刻みな乗り継ぎがあるせいであっという間だった。

ちなみに梁川から福島までの間の電車は、それまでとは各段に乗り心地が良かった。新幹線か?と思うくらい。ガタガタの電車も旅情があって嫌いじゃないけど、その後に新しい電車に乗るとその楽さ加減にびっくりする。

 

福島駅到着。

9:52、福島駅着。長町駅を7:06に出て3回乗り継ぎをして2時間半強。あ、梁川で1本電車を送らせているから、この時間に福島に着くためには長町を7:50に出る電車で間に合ったらしい。JRを使えば新幹線で30分、東北本線でも1時間半。

でも移動を愉しむのが旅だし。阿武隈急行に乗りに来たんだから満足。むしろ乗り換えでしか降車出来なかったのが微妙に残念だった。

さて。これからまずは福島駅周辺の観光を。そのためにはまず観光案内所へ行きましょう。きっと町歩きマップなどがあるはずです。

 

 

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