伊勢へ観光に来た人でも、徴古館とか美術館に行く人は多分少なめ。ですよね?一日で外宮内容、おはらい町、おかげ横丁を回るのが一般的で、それ以上滞在する人はそんなにはいないでしょう。わたしは2日いるので、この午後はミュージアム巡りに当てます。
ところで、お昼にまんぷく食堂を出た後。……わたしはどうやって徴古館まで来たんでしたっけ?
どうも記憶にない。バスに乗ったんだったか?歩いたんだったか?この距離なら歩いたと思うんだけど、左側の倭姫宮へ行ってから徴古館へ回ったのよね。そうなると南側からのアプローチになり、けっこう遠回りしたことになる。こんなん遠回りしましたっけ?
でも県道37号線と22号線の辺りで迷った記憶はうっすらあるんだよなー。ここ、メモがきれいさっぱり抜けてしまってる。うーんうーん。……まあヨイ。大した問題ではない。
最初は倭姫宮へ行きました。
ここが一番誰もいなくて。でも一人二人とはすれ違ったかな?
静かな参道でした。
やっぱり神社の作りはこの感じ。ここは建て替えをする古殿地の方が手前にある状態。
あ、そうか。多分ここまで歩いてますね。ここから徴古館へ行こうとして、ダイレクトな道があったからほっとした記憶があるもの。長い参道をまた戻るのが嫌だったんです。けっこう歩いて疲れてたんですよね。
そして徴古館。
建築的に立派。今調べたところ、設計者は東宮御所(赤坂離宮)を設計した片山東熊だそうです。あそこもいつかは行きたいところ。でも東宮御所のせいで、片山東熊は、こういってはなんだが、身の丈に合ってないしっかりしすぎた西洋建築を建てる建築家というイメージ。しっかりしているのはいいんだが、――お金がかかるのよ。
中に入ってからわかったが、外観よりも内観はどちらかといえばシンプルで、そこまでお金はかけてないっぽい。でも石材って部分でそれなりだとは思いますが。
内容は――実はそんなにちゃんと見てない……。集中力がいまいち続かなかった。午前中に斎宮博物館に行ってるし、次に美術館を控えてどうも作業的に見てしまいました。展示物がたくさんあるのもあり、一つ一つじっくりという気持ちになれなかったんですよね。……言い訳が多いな。
中はけっこう広いです。でもわたしが見たのは流れで30分くらいかなあ。
神宮美術館。
わりと期待していた神宮美術館。きれいな日本画がありそうな気がしたから。
が、すみません、こちらもあんまり……。きれいな日本画もあったけれども、すこーし期待よりも小粒だったな。それと意外に外国人による絵が多くて、これはどういった経緯でここに……?と疑問に思っていると、純粋に鑑賞する方向に頭が行かない。
ここにある作品は作家が奉納するものだと思っていて、それは間違ってないだろう。が、絵のテーマ自体が、孤独感を表す(モダンな)ものだったりして、それはこの美術館に向いてるだろうか?と感じた。日本画だと花鳥風月を描いてたらなんでもしっくり来ると思うし、洋画でも日本人ならば神宮美術館に奉納したいという気持ちになるのはわかるが、外国人画家はどういった心情でここに収めたのだろう。謎。所有者が寄付するということもあるかな?
絵だけではなく、工芸品も染織もありました。全体的にもう少し数があっても良かったかな……。
ここで印象的だったのは、庭の桜。
真冬に咲く桜が可愛いですね。
せんぐう館へ、しかし……
神宮美術館もだいたい30分くらいでした。14:40に出てバスで駅まで帰ります。この後は外宮で行き残していたせんぐう館と、その近くの月夜見宮へ行くので多少気が急いていたが、この時間にバスに乗れたことで安心した。もうこっちのもんです。せんぐう館は16:30までだし、ということは16:00まで入ればいいんでしょ?
で、15:00くらいに駅に着いたわけですよ。余裕をかまして駅でお土産(?)を買う。鳥羽でも伊勢でもお土産品としておすすめされた、「ブランカのシェル・レーヌ」。シェル型のマドレーヌです。自分の朝ごはんとして2個買う。宿の人も大好きだって言っていたし、彼女の分も1個季節限定の奴、買って行こう。
そして、先に月夜見宮に行くことにする。バスで降りたところが、月夜見宮寄りだったんですよね。で、まあ例によって同じ形をした月夜見宮もあっさり詣でてですね。さて最後にせんぐう館、と思った時に……
――せんぐう館まで迷いようのない道な筈なのに、迷った。
ナンデヤ!なんで外宮参道を通り過ぎてる?1キロもないところで。何度か通って多少はわかっていた道の。
いつの間にか市役所まで来てたんですよねー。あとで冷静に考えれば、真横から外宮参道に入って、参道に気づかずにそのまま抜けてしまったんだろうと思います。昨日の夜も今日の朝も外宮参道は通っていて、その参道の印象が強かったんですよね。なので、参道へ出ればすぐわかって右折してせんぐう館に行けると思っていた。目をつぶっても行けると。
しかし道というものは、その見る方向によって、けっこう印象が変わりますよね。横から入ると参道感が減っていたのかも。
そして予想だにしない伊勢市役所が見えて来て、軽くパニック。いやいやいやいや、月夜見宮からせんぐう館への道で市役所が出て来るわけないんや!
ああいうお役所って敷地が四角、建物も四角いから、慣れていないと方向が取れない。わたしは数十年前から思っているんですけど、大きい建物は地図上で正面玄関の位置をちゃんと書いておいて欲しい。
別にそんなに慌てることではない、という意見もわかります。歩いて行き過ぎても数分戻ればいい話。……が、思ったより時間が迫っている。先にせんぐう館にして月夜見宮を後で行くつもりだったのに、バスが意外と早く着いたもんだから、動線的に月夜見宮を先に行ってしまった。今15:40。そして、今調べなおしたら開館時間が16:00までになってる!さっきの情報では「16:30(入館は16:00まで)」だったのに!
どっちが正しいのか。もし16:00までだったら、今から向かっても5分くらいしたら閉館じゃん!
もう諦めようかという考えが一瞬頭をよぎり。いや、でもここを諦めたら欠落感がある。そこまで執着のある施設じゃないけど、少なくともコンプリートが出来なかったという悔いは残る。
走れ。走る。外宮の鳥居が見えて、横断歩道の信号待ちでこっそりイライラ。あと10分。間に合うは間に合うけど、問題は閉館時間が16:30なのか16:00なのか。どっちなんだ!
16:30まででしたー。セーフ。
だが、ここまで動揺した後に心静かに展示物を見られるわけもなく。徴古館や美術館と同様、さくさくさくっと見るだけで終わってしまいました。実物大?1/2スケール?の模型は多少ちゃんと見たけれども。あとは何があったかなあ。ほぼ忘れている。
が、そのおかげで。
すてきな景色が見られましたー。ここはせんぐう館の、順路的には最後の、ちょっとした休憩場所から見る勾玉池の風景です。写真では良さが全然出てないけど、夕日の沈む光景がとてもすてきだったの。
15:55に到着して、ささーっと展示を見て、最後の15分はここで池を見ていました。さざ波と夕日。ああ、いいねえ。心が休まる。近所にあれば何度も来るのに。
喫茶モリへ!
夜ご飯。伊勢ソウルフードシリーズ、最後の1軒は「喫茶モリ」さんです!
ここの「モリスパ」というメニューが人気!……だがしかし、わたしあんまりナポリタン好きじゃないんですよねー。ケチャップ味が比較的苦手。なので、わざわざ行った意味があるのかないのかわからなくなりますが、食べたのはサンドイッチとバナナジュースでした。
しかしこれが美味しくて!!
今考えても謎な美味しさ。特にバナナジュースが。バナナジュースが!……なんとおかわりしたんですよ。多分人生で喫茶店でドリンクをおかわりしたのは初めてでしょう。さっぱりしたタイプのバナナジュースで、一口飲んだ後、ほぼ一気飲み。
喉が渇いてたのかなあ。水は持ち歩いていたんだが。多分ねー、うちの地元の喫茶店はバナナジュースってあんまりメニューにない気がする。こちらでは定番なんですかね?あとで行く名古屋でもバナナジュースは基本あったような。
喫茶店のサンドイッチを食べたのも久しぶりだった。おいしー。普通の喫茶店でただのサンドイッチとバナナジュースを頼んだつもりが、思いもよらず心静かに感動をもって食べることになりました。
人がいない方向を撮っているので椅子しか見えませんが、右手側には他のお客さん、わたしが出る頃には半分以上席が埋まっていました。
「美味しかったです!」とお店の人に宣言して店を後にする。
あとは宿へ帰ってくつろぎましたー。モリさんでの夕食が早めだったので、2個買っておいた「シェル・レーヌ」を1個、夜に食べました。
そして翌日、翌々日、その翌日の3日分くらいの予定を考え始める。明日と明後日の午後は名古屋で動かせない予定が入っているから……伊勢もこころゆくまで見たことだし、明日のあさいちに名古屋へ移動しましょう。行く場所や食べるもの。だいたい目星をつけていく。
順調この上ない、と思ったこの旅行。――この後、オソロシイことが起こります。