熊野/Kumano:2014

5.感動の“岩しみず”。

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御坊駅から鈍行に乗って、1時間もしないうちに紀伊田辺駅着。16:01。
ここで乗り換えです。

この後今夜の宿泊場所の太地町まで、鈍行で行くか特急に乗るかというのは、
今回の日程における数少ない選択余地の一つなのだが、

鈍行に乗って紀伊田辺16:38発、太地町19:05着というのと、
特急に乗って紀伊田辺17:07発、太地町18:40着というのを比べて
特急料金を払うメリットがほぼ見当たらないので、このまま鈍行で行きます。

移動手段としてわたしが一番好きなのは鈍行なんだなー。
新幹線の2時間は時として苦痛だが、鈍行の2時間はむしろ楽しい。
……ただ、結果的にわたしが乗った鈍行列車は、愛する4人掛けのボックスシートタイプではなく、
通勤電車のロングシートタイプだったのでけっこうがっかり。
ボックスシートの方が旅情があるでしょう。

紀伊田辺で37分電車待ち。小腹も空いてきたことで、駅から出て、何か地元っぽいものがないか
探してみましょう。

駅前に地元菓子屋発見!写真はちょっと看板見にくいけどね。右の方の角の店。
三万五千石という地元のお菓子の店らしい。
これこれ!と思って店に入ったところ、3個セットが一番小さい単位なんだそうで、
うーん、3個はちょっと多いかなあ、と思って止めた。
他にないかな、と思って店内を見回すと、ショーケースのなかに何かすごいキラキラした物体が!

なんですか、これ!?と食いついて訊いたところ、わらび餅に似たお菓子らしい。
……正直わらび餅っていっても食べたことないし、実体は良く知らないのだが、
あー、なるほどー、とわかったふりをする。
ぷるるんとしている。これに黄粉をかけて食べるそうだ。

もうとにかくそのキレイっぷりに心を奪われ、早速購入する。冷やして食べるものだそうで、
「電車の中で食べます」と言ったら保冷剤もつけてくれた。上の写真は電車内で撮ったもので、
光量がいまひとつだが、それでもこのキラキラ具合。
お菓子の綺麗さでこんなに感動したものは近年ありません。宝石みたい。幸せ。

広告宣伝費をもらったわけではないが、キレイですよ、「岩しみず」!
紀伊田辺駅前の三万五千石。
味はねー、ぷる~んとした食感に、黄粉があっさりした甘さで美味しかったです。
楊枝はついていたが、出来れば残った黄粉も食べたかったので、
アイス用の適当なスプーンでもついてれば最高。
楊枝で黄粉をすくうのはなかなか骨が折れました。(←すくったんかい!)

ちなみに、写真を見た人は巨大なものを想像するらしいのだが、容器の直径が12センチとかそんなもん。
1個の丸が500円玉くらいだろうか、それよりちいさいくらいか。
薄い青と薄いピンクをこっそり紛れ込ませているところで、美しさ倍増。
250円でした。
お店の方も感じが良く、カステラのラスクも試食させてくれた。これも美味しかったです。

何かシアワセな思いで紀伊田辺を後にする。

言い忘れてたが、ここは弁慶所縁の地だそうです。
弁慶はまんざら知らない仲でもないので、そうか、ここがお前のふるさとかと心に呟いて来た。
熊野水軍の族長の一族だったはずだね、お前は。
幼い頃は海で散々遊んだだろう。体が大きかったから、近所の子供たちの中で餓鬼大将だったろう。
まだ子供の頃に仏門に入らされ、僧兵として暴れて、義経に出会う前は荒法師。
そこから義経を助けて、長い長い旅をして、お前の説得で熊野水軍が源家に味方したこともあった。
そして義経と最後までともにいて、平泉での立ち往生。
そうか。ここがお前のふるさとか。

16:38、岩しみずを食べながら紀伊田辺発。

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