函館の旅の話/1990

◎夜に感じる一人旅の心細さよ。函館の旅の話・その1。

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ある意味初めての一人旅、というのは中学3年生の頃の京都旅行。そして最初から最後まで一人という完全な一人旅は大学生の時の函館でした。3泊4日。この時は青春18きっぷ使用でした。

 

青春18きっぷって知ってますか?

青春18きっぷって現代日本でもまだ流通してますよね?今はLCCとかあるから、使う人はだいぶ減ったんだろうなー。わたしの頃も18きっぷを実際に使ったことがある人は少なかったんですが。

青春18きっぷは大雑把にいえば、約12000円で5日分(=回分)の切符です。通年で売り出しているわけではなくて、期間限定。基本的に春休み・夏休み・冬休みを中心に販売されます。

その期間の間に1人で5日使っても、複数人で(つまり最大5人)で1日使っても可。ただしチケットとしては1枚にスタンプを押してもらうことになるので、同時に1人ずつ別な旅程で使うことは不可。改札は全員で通過する必要があります。

この切符は普通列車と快速列車に乗り放題です。1日のうちだったらどこまででも行けます。わたしは仙台から京都まで青春18きっぷで移動したことがあります。さすがにこの時は疲れたけれども。それに比べたら仙台-函館間の移動は楽勝。まあ京都まで行ったのは函館の旅より後の話です。

青春18きっぷという名前のせいで誤解されることもありますが、特に年齢制限はありません。年齢関係なく誰でも使えます。

期間内に使えばいいので、たとえば2人で2泊3日なりの旅行で行きと帰りで4回分使って、残りの1回分を1人で日帰りで使い切るという使い方も可能。

久々に列車にのって旅気分を満喫出来るのがいいですね。最大限に旅情を感じられるのが電車、その中でも各駅停車だと思うのですが、いかがでしょう。特に4人掛けのボックス席は「旅」という感じがしますねー。今となってはもはや郷愁すら感じられます。また各駅停車の旅がしたいなあ。

 

函館へ、各駅停車の旅。

朝6時に最寄のJR駅を出ます。青春18きっぷで距離を稼ごうとする場合は早朝出発は必須です!特に地方に行く場合は。だんだん接続が悪くなってくるの、で選択肢を増やすためにも朝いちばんの電車に乗るのが推奨。

通学時間になると、高校生が増えてきます。電車によってはほとんどが高校生というところも。わちゃわちゃしている彼らの会話をなんとなく聞きながら、時々は内心笑ってしまうこともあったりでちょっと楽しい。その後は眠ったりなんだりで暇をつぶす。窓から景色をぼーっと見ていると、30分や1時間はあっという間。

青春18きっぷは乗り放題ですから、当然途中下車も自由です。事前に時刻表を見て接続を確認すると、途中下車出来る時間がありました。今回は盛岡で降ります。……この2週間後にわたしは盛岡の友達の家に遊びに来る予定があったのですが、なんでわざわざこの時も盛岡を選んだんでしょうね?せっかくなら行く機会がない駅で降りたら良かったのに。

 

盛岡をちょこっと歩き。

盛岡では1時間ちょっと過ごしました。短時間なのでそんなに遠くには行けず駅周辺のみ。

盛岡は川の町という印象が強い。それは初めて盛岡に行った、この時が大きく影響しています。盛岡駅の近くに大きな川が3本合流している場所があって、そこまで行きました。北上川、雫石川、中津川の流れが広い河原で一緒になっている。季節柄か、川の水量が多く――この水の豊かさが盛岡のイメージとして残っている。

川沿いの歩道を何となく歩きました。北上川沿い。北の方角を見ると、その先には岩手山がある。南部片富士。清らかな稜線。わたしは海が好きだけども、海がそれ自体では個別化できないのに対して山は一つ一つが特徴的。

石川啄木の、おもいでの山 おもいでの川。まさにその山と川を見ながらわたしは歩いている。山に見守られる暮らしもいいなと思いました。盛岡は空気が透明で水がきれいで、宮沢賢治が名付けたモリーオ市を思い出します。

あのイーハトーヴォのすきとほった風、夏でも底に冷たさをもつ青いそら、
うつくしい森で飾られたモリーオ市、郊外のぎらぎらひかる草の波、
(宮沢賢治「ポラーノの広場」)

川沿いの道には季節を迎えた萩の花が咲いている。萩の長い茎とそこに散る赤紫の花が楽譜のよう。風に揺れる。

9:25に盛岡に着いて、10:40に発ちました。この中途半端な時間にどうやら食事をしたらしい。多分朝ごはん食べてなかったんでしょうね。400円で一体何を食べたんだろう……。ファストフードかなんかかな。

 

初めての町。

15:10に青森に着いて、ここでがっつりした食事をしています。店名が「かつ一」で750円なので、多分かつ丼か何かでしょう。駅ビルLOVINA(ラビナ)の4Fにあった店だったようですが、今はもうありません。

18:50。JR函館駅到着。もうすっかり暗い。

そこから函館山のふもとのホテルへ行きます。なんと今でもまだ営業しています!

ホテル函館山

 

当時すでにけっこう古いホテルだったが。リノベーションしたんでしょうね。部屋の写真を見ると、今の方が確実にきれい。

この頃はホテル予約サイトは存在せず、それどころかインターネットもなくて(世界のどこかにはあったかもしれないけど一般人が使うものではなくて)、ホテルは紙のガイドブックに載っているほんの数軒の候補から選ぶしかないんですよ。今ならサイトを開けば部屋の写真も値段も口コミも一発で出て来て、どれでもよりどりみどり。便利になりましたねー。

部屋に着いて――急に淋しさが襲ってきたのを今でも覚えています。それまで友達と旅行に行ったり、東京の友達の家に泊まりに行ったりということはあったけれども、完全な一人旅は初めて。でも単独行動に自信がある方だったので、まさかこんなに心細くなるなんて思わなかった。

おお。わたしは今、心細い。

心の半分で心細さを味わい、もう半分でそれを面白がっている。一人旅の条件であった、一日一回安全報告の電話を家に入れました。普段無口な母がいつもよりも饒舌でした。

山のふもとにあるせいか、ホテルまでの道のりは若干登りで大変だったんですけれども、その分ほんの少し町の夜景も見えます。背後の函館山に登ればもっときれいに見えるでしょう。函館は日本三大夜景の一つ。明日の夜に行きましょう。

 

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