美術館・博物館

台湾の故宮博物院。言われているよりは意外に狭いのです。

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世界3大美術館とはどこでしょう?
これはいろいろな名前が上がりますが、

パリのルーブル美術館
ロシア・サンクトペテルブルグのエルミタージュ美術館
ニューヨークのメトロポリタン美術館

が一般的だと思います。とはいえ、これはがっちり固まった意見ではなく、
メトロポリタンの代わりにスペインのプラド美術館が挙がったりもしますね。

そして世界4大美術館という言い方もあります。

その場合、台湾の故宮博物院が入ることがけっこう多いんですよね。
なので実際に行く前は膨大な所蔵品のある広大な美術館だろうと思っていました。

 

そう予想して行くと規模がだいぶ小さかった。

実際に行くとそこまで大きな博物館ではなかったですね。
ルーブルやメトロポリタンと比べるほどではなかった。
わたしの予想の4分の1くらいだったかな?

それ以来「(台湾の)故宮博物院が巨大」と書いてあるのを見るたび疑問。
北京の故宮博物院と勘違いしてないですよね?
北京の方はものすごく広そうだが。
ネット上で間違いの方が広まっているのでしょうか。

展示品も小ぶりなものが多い。
これは中華民国政府が政治的危機により台湾へ移動せざるを得なくなった時に、
その質とともに、小型で運びやすいという観点から宝物を選抜したからと思われます。

大雑把にいえば、

台湾の故宮博物院=質が良く小ぶりで厳選されたもの。
北京の故宮博物館=建物自体も含めて広大な博物館。

という特徴になるでしょう。

とはいえ、美術館の価値はその規模ではありません。
好きなものにめぐりあえるかどうか。

 

故宮博物院はどこにあるの?

台北市の町の中心、台北駅から北へだいたい9キロほどのところ。

公式サイトがわかりやすいです。
アクセスはいろいろあるようですが、一般的なのは地下鉄淡水線を使う方法かな?
わたしはこのルートで行きました。シンプルです。

台北駅から地下鉄淡水線の士林駅へ。
士林駅からはバス停Cに行って故宮行き(故宮を通る)バスに乗る。

 

バス停については士林駅の改札を出たあたりにこんな案内板が出ています。
バス停の場所も表示板がありますので、現地で確認してたどり着けると思います。
バスの便数も多いのであまり心配することはないですね。

 

開館時間と料金。

〇本館の開館時間:8:30~18:30

そして金曜日と土曜日は閉館が延長され、21:00まで見られるそうです。
年中無休。

〇入場料:一般大人は350元。(≒1300円)

なお「至善園」という庭園もあり、

4月~10月 8:30~18:30
11月~3月 8:30~17:30
月曜定休

だそうです。故宮博物院入場券を持っている人は無料。
庭園だけ見たい人は20元。
わたしは行こうと思っていて、現地に行ったらすっかり忘れていて行かなかった。

 

故宮博物院で何を見ればいい?

故宮博物院で最低限何を見るか、というのはけっこう難しいです。

たとえばルーブルでは「サモトラケのニケ」とか
大英博物館では「パルテノンマーブル」とか、
いろいろおすすめするものがあるのですが、
正直に言って故宮博物院でこれだけは!という作品名があまり出て来ません。

これは作品名のせいだと思う。中国語で書かれると
読もうと思ってもそうそう読めず、書くとなったら全く書けないので
今のままではきっと名が売れない。

そういう状態なので、どのサイトでも「白菜」と「豚の角煮」しか出てこない。
これが不満なんですよねー。
白菜と豚の角煮は面白いですけど。これしか出ないというのは残念。
まあ話の種にはなります。混むかもしれないので最初に行くといいです。
3階の302室です。

 

わたしは物として何か一つ、と言われたら

「雕象牙透花人物套球」

これを推します。

これはすごいですよ!
写真ではあまりきれいに写っていないですが、真っ白な象牙で出来ています。
すごくきれい。

そして中央の球状の部分。何の説明もなければ「なんか細かく彫ってある」で
終わりですが、実はこれは直径約12センチのボールの内部が
何層もの球状になっているとか。

これが何層なのか、正確な情報がどうも探せない。
12層、21層、24層とサイトによって全然別な情報になっていました。

でも一番少なく見ても12層ですよ!12センチで!
それを彫りだしていくわけですから。
出来れば故宮博物院のサイトでそこのところちゃんと説明を書いておいて欲しいが、
なかなか使いにくく出来ており、作品の説明書きがない。

親子3代で彫り続けたそうです。完成まで100年近い。
最後の最後で失敗したらと想像すると……!

大きさは手のひらに載せることが出来るでしょうが、
サクラダ・ファミリアに匹敵する小宇宙だと思います。
全宇宙を創造した神が宇宙を見るとしたらこんな風である気がしませんか。
賛嘆をこめて精緻な宇宙を見つめましょう。

これは1階の106室で見ることが出来ます。(その筈。)

「清 象牙鏤彫提食盒」

これもすごかったですねえ。その細かさに息を呑みます。
細かい細工は日本人の専売特許だと思っていたが、さすが中国四千年の歴史、
あり得ないほど細かい……!

ただこれはもしかしたら現在展示されてないかもしれません。
総収蔵点数68万点が災いして(?)展示替えがあるそうなんですよ。

この2つは名前さえ憶えやすいものにすれば、すぐに世界レベルで
「誰でも知っている」逸品になると思うんだけどなー。

せめて最初のだけでも「アイヴォリー・ボール」とか簡便なニックネームをつけて
大々的に宣伝したらどうでしょう。

102室のオリエンテーションギャラリーへ。

「白菜」と「豚の角煮」を見る人は見て、
「雕象牙透花人物套球」と「清 象牙鏤彫提食盒」を見終わったら、
第102室のオリエンテーション・ギャラリーへ行きましょう。
ここは中国6000年の歴史のアウトラインをまとめているところのようです。

順序だてて見ることにあまり興味がない人は省略も可。
わたしは省略するかもしれません。

陶磁器。

各人の興味によるとは思いますが、わたしが故宮博物院で一番良かったのは
陶磁器でした。2階の東側。さすがにいいものがたくさんあります。

もし時間の都合で陶磁器の中でも絞るとしたら。

長い歴史を持つ中国陶磁ですが、まずは宋時代のものがおすすめ。
簡素さと技法がいいバランスを保っているデザインが多いと思います。
あまり絵付け・模様は多くないイメージ。発色の良さで勝負をしている。
青磁・白磁も美しいです。この色の美しさ。わくわく。

わたしが好きだったのは「定窯 印花孔雀牡丹折治盤」。
――しかしこんなタイトルでは全く個々の作品の区別がつかないのだ!

宋の次は、清時代のもの、その次が明時代。あくまでも個人的な好みですが。
清は精緻さ。
明は鮮やかな絵付け。

陶磁器は色がきれいで目に楽しいですね!

清代皇室文物。

清時代の皇帝たちが愛玩した文物だそうですから、内容がバラエティに富んでいて
いろいろなものが見られるのがこのコーナーのいいところ。
清の時代には乾隆帝という、まー金と権力に飽かせていろんないいものを集めまくった
皇帝がいて、彼が集めた色々が質がいい。

最初に挙げた象牙の彫物もこの辺りです。1階の西側。

青銅器もちょっと面白い。

あまり見る機会がないのでここでまとめて見ておくといいんじゃないかなと思うのが
青銅器。3階東側です。

日本で青銅器というと銅剣・銅鐸・銅鏡などであまり変わり映えせず、
そんなに見て楽しくもないですが、
中国の青銅器はすごくデコラティヴで見て面白い。
日本で例えると(根拠はありませんが)縄文土偶のような面白さ。

商時代(日本では長らく殷時代と呼びならわしてきましたが、最近は商の方が
よく使われるらしい)の饕餮文(トウテツモン)というのが面白いですよ!
饕餮は中国古代神話の怪物の一種。何でもむさぼり食らう怪物だそうだけど、
魔除けの意味も持つそうです。

デザイン的にはアステカ帝国あたりと近いものを感じますね。
時間も空間も異なるものだけれども。

玉器もちょこっと。

これもあまり日本ではバラエティに富んだものは見られないから、
ここでさらっと見ておくのもいいと思いますねー。
翡翠などで作られた装飾品、または祭祀用品。
3階西側です。

……と、わたしはこんなところでいいと思います。
これでも、見ようと思ったら2時間はかかると思いますねー。

中国の画・書には興味がないのでさくっとしか見ませんでした。
仏像はいいものがあるんじゃないかなーと期待していたのですが、
意外になくてがっかり。

予定では半分も見られればいいかなーと思っていたのですが、
結局一通り見られたんですよね。特に陶磁器はじっくり見ました。

 

故宮博物院での注意点。

金曜土曜の夜間は写真撮影禁止。

3年前から写真撮影可能になりました。

わたしが6年前行った時にはまだ禁止だったんですよね……。
これがつらくてつらくて。
日本でもちょっと前まではほとんどのミュージアムで写真撮影不可だったから
他人のことは言えませんが(今もまだ禁止のところ多いですね)
気に入ったものの写真とタイトルを撮ってきたかった!
そこら辺を転げまわりたくなるほどツラかった。

今は写真撮影可能です。いい時代やなー。
しかし三脚、自撮り棒、フラッシュなどは禁止です。

そして、その他になんと金曜土曜の夜間延長時間の間も撮影禁止だって。
これ、なんの罠!?

ここは注意した方がいいですよー!
故宮博物院近くの士林夜市とカップリングして行こうと計画する方もいらっしゃると
思いますが、そんな方も18:30以降は写真が撮れないことを覚えておいてください!

すごく素敵なものに巡り合っても、写真が撮れないと記憶にとどめておくのは難しい。
タイトルだけ控えてきても何ヶ月か経つとどんなんだったか忘れている。
数が多いですから。
美術好きな方は絶対に写真が撮れる時間帯に行くことをおすすめします!

ちなみに美術作品を撮る時は、タイトルだけアップにして撮って来た方が
あとで楽です。1枚目は物を撮る。2枚目はタイトルを撮る。
もしお好きな方は3枚目として解説板を撮る。

ちなみに当時ですが、
この規模の美術館なら山ほど売っているはずの所蔵品の絵はがきがなかったです。
いやー、こんなにグッズを作ってるのに絵はがきがないとは!とびっくりした。
デジタル時代の今時、もう絵はがきは作らないのでしょうか。

ミュージアムショップが広い。

地下のミュージアムショップは充実の品ぞろえです。
ここでお土産を揃えるという選択もありでしょう。

最終日近くに故宮博物館に行ったわたしはここでお土産を買ったのですが、
とても広くてグッズも充実していて、……買い物のし甲斐がありすぎる。
迷って迷って大変な思いをしました。

行く前に心構えをしておいて、ある程度妥協してさくさく決めていくことを
おすすめします!そうでないといつまでも帰れませんから!

 

故宮博物館はじっくり見て吉。

3時間くらいあれば一通り見ることも不可能ではないので、
ある程度時間を取ることをおすすめします。

とはいえ、全部じっくり見ようとすると疲労困憊して倒れるので、
コツは興味のないものはさっくり流すこと。
気になるものだけをじっくり見てください。
きっとお気に入りが見つかると思います!

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