いろいろ徒然

◎国語辞典からの挑戦状。お題「賞杯」で2000字。

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国語辞典のページを行きあたりばったり開き、そこに出て来た最初の単語を基にしてだいたい2000字を書く、という挑戦を続けております。が、なかなか書けるお題には当たらないですね。世に単語は数多くも、近しい言葉にはそうそう出会わない。人間界と同じです。

今回のテーマも広げられる自信がないですね……。
今回のお題はこちらです。

賞杯:褒美として与えるさかずき(カップ)。a trophy

人生であまり使わない言葉ですなあ。まだトロフィーの方が使いますか。

書き終わるまで検索禁止。間違ったことを書くかもしれないが、不安な部分は後で答え合わせをします。

 

「賞杯」で2000字。

賞杯といって連想するのは……。競馬、ですかね?天皇賞杯とか皐月賞杯とか。ちょっと違いますか。「賞杯」と「○○賞の杯」というのは似て非なるもの。こういう差異は実際に使用例をいくつも体感しないと掴めませんね。賞杯という言葉はもう一般的には使われなくなってきています。トロフィの方が一般的でしょう。

はるか昔、たしか福岡だったと思うのですが、旅先で競馬場のそばを通りかかったことがありました。そこはちょっとおっかない場所でした。おじさんだけがうろうろしていて、紙くずが散らばり、雰囲気が暗かった。殺伐たる、という言葉はこういう時のためのものかと思った。その印象があったせいで競馬場には「こわいところだ」というイメージがありました。

競馬場には一度だけ行ったことがあります。ドライブ途中、福島競馬場の近くを通りかかって気が向いて寄ってみた。

しかし福島競馬場はそれまでの競馬場のイメージと全然違っていました。芝生が気持ち良くて、思ったよりも子どもがたくさんいて。わたしは競馬場に子どもがいることに驚いたのですが、雰囲気的にはファミリーで来ていても全然違和感がありません。まるで遊園地のよう。天気がいいのでとてもさわやか。わたしは馬が好きなので、こんな風に気持ちのいいところで馬を見ることが出来たらうれしい。

馬はとてもきれいで賢く、わたしの中ではイルカと並んで、愛することに一点曇りもないと思える動物。また競馬のレース自体にもストーリーがある。そこには感動が、悲劇が、ドラマがある。

しかし一点曇りもない馬にギャンブルのどろどろとした金銭がまつわりついてしまうのが残念だと思う。わたしは賭け事が嫌いです。競馬が賭け事じゃなければいいのになあ。お金が関わらない競馬はあり得ないだろうか。競馬にプロスポーツとしての道はないものだろうか。

プロスポーツとして代表的な、プロ野球と引き比べてみましょう。

プロ野球には1チーム70人の選手がいて、裏方がそれ以上いて、それぞれにストーリーがある。ストーリーには人々の心を動かす力がある。それからデータ分析の楽しみもある。選手個人の資質、キャラクターという要素もある。みんなで一体感を持って応援する楽しみ、地元のチームを応援する楽しみ。グッズ販売、球場グルメ、イベント。これらがざっと見たプロ野球の魅力。

競馬も、関係者の数は相当にいますよね。厩舎もたくさんある。馬の話は好きだ。馬自体にもストーリーがある。

宮本輝に「優駿」という小説があります。わたしは宮本輝は全体的にあんまり好きではないが、「優駿」は読んで良かった。弱小牧場が最後の最後に夢をかけて、そしてありったけのお金を出して、一頭の仔馬を買う。その仔馬がダービーに出るまでの物語。いかん、こう書いているだけで泣けてくる。

人間は物語を愛す。

ただ現実には、そこまで劇的で派手なストーリーを持つ馬は少数派でしょう。掘り起こせば一頭一頭、一人一人にいい話があるだろうけど、総じて話としては小粒になりそう。一般人に訴求するまでのストーリーは、オグリキャップとか、10年くらい前になんだかで有名になった何とかという馬とか(←要は覚えてない)、10年に2頭くらいいればいい方なんじゃないかな。

馬は個別化が出来にくいというのも、野球選手と比べてマイナスポイントでしょうか。
よく知れば馬にも性格や個性がしっかりあるでしょうが、人間にはそれがつぶさにはわからない。馬はインタビューにもこたえてくれないしね。ちょっとの間映すのはいいけれども、特徴のない馬を見るだけでは尺が取れない。

データ分析の面白さというのは、競馬にはたっぷりあると思うなあ。競馬をかじったことがないわたしですが。血統。コンディション。騎手との相性。性格。レースの進行の好み。……よくわかりませんが、以上のようなことはあるでしょう。これらを組み合わせて予想するのが、競馬の楽しみの最大のものじゃないでしょうか。

ただ、データを覚えるのは敷居が高いですね。これはプロ野球でも同じ。わたしはプロ野球好きの範囲に入ると自任しているけれども、他球団のデータまでは興味がありませんからね。自分のチームだけ。さすがに有名どころの選手についてはある程度の「この人長打があるからやだなー」「この人は前に打ち崩したことがあるから与しやすいなー」程度の印象はあるが、それ以上ではない。

馬についてデータを入れるのはさらに大変かも。プロ野球は試合を漫然と眺めているだけでもある程度のデータは入るけれども、競馬中継を見ているだけでは全ての馬の血統や性格まではなかなか言及してくれないでしょう。

データとしてではなく、馬の個人的な側面にまで光が当たることはめったにないですよね。それこそ10年に1、2頭出るスーパースター以外は。本人のインタビューが出来ないから、通り一遍の話にしかならない。

そして何より、競馬がスポーツになり得ない最大の要因は、チーム制ではないことですね。これはわたしの独断ですが。もちろん世間にはスポーツの個人競技も数えきれないほどありますし、人気のあるスポーツもないではない。が、そういうスポーツは総じて弱い選手にはあまり光が当たらないんですよね。

チーム制の場合は観客は(ファンは)総体として愛するから、そのチームの弱い選手、下手な選手も意識のうちにある。チーム選手一覧などで見ることもありますしね。存在を知れば応援も出来る。しかし個人競技で無名の選手の場合、人目に触れる機会はかなり少ないのではないでしょうか。

ここが最大のネックだと思います。個人競技で実績がない場合でも、本人の「やりたい」という思いがプロで居続けさせることは出来る。経済的な問題さえ解決できれば。しかし馬がレースに出たいと意思表示することはなく、馬主が儲けを度外視して走らせ続ける可能性は少ない。

またレース馬の稼働期間は短い。実績を残し、名が知れて、ファンがついて、それからも勝ち続けるという期間は3年くらいですか?チームだったらチームとして愛せる、応援し続けられるけれども、3年しか活動期間がない、3年後にはまた別の愛する対象を作らなければいけないというのは、人間にとってかなりせわしい。

馬をギャンブルと切り離すためにプロスポーツ化を考えてみたところ、チーム制にするのが近道なんじゃないかと思いました。

まあ簡単なことではないですよね。厩舎で分けていいものか。厩舎は大規模なものから小規模なものまでいろいろあるが、その扱いをどうするか。厩舎ごとまで細分化したら、馬単体とそれほど変わらない。厩舎もそんなに永続的な存在ではないと思うので、チームとして存在していくためにはやはりもっと大きな連合を考える必要がある。

なお、チーム制と切っても切れない関係があると思うのは地元意識です。高校野球(プロではありませんが)の人気がいつまでたっても衰えないのは「地元の学校」と思えるからでしょう。それが関心、応援の大きなモチベーションになる。

現行では競走馬の産地といえば日高(それ以外にもあるかもしれないがわたしは知らない)で、分布に偏りがあるだろうと思うので、ここをどう解決するか。もしくは地元意識という大きな要素がなくてももっと人々を惹きつける要素があるか。大きく東西対決ということは可能でしょうか。くくりが大きすぎるかな。

競馬がギャンブルを離れてスポーツに移行することは難しいでしょう、普通に考えれば。でも麻雀がお金さえかけなければ、単なる「とても面白い確率ゲーム」であり、オンラインゲーム上でゲームとして楽しまれていることを考えると、お金が絡まない競馬というのも求められてもいいと思うのです。そうすると多分別な層の裾野が広がる。ギャンブルだから敬遠していた層が競馬にもっと親しみを持つだろうし、乗馬の拡大や騎手の拡大にもつながっていくでしょう。

と、競馬について昔々考えたことを辿りました。

 

賞杯から競馬というのは無理があったが。

これで3200字。ちょっと長い。

競馬のことはほとんど知らないんですよねー。人生で一度も馬券を買ったことがない。福島の競馬場に行った時も、行っただけで馬券は買っていません。出走前の馬が歩く何とかサークルで馬を見て、一着になりそうな馬を当てずっぽうに言ってみたのですが、後日訊くとその馬券をもし買っていたとしても外れたそうです。ビギナーズラックならず。

なので、競馬の知識が全くない人が考えた競馬のプロスポーツ化の夢想です。

競馬関係者って何人くらいいるの?

何人くらいいるかはわからない。感じとしては、プロ野球関係者とは比較にならないほどの人数がいそうな気もする。が、プロ野球関係者といって球場飲食店の売り子さんまで含めるとしたらどうかな。それでも比べ物にならないくらいでしょうか。競馬学校もあるそうですしね。

経済効果は?

2020年の中央競馬は3兆円弱の売り上げがあったそうです。他に地方競馬もありますし、経済効果といった場合は売上だけではありませんから、莫大な金額になりそうですね。これはやっぱり一大産業。ギャンブルでなくすることは無理か……。

厩舎って?

何の気なしに使った「厩舎」という言葉ですが、わたしが言いたかったのは牧場のことのようです。厩舎と牧場って別なんですね!ああ、そうか、牧場は馬を繁殖させて、ある程度まで育てるところですか。厩舎は調教をするところ。

しかし厩舎のwikiを読んでもシステムがよくわからない……。厩舎はセンターにあって?厩舎には最大28、最小12の馬房が与えられるって、「与えられる」のは誰に対して与えられるんだろう。そしてセンターにある以外の厩舎もあるそうで……。形態がいろいろあり、よくわからない。

アイドルホース。

一般人にまで名を知られた馬はアイドルホースというそうです。初めて知った。

オグリキャップは何となく覚えている。地方競馬から出て中央競馬で活躍した馬ということで人気があった。本で読んで知っていただけだった「葦毛」という馬の色をこの馬で覚えた。

ナリタブライアンは名前だけ憶えている。ディープインパクトもえらく騒がれたと記憶している。ダメだなあ、wikiを読んでいるだけなのに、彼らの馬生の健気さに泣けて泣けて……。

たしか、ずっと負け続けた馬がいましたよね。何て名前でしたっけ。あ、そうそう、ハルウララ。勝たなきゃ存在意義がない競馬の世界で負け続けられることは稀有。採算が合わなければ最悪処分されることさえある世界です。全然勝てなかったけど丈夫で、標準より多い年間20レースほどに出走し、その出走料でなんとか経費ととんとんだったとか。

高知競馬の馬でした。「負け続けた馬」として急に脚光が当たり、全国区の人気が出て。全国からお客さんが詰めかけて、ジリ貧だった高知競馬の稼ぎ頭になったのだけれど、「勝つ馬を作る」ために日々がんばる馬主や調教師にとっては不本意な注目のされ方だったそうです。

でも話題になったことで当時の一流騎手、武豊が騎乗するまでの話になって。それでも勝てなかったけれど。ブームが去ったあと、周囲はごたごたしたらしい。勝てない馬だから繁殖馬にはなれないし、臆病だから人を乗せる乗用馬には向かない。結局あちこち回った末に、少なくとも2019年3月の段階では千葉の牧場にいるそうです。

あ!1か月前にハルウララの元を訪れた人の情報がありましたー。まだ元気でいるようです。25歳ですって。長生き。最近出た競馬のゲームに登場して、思い出す人もいるらしいですね。彼女も(牝です)ある意味で名馬でしょう。

ハルウララ。思い出せて良かった。

レース馬の稼働期間は?

わたしは適当に3年と書きましたけれど、実際はどのくらいなのか。

デビューは2、3歳頃で、引退は4~6歳と書いてあるところがありました。一般的にはそのくらいですかね?馬はある意味「数え」で年齢を表記するらしいので、実年齢とは若干差があるようです。馬年齢は大雑把に言って、年齢×4が人間の年齢に相当するらしいので、10歳頃から20歳過ぎまで走るんですね。みんな若者なんだ。

競走馬の産地は?

日高が多いだろうという予想は当たり、日高だけで競走馬生産牧場の66.5%を占めるそうです。いつのデータかは不明だが。北海道は日高以外にも生産牧場はたくさんあると思われるので、相当な部分を北海道が占めているのは間違いないと思われます。

昔は青森県や岩手県辺りが馬産地だったものだが……。あ、昔っていっても数十年のことではないですよ。平安時代とかそのくらいの話。青森県や岩手県に残っている八戸とか三戸などの「戸」は厩のことで、それがそのまま土地の名前となって残るくらい、馬の名産地だったということです。

源義経の愛馬「太夫黒」も岩手県一関市付近で生まれた馬とされています。平泉のすぐそばですから納得の出来る話。

 

お題は「賞杯」でした。

ちなみに個人的にトロフィをもらったことはありません。わたしの人生で一番印象深いトロフィといえば……

それはもう、2013年に楽天イーグルスが優勝した時の優勝杯ですね!あの頃の特番の録画はまだ消せずにハードディスクに残してある。消せないでしょうね、今後も。

以上、「賞杯」の回でした。

 

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